hakuunの未来ノート

将来のため、人生やビジネスに関して、考えたこと、感じたことを綴ります。

塩沼大阿闍梨

2015-12-07 | 人生観

先日、塩沼大阿闍梨にお会いした。

私は、仏教の世界について知らない。

昨年亡くなられた酒井大阿闍梨の本は何冊か読み、興味を抱いていた。

酒井師は、比叡山千日回峰行を二度満行して大阿闍梨になられた方である。

 

当時、酒井大阿闍梨の満行の様子をTV放送で見ていた小学生がいた。

その姿に感動して、将来自分も阿闍梨になると心に決めた少年が塩沼大阿闍梨である。

当初は、酒井師がいる比叡山で修行する予定であったが、大峰山の千日回峯行の方が厳しいということを知り、大峯山を修行の場に選んだという。

この時は、まだ19歳の少年だ。

その覚悟は凄まじい。

何せ1300年の歴史で、大峯山の千日回峯行を満行した人は塩沼大阿闍梨で2人目だ。

オリンピックで例えれば、金メダルを10個も20個も取っているような超人レベルの方である。

 

このような修行をした方のイメージは怖いお坊さんのように思うが、お会いすると全く異なる。

優しい笑顔で、素敵な心の持ち主である。

さらに、修行僧として、難しい勉強をしているはずだが、難解な言葉は一切ない。

世間には往々にして専門用語や難しい言葉を使い、自分の権威を保とうとする人がいる。

しかし、大阿闍梨は全く違う。

仏教の修行で学んだ難しいことを、一般庶民でもわかる優しい言葉に置き換えて話してくれる。

 

大阿闍梨のお話の中に、「山の行より里の行」と言う言葉がある。

厳しい山で修行することも大切であるが、日常生活の中でいかに生きるか、という課題。

当たり前のことであるが、当たり前のことに気づいてそれを実行することの大切さ。

 

一般の凡人は、後悔する日々を送っている。

今日の仕事でミスをしてしまったとか、

家族に厳しい言葉を言ってしまったとか、

後悔して、反省する日々、これが普通の人ではないだろうか。

 

塩沼大阿闍梨のすごいところは、後悔しないこと。

そのためには、日々全力を尽くすこと。

相撲の星取りであれば、8勝7敗で勝ち越しであるが、

千日回峯行の修行では、1000勝0敗でならなければならない。

いい加減な気持ちで修行しても、表面的には見えないが、人様に対して自信を持ってお話をすることが出来ないという。

1000日間、全力を尽くして修行してきたこと。

この自信が、大阿闍梨の一つひとつの言葉ににじみ出ている。

今のお姿は、もう一歩上の段階にいる。

山の修行を終えたが、もっと大切なことは、日常生活をどのように生きるかであるということ。

日々の生活において、千日回峯行以上に全力を尽くすことが大切である、ということを言っていた。

日々全力を尽くしているから、反省することはあるが、後悔することはないと断言している。

 

そのためのヒントが、塩沼師が最近出版された本「人生で一番大切な三つのことば」にある。

 

三つの言葉とは、「ありがとう」「すみません」「はい」

 

誰もが知っている大切な言葉である。

 

この三つの言葉は、「感謝」であり「反省」であり「思いやり」である。

 

日々全力を尽くし、感謝し、反省し、思いやりのある行いをすること。

これを行うことで、誰もが幸せな人生を送ることが出来るという。

 

この本には、人生を上手に生きていくためのヒントが満載である。

 

人生の指南書として、一読する価値がある本である。

 

 


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