「本を読め」という言葉は、最近聞くのだろうか?
電車に乗ると、本を読んでいる人が非常に少ない。
半数以上の人がスマホを持っている。
たまに隣の人の画面が目に入るが、ゲームをやっている。
スマホが世の中に出現する前は、当然このような現象はなかった。
それぞれの価値観に従ってやっていれば何も言うことはない。
スマホが普及率するにつれて、本を読む人が減っている。
実際に、本屋さんがつぶれている。
私が知っているだけで、この1~2年間に4件の本屋が看板を降ろした。
世の中のニーズが変わったといえば、それまでのことである。
では、本を読まなくなった人たちはどうしているのだろうか?
私自身は、一ヶ月に数冊程度、能書きを言うほど本は読んでいない。
でも、言いたい。
なぜ人は、本を読むのか。
小説であれば、ワクワクドキドキしながら疑似体験をして感動したい。
最近TVで放映された「下町のロケット」などはこの部類だ。
芥川賞作品などは、登場人物の心の変化を堪能するのではないだろうか。
これも楽しいひと時だ。
一方で、名著と言われる本がある。
長い期間、人々に愛されている本だ。
「論語」や「聖書」は、世の中にでてからどれだけ多くの人が読んでいるか計り知れない。
息の長い本は、時代が変わっても、読む人に届くメッセージは不変なのであろう。
「源氏物語」や「枕草子」も千年もの間、日本人に愛されている名著であろう。
いつの時代も本は書かれているが、世の中が激変した明治時代にも名著といわれる本がたくさんある。
その一つが「代表的日本人」(内村鑑三著)
西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮上人の5人について書かれている。
この本は、日本の文化や思想を5人の人物を通じて欧米社会に紹介した本であり、もともとは英文である。
有名な話であるが、故ケネディ大統領が尊敬する日本人として上杉鷹山の名前を上げている。
大統領はこの本を読み、感銘したのだと思う。
この本は、明治時代以降の若者の必読書である。
「人生の目的は何なのか」
「どのように生きるべきか」
多くの青年が悩んだテーマに対する答えがこの本には書かれている。
現在は、岩波文庫にワイド版があり、読みやすい。
本を読むのも自由、読まないのも自由である。
しかし、良い本と言われるモノは、人々の人生に影響を及ぼしている。
若い時に、名著に出会うか出会わないか、その人生は大きく異なるであろう。