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hakuunの未来ノート

将来のため、人生やビジネスに関して、考えたこと、感じたことを綴ります。

すき屋の経営について

2014-08-02 | 企業経営

とうとう出た。

 

以前から、すき屋の時間外労働は、問題であった。

牛丼チェーンの価格競争が、その一端を担っている。

すき屋、吉野家、松屋で、しのぎを削っている。

 

価格競争の中で、原材料には限界がある。

牛丼と言って、牛肉を半分にすることは許されない。

それと似たようなことだが、

肉の代わりに玉ねぎや豆腐で補って単価を下げているケースはあるが。

 

販売価格の低下と共に、コスト削減をしなければならない。

その一番早い方法が人件費削減である。

 

企業であるから、利益をあげるのは当然である。

その、一つの手段として、人件費をさげることは十分にあり得る。

 

しかし、しかし、である。

外食産業の外部環境が、昔に比べて、かなり変化している。

以前の牛丼チェーンは、牛丼に特化しており、

吉野家を筆頭として、松屋、すき屋の3社であり、この3社で競争していればよかった。

しかし、今は違う。

同じ牛丼チェーンとして、なか卯、東京チカラ飯などもある。

 

昔は、牛肉そのものに高級感があり、

さらに、

「早い、安い、旨い」

というように、魅力ある商品であった。

 

しかし、今では、市場が豊かになったせいか、

牛丼そのものが、“差別化”の対象になっていない。

そのために、牛丼店そのものが、ただの飲食店の一つになっている。

 

ということは、同じ牛丼を販売するにしても、

市場価値からしたら、一昔前と全く違うといってもいいのではないだろうか。

 

同じ牛丼を売っても、違うビジネスモデルであるということである。

 

経営者が、このことに気づいていれば、別な手法でビジネス経営をしていると思う。

 

今の経営陣の方々は、若い時からやる気があり、会社の将来を考えて、がむしゃらに働いてきたと思う。

そのパワーや、行動力には頭が下がる。

そのような方々だから、今の激戦区の中で、経営トップとして、がんばっているのだと思う。

 

でも、外部環境が変われば、当然やり方が変わってもいいのではないだろうか?

 

今の大きなライバルは、マックではないだろうか?

常に商品の付加価値を高めているマック。

一番の違いは、笑顔で迎えてくれるマックに対して、

一方では、片言の日本語で挨拶も儀礼的。

経営者は、この違い知っているのか?

 

「24時間、365日、お客様のために」というのが経営方針のようだが、

誰のための経営方針だろうか?

夜間の売上が20%あるという。

 これは、経営者目線である。

 

今の時代、24時間、365日、牛丼を食べたい人がいるのだろうか?

「牛丼」が“差別化”された時代なら、OKかもしれないが、今は違う。

ラーメンを食べたいときもあるし、おにぎりの日もある。

 

お客様が望んでいるものは、経営者の考えと、違うと思う。

 

お客様が何を望んでいるのか、経営者の方々は、知っているのだろうか?

 

この原点を見間違うと、経営の方向性がずれてしまう。

その結果、負担は従業員にのしかかる。

 

さらに、今回のように第三者委員会から指摘され、

マスコミに報道されれば、株価は下がるし、

ブラック企業として、企業評価は下がるばかりである。

従業員も離れていくだろう。

そうすれば、一人あたりの負担は増えるばかりである。

まさに、負のスパイラルである。

 

経営者の方の想いは、“このようなはずではなかった”はずである。

 

さて、今後、経営者の方々が、どのように対応するかが、経営手腕の見せ所である。


What should I be ? 企業編

2014-05-23 | 企業経営

What should I be ?

What should I do ?

 

この言葉は、企業経営においても言えることではないだろうか?

 

企業において、利益を追求することは重要であり、目的の一つであろう。

 

景気は回復傾向にあるが、まだまだ苦しい企業もあるのではないだろうか?

ひたすら、利益を追求しても、結果が伴わない企業もあるのではないだろうか?

 

結果が伴わないということは、そこには何らかの原因があるということ。

因果関係を追求する必要があろう。

結果が伴わない場合、その追求が途中で終わっている場合があるのではないだろうか?

つまり、真の原因まで到達しないで対策をたてるために、

空振りに終わっているのではないだろうか?

 

では、シュミレーションをしてみよう。

収益向上させるためには、実際にお金を払う顧客に満足してもらうことが必要であろう。

では、「どうすれば顧客が満足するのか」ということを探る必要があろう。

その顧客を満足させるためには、高品質・低コスト・短納期で商品・製品を顧客に提供することであろう。

さらに、「どうすれば高品質・低コスト・短納期で商品・製品を提供できるか」ということを探る必要がある。

その答えは、会社で働く社員や関連会社の人々が前向きで、やる気をだすことである。

次に、「どうすれば社員や関連会社の人々が前向きでやる気をだすか」ということを探る必要がある。

その答えの一つが賃金である。

お金はありがたい。しかし、利益が出ていないのだから十分に払うことはできない。

では、お金の代わりになるものはないだろうか?

お金に代わる原動力は何であろうか?

 

 

ここに、一つのヒントがある。

「生財」という西郷隆盛の文章の一部を引用する。

 

『左伝』にこう書かれている。

徳は結果として財をもたらす本である。

徳が多ければ、財はそれに従って生じる。

徳が少なければ、同じように財も減る。

財は国土を潤し、国民に安らぎを与えることにより、生じものだからである。

小人は自分を利するを目的とする。君子は民を利することを目的とする。

前者は利己をはかって滅びる。後者は公の精神に立って栄える。

生き方次第で、盛衰、貧富、興亡、生死がある。用心すべきでないか。

 

余人は言う。「取れば富み、与えれば失う」と。なんという間違えか!

農業に例えよう。

けちな農夫は種を惜しんで蒔き、座して秋の収穫を待つ。もたらされるものは餓死のみである。

良い農夫は良い種を蒔き、全力をつくして育てる。穀物は百倍の実りをもたらし、農夫の収穫はあり余る。

ただ集めることを図るものは、収穫することを知るだけで、植え育てることを知らない。

賢者は植え育てることに精を出すので、収穫は求めなくても訪れる。

 

徳に励む者には、財を求めなくとも生じる。したがって、世の人が損と呼ぶものは損ではなく、得と呼ぶものは得ではない。いにしえの聖人は、民を恵み、与えることを得とみて、民から取ることを損とみた。

今はまるで反対だ。

 

以上、内村鑑三著「代表的日本人」:ワイド版岩波文庫 P47より

 

その答えが、古典に、書かれているようだ。

 

What should I be ?

What should I do ?

 

経営者の方々は、この言葉をどのように考えて、実行するのであろうか?


マザーハウス

2013-11-15 | 企業経営

マザーハウス

 

あなたはマザーハウスという会社をご存知ですか?

私は、昨日初めて知りました。

経営者は山口さんという若干30歳の素敵な女性です。

 

昨日、ある会合で山口さんのサクセスストーリーをご本人から聴きました。

 

彼女の夢は「途上国から世界で通用するブランドをつくる」

この夢を実現するために、疑問に感じたことは常に行動に移し解決する。

このスタイルを貫き通している。

創業して7年目。

バングラデッシュに直営工場をつくり106名の従業員を雇い、

自らも1年間のうち7割は工場で自らカバンや小物をデザインし加工している。

日本で12店舗、台湾で4店舗。

小田急新宿店2Fでは売上NO1ということである。

山口さんは、今後、アジアやアフリカの途上国に工場を作り、世界で通用するブランドをつくることを夢見て、実践している素晴らしい女性である。

 

 

「人間の運命は、生まれた場所・国で決まる。

そこに生まれたために、学校に行けない子供たちがいる。

そこに生まれたために、自分の夢を語ることができない。

これは、自分が原因ではない」

と大学時代に学んだとのことである。

 

この言葉を発端に、途上国に興味を抱き、世界銀行の出先機関である米州開発銀行でアルバイト。

しかし、そこの上司は途上国の現場を見たことが無いことに疑問を抱き、帰国途中に、アジア最貧国のバングラデッシュに立ち寄った。

このバングラデッシュでの2週間の体験が、その後の彼女の人生に大きな大きな影響を及ぼすことになる。

その後、バングラデッシュの大学院へ留学。

留学中の2年間に、貧しい生活を顧みて

「生きる意味とは何か?」「働く意味とは何か?」

と疑問を抱き、人生の指針を探すために、その後、バングラデッシュに残り、チャレンジ続けることになる。

 

その結果が、創業7年目にして日本で12店舗、台湾で4店舗を構える女性起業家である。

 

今回、山口さんの話を聴いて「行動」の大切さを実感した次第である。

「100の思考より、一つの行動」

ビジネスで、政治でも、スポーツ、どの分野でも、「行動」の大切さを改めて感じた。

行動することで、失敗もあるかもしれないが、そこから学ぶことも多い。それが次のステップに繋がる。

この「行動」ということが、世間一般で言われる「経験を積む」ということである。

 

当たり前のことではあるが、若干30歳の山口さんの行動力を視て「行動の大切さ」を再確認した次第である。

マザーハウスストーリーをぜひご覧ください。

http://www.mother-house.jp/story/

 http://www.globis.jp/625-1

 

 


過重労働  真の原因は?

2013-06-03 | 企業経営

 「組合はもう労働組合として機能していない。会社のご用聞きだ」

 

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013060390065923.html

 

本日6/3(月)の東京新聞の記事である。

労働組合、そもそも組合とは何か?

労働者を代表であるから、労働者の立場を守ることが大前提である。

「会社の御用聞き」と言い切るのは、過労死した店長の奥さんのコメントである。

会社と労働組合の間には、三六協定と言い、残業時間の上限について労使協定を結ぶ。

法律で定められている上限は45時間である。

 

http://roumunokotonara.com/36kyoutei/tokyoroudoukyoku-pft.pdf

 

ということは、平均すると1日2時間までということになる。

土・日に出勤すれば、当然平日の残業は減る。

ということは、朝9時から働けば、19時ごろには帰れることになる。

当然、残業のない会社もあるだろう。

しかし、現実は違うのではないだろうか?

納期を守るために、工期が厳しいために、自分を、家族を犠牲にして、身をこなにして働いている。多くの従業員は会社のために、自分のために一生懸命に働いているのが現実である。

 

なぜ、違うのだろうか?

なぜ、法律を守れないような働きをしなければ、ならないのだろうか?

経営者は、労働時間について、どのように考えているのだろうか?

 

多くの経営者にとって一番大切なことは、収益を上げることであろう。

そのために、安い価格で受注し、無理な納期を甘んじて受けているケースが多々ある。

当然仕事がなければ、会社の経営は成り立たない。

だから無理してでも、受注するのだろう。

その結果、コスト削減のために、人数を削減する。

例えば、今まで5人で行っていた仕事を4人でやらせる。

同じ人数でも、同時に2つの仕事をやらせる。

その結果、従業員にしわ寄せがくることになる。

 

このようなパターンの繰り返しにより、従業員はうつ病になり、最悪は新聞記事のように過労死に至る。

改善できなければ、負のスパイラルが働き、労使ともども沈没である。

特に業績の悪い企業においては、このようなロジックが、当然のごとく、通っているような気がする。

 

一方では、優良企業と言われる会社は、適正な価格で受注し、納期も適正である。

その結果、その企業に所属する社員は、残業もなく、ボーナスもたくさんもらっている。当然、過労死など無縁である。

賞与をたくさんもらえれば、社員もやる気が出るから、様々なアイデアや発想が浮かぶ。その結果、お客様が感動するビジネスに結びつくことができる。そうすれば売上も上がるし、利益も向上する。

このような企業は正のスパイラルが作用し、益々良くなっていく。

 

この差は、何だろうか?

多くの人々が、疑問を持つ問題だと思う。

 

では、誰の責任でこのよな現象が起こるのだろうか?

 

「世の中が悪い」と外部環境だけの責任にして良いのだろうか?

 

経営者並びに労働組合は、どうすれば解決できるか、真剣に考える必要がある。

 


ベテラン技術者の活用

2013-03-05 | 企業経営

新聞の記事で、気になった記事を切り取ることが多い。

今日は、日経新聞から日本電産の永守社長の記事を切り抜いた。

経営塾の欄で、『「ものづくるに」こだわる』と言うタイトルで記事があった。

ご存知のように、日本電産はM&Aを中心に大きくなった会社である。

主力製品は、小型モーター。

2012年度の売上げは、地域別にみると、日本が24%、アジア53%、北米13%、欧州10%。

先進国やアジアに進出する日系企業中心に供給、高付加価値のビジネスを展開している。

世界経済が激変する中、新興国市場への進出が課題である。

従来の考え方は、高付加価値を付けて差別化する戦略であり、低価格品は利益が出ないというのが定説であった。

しかし、永守社長のやり方は違う。

新興国市場で成功する秘訣は、価格を半額にするとのことである。

価格が半額になれば、当然高付加価値製品はできない。

低コストの汎用品になる。

確かに、新興国では、高付加価値製品は、まだ必要ないかもしれない。

自分(日本の企業)中心の考え方・製品ではなく、相手(新興国市場)のニーズを把握してマーケティングを行う必要がある。

 

さらに、記事には、おもしろいことが書かれていた。

新興国市場で使えるのは、日本の古い技術である。

10年前、20年前に日本で流行した製品が今、彼らにとっては必要である。

その古い製品を知っているのは、「古い技術者」である。

 

一例として考えられるのは、水道事業である。

アフリカのある地域では、日本の「井戸掘り」技術が歓迎されている。

この地域では、スマホでお風呂沸かしの予約は必要ない。

いかに、村の人々に井戸から”きれいな水”を提供するかである。

 一方で、「かまど」の作り方も重宝されているらしい。

料理に使う火を効果的に使うには、日本古来の「かまど」が便利である。

レンガを積み重ね、ドロで固めた「かまど」

極端な例かもしれないが、このような低コストの汎用品は、新興国では求められている。

「古い技術者」が蓄えた知識・技術・ノウハウは、新興国では、今求められている。

最新技術に四苦八苦している(?)古い技術者も、市場によっては、力を発揮することは可能である。

であるならば、海外進出を行う際、ベテラン技術者中心に、プロジェクトを組み立てることも一つの企業戦略である。