●ソ連の道徳教育
松下幸之助師著の「道はひらく」のP74に「世間知らず」という話がある。
その一部を引用する。
・忍耐づよく、根気よく、知識を身に付けよう
・校長と先生の命令に絶対に従うべし
・校長や先生が教室にはいるとき、教室を出るとき、起立して送迎すべし
・先生に答えるときは起立、先生の許可あって着席すべし
・校長と先生には敬意をはらい、校長や先生に道で出会ったときは礼儀正しいおじぎをせよ
・年上の者を尊敬せよ
・老人・幼児・弱いものに親切で丁寧であれ、道を譲り、あらゆる援助をせよ
・親の言うことをきき、手助けをし、弟妹のめんどうをみよ
これは、ソ連の小学校・中学校で省令として公布されている“生徒守則”の一部で、この規則を破った生徒は、退学の罰を負うという。
以上が、師の書物からの引用である。
冷戦時代のソ連邦において、このような規律・礼儀さらに道徳観があったことには驚きである。
また、西欧諸国においてもどうような風習があると、師の本では述べている。
この本の出版は、1968年であり、今から45年前である。
逆に言えば、規律・礼儀を重んじることは、世界共通のルールであると思う。
しかし、今の日本の学校教育をみると、残念でならない。
道徳観が失われ、いじめは頻繁に行われ、時には幼い子供が自ら命を絶つ悲惨なことが起こっている。
人間として何とかしなければならない。
●マーケティング手法の活用
TVをかければ、必ずコマーシャルがある。
携帯電話・化粧品・車・お菓子など様々な分野でTVコマーシャルがある。
それも日に何度でも同じコマーシャルが流れている。
中には面白いコマーシャルもあり、見入ってしまうことも多々ある。
さらに、テーマソングなどは、知らず知らずのうちに覚えてしまう。
流行語大賞に選ばれるようなフレーズも多々ある。
インターネットも同様である。
インターネットを明ければ、どのページもコマーシャルのオンパレードである。
さらに、過去にチェックした品物が何度でも出てきて購買意欲をそそる。
最近は、本やCDに関しては、メールでも送ってくる。
びっくりする限りである。
毎日毎日、繰り返しこのように情報を刷り込まれることで、潜在意識にインプットされてしまう。
まさに、洗脳教育を受けているようなものである。
スーパーに行って、TVで見たのと同じ商品であれば、購買意欲をそそられ、安心して(?)衝動買いしてしまうことも多々ある。
このような方法は、良いか、悪いかは別にして、現在のマーケティングの手法として、多くの企業が用いている手法である。
●このマーケティング手法を道徳教育に活かそう!
このマーケティング手法を道徳教育に活かすことはできるのではないか?
TVのコマーシャルに流すのもよいが、お金がかかる。
そこで、考えたのが、唱和である。
朝一番、学校の教室で唱和するのである。
・忍耐づよく、根気よく、知識を身に付けよう
・校長と先生の命令に絶対に従うべし
・校長や先生が教室にはいるとき、教室を出るとき、起立して送迎すべし
・先生に答えるときは起立、先生の許可あって着席すべし
・校長と先生には敬意をはらい、校長や先生に道で出会ったときは礼儀正しいおじぎをせよ
・年上の者を尊敬せよ
・老人・幼児・弱いものに親切で丁寧であれ、道を譲り、あらゆる援助をせよ
・親の言うことをきき、手助けをし、弟妹のめんどうをみよ
これを毎朝、授業の前に、先生と生徒で読み上げるのである。
最初は、違和感を感じるかもしれないが、だんだんと慣れてくる。
「そんなことしたって?」
と、思う人がいるかもしれないが、実際に取り入れている企業も多々ある。
会社の経営理念を読み上げたり、経営目標を唱和したりして、モチベーションを上げている。
スポーツの世界でも同じようにやっている。
円陣を組み、掛け声をかけて、気合を入れている。
会社での経営理念の唱和、スポーツでの掛け声、みんな考え方は同じである。
であるならば、学校教育にも取り入れてよいと思う。
日々、唱和することで、潜在意識に組み込まれ、自分の考え方になっていく。
そうすることで、倫理観・道徳観というものが芽生えてくるだろう。