hakuunの未来ノート

将来のため、人生やビジネスに関して、考えたこと、感じたことを綴ります。

興味がない?!

2012-05-24 | スキルアップ

林先生は、救急救命のお医者さんである。
特に有名なのは、2008年北京オリンピックの競泳日本代表チームのアドバイザーとして、北島康介選手たちの結果に大きく貢献した人物である。

今回は、林成之著:「脳に悪い七つの習慣」幻冬舎新書をもとに、ブログを書く。

本の裏表紙から引用する。
『脳は気持ちや生活習慣で、その働きがよくも悪くもなる。
この事実を知らないばかりに、能力を後退させるのはもったいない。
脳に悪い習慣は
1 興味がない」と物事を避けることが多い、
2「嫌いだ」「疲れた」とグチを言う、
3 言われたことをコツコツやる、
4 常に効率を考える、
5 やりたくないのに、我慢して勉強する、
6 スポーツや絵などの趣味がない
7 めったに人をほめない
の七つ。
これらをやめるだけで頭の働きが倍増する。』

非常に興味深い内容である。
とくに、「興味」に関しては、私の研究テーマであり、若手社員のモチベーションのキーワードでもある。
私自身、この本を読むのは3回目であるが、毎回気づくことが多々ある。
また、常日頃「興味を持とう!」と言っていることに対して、この本では、脳科学的に証明している。
このことは、私にとって、このうえない喜びである。

では、「第1章 「興味がない」と物事を避けることが多い」から引用する。

『「脳神経細胞」には、「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」という三つの本能がある。』
『脳の機能を最大限に活かすには、「脳神経細胞」がもつ本能を磨くことことである。』

●「仲間になりたい」という本能とは

『「仲間になりたい」という本能は、本質的には「人は誰かが喜ぶのはうれしいもの」ということであり、脳が求めるものは、「世の中に貢献しながら、安定して生きる」ということである。』

『「貢献心」は脳の二次的な本能であり、「貢献心」を磨き、高めることが、脳の力を発揮するベースになる。』
『「貢献心」を磨くことは、「他者に役立ちたい」「社会に貢献することは、自分にとってすばらしいことだ」と思うことは、脳が思考する力も高めることになる。』

●「知りたい」という本能とは

『「知りたい」ということは興味を持つことである。』
『歳を重ねるにしたがい、物事への興味を失って、「何をやってもおもしろくない」と行動量が減ってしまうケースがあるが、これは考える力が低下すると同時に、脳の神経伝達路の機能が落ちていることの表れである。』
『「知りたい」という脳の本能を磨くには、「興味がない」と考えたり、口にしないことである。』

『「そんなことは知っている」と斜に構えるのも興味をもっていないことと同じである。
聞いたことがあると思う話でも、「自分にはまだ知らない部分があるかもしれない」と考えれば、興味がわいてくるはずである。』
『脳にとっては、常に新しいことを知ろうと、前向きに耳を傾ける姿勢をもつことが大切である。』

最近、「経営学」や「朗読」などの大学オープン講座に通っている。
今まで限られた範囲しか興味がわかなかったが、「朗読講座」では「詩」とか「戯曲」の世界にも入り込み、自分としては、興味範囲が広がったことは良いと考えている。

さらに林先生は言っている。
『幼児期はとくに、物事に興味を持たせることを大切にし、やりたいことを何でもやらせたほうがいい。
脳の構造が定まる四歳までは、何事に対しても興味をもつことを教える時期。
幼児に対しては、「ダメよ」「やめなさい」といった否定語は使わないほうがよい。』

このことに関しては、若いパパ・ママの人たちには、興味深い話ではないだろうか。



●「自己保存」と「統一・一貫性」という第二段階の本能

『「自己保存」とは「脳は自分を守ろうとする」ということである。
プラス作用として
・生きていくために、自分を守る
マイナス作用として
・自分を守ろうとして、自分の意見と異なる相手の意見を論破する
・聞く耳を持たず、相手の話を遮ってしまう人
・自分の立場を捨てたくない』

この本能は、耳が痛い。
過去の私は、この「自己保存」という本能が非常に強かった。
いくら仕事の上といえども、かなり自分の意見を押し通してきた。
しかし、昨年産業カウンセラーを学び、「傾聴」という言葉を知った。
そのときから、自分の性格が変わり、自分の転換点を迎えたような気がする。


『「統一・一貫性」とは、一貫性を保てなくなるような情報は避けようとする」ということである。
プラス作用として
・正誤を判断する
・類似するものを区別する
・バランスをとる
・話の道筋を通す
マイナス作用として
・自分と反対の意見を言う人を嫌いになる
・自分と異なる意見を拒否する』

この本能については、経営者の皆様に注目してほしい。
経営陣の中に、トップに対して「ノー」と言える人が存在しているだろうか。
ほとんどの経営陣がトップに対して、「イエスマン」ならどうなるだろうか。
人間、スーパーマンはいない。
まして、変化の激しい時代の中にいる人間として、正しい判断は難しい。
このように判断が難しい時代に、自分と同じ意見の人間ばかりで、正しい経営判断ができるのであろうか。
自分の考えと異なる意見を述べる経営陣がいて、初めて気づくこともある。

「統一・一貫性」という本能は、企業経営にとっても重要なテーマと思う。

●脳は過剰反応を起こしやすい

『不祥事を起こした企業が弁解に終始し、さらに悪事を重ねることがある。脳は、情報を取り込むことを避けたり、バイアスがかかったり、正しい理解や深い思考を妨げてしまう。その結果、誤った判断や言動を引き起こすことになる。』

「自己保存」「統一・一貫性」という本能が、プラスに作用する場合はよい。
がマイナスに働く場合は要注意である。
『脳の悪い癖として、非常に強く、「自分を捨てる」「立場を捨てる」という覚悟が必要である。』


●興味を持つことは、脳のパフォーマンスを上げること

『頭のいい人は、何に対しても興味をもち、積極的に取り組める人のことである。』
『興味を持ち、常に前向きな姿勢で望む人は、持てる能力を様々な方面で、発揮する素養がある。』
『脳のパフォーマンスを引き上げるには、脳神経細胞の本能を磨くことがファーストステップである。興味・関心の幅を広げ、何事にも明るく前向きな気持ちで取り組むことに心がける必要がある。』

まさに、林先生の言うとおりである。
自分として、経験から導き出したことが、医学的に証明されたことは嬉しい。

これからも、信念を持って
「興味を持とう!!」
ということに関して、
活動したい。