hakuunの未来ノート

将来のため、人生やビジネスに関して、考えたこと、感じたことを綴ります。

稲盛和夫氏 『いま、生き方を問う』から学ぶこと

2012-05-04 | 人生観
今日は尊敬する人物の一人稲盛和夫氏の文章から引用する。

今日引用する本は、
『稲盛和夫CDブックシリーズ
いま、「生き方」を問う1
どう生きるのか なぜ生きるのか』

この本は稲盛氏の講和を本にしたものであり、CDが付いている。
この本は以前買ったものであるが、再度読んで聴くことにした。
CDを通して、稲盛氏の味のある話を聴くことができる。
実際には、師にお会いしたころはないが、話の言葉、言葉から愛情あふれる心が伝わってくる。
師の『人生哲学』が、私の心の中にストンと入ってくる。
師の人生そのものが、私の手本であり、そのような行動をとってきた師に対して、尊敬の念を抱いているからだと思う。
昨日ICレコーダに、師の講和を取り込み、帰りの電車の中で聴いた。
師の考え方を学ぶ今後も、他の講和もICレコーダに入れて、折に触れて、人生哲学を味わいたい。

まず最初に、表紙カバーの裏側には、このような記述がある。

『人生の目的とは、
その人生の中で
どれほどこの世の中に、
どれほどこの社会に、
どれほど他の人たちに対して
よいことをしたかということ。
それがその人にとっての勲章ではないか
と思えるようになってきたのです。』

『人生の目的』に対して、非常に意義深い言葉である。
このように分かりやすく平易な言葉で、人生哲学を述べることができる師は素晴らしい。

では目次を引用する。
第一部
人を動かす運命という力
・人にはそれぞれの運命がある
・運命を否定しても何の益もない

人生の横軸となる「因果応報の法則」
・思念が因をつくり結果となって表れる
・長いスパンでみれば因果はピタリと合う。

「因果応報の法則」は運命も変える
・よいことをしても、すぐによくならない理由
・自らの力で運命を変えた人の物語
・悪かったはずの運命はなぜ変わったのか

波瀾万丈の人生をいかに生きるか
・起こってくる現象にどう対処するか
・人生は波瀾万丈にできている
・いかなる運命にも「感謝の心」で対応する
・いつも素直さを失わなかった松下幸之助
・感謝は理性で覚え、理性で使う
・心理を知っても実践しなければダメ

第二部
人生の目的は心を高めること
・波瀾万丈の人生の中で魂を磨いていく
・世のため人のために尽くせる美しい心になる
・生まれたときより少しでもきれいな心になる

お釈迦様の教えを人生に生かす
・万般に通ずる「六波羅蜜」の教え
・まず他の人のために尽くす心
・足るを知り、煩悩を抑える
・労働が人をつくり、心を磨きあげる
・二宮尊徳は働くことで人格を高めた
・野球に打ち込むことで磨かれた人間性
・仕事に心血を注ぐことで心が高まる
・心が高まれば、人生はおのずとからよき方向へ

「人を動かす運命という力」とはどんな力か。

「運命」は一見、非科学的なものにみえる。
おそらく科学では証明できないであろう。
しかし、科学は万能なのか。
科学がすべてと考えるのは、ちょっと思いあがりと思う。
例えば、科学で証明できないものはたくさんある。
最近頻発に起こる地震。その解明のために世界中の研究者が研究しているが、正確な予知はできない。
といことは科学には限界があるということである。
先日、膝の痛みで大学病院へいった。
そこの医者の話であるが、病院では、TVで放映している○ンドロイチンなどの健康薬は処方できない。しかし、○ンドロイチンが「きかない」とは証明することができない、と言っていた。
つまり、自然科学の世界や医学の世界でも、証明できないものはたくさんある。

限界があるということは、科学では証明できない世界がある。
ということは、科学で「運命」を否定することはできない。

稲盛氏は、『「運命」を肯定的にとらえた方が、はるかに人生を理解しやすいし、間違いなく人生を生きていく術を得ることができる』
『それぞれの人生には、生まれたときからそれぞれに「運命」というものがある。
どういう人生を送っていくかという運命は、それぞれの人に定まっている』

『運命は、個人に定まっているだけではない。
世界の中にも運命がある。
地球にも運命があり、日本という国にも運命がある。
また名古屋なら名古屋という地方にも備わった運命がある。』

『地球レベルという大きな運命のうねりの中に日本という国の運命、また地方の運命があり、その中で自分個人の運命というものが漂っている。』

『大きな運命のうねりの中に、個人の運命という船が浮かんで流れていくので、当然、自分自身の運命も上がり下がりがある。』

確かに、リーマンショック後の世界を考えるとよくわかる。
自分以外のところで起こった大きなうねりが日本を飲み込み、多くの人が翻弄されている。

人生の横軸となる「因果応報の法則」について

師が言われるには、人生には縦軸と横軸がある。
縦軸が先に述べた「運命」。
そして、横軸が「因果応報」である。

因果応報の法則とは、『よいことを思い、よいことをすれば、よい結果が生まれる。悪いことを思い、悪いことをすれば、必ず悪い結果が生まれる。』
ということである。

『この因果応報の法則は、すぐには答えがでない。結果が出るまでに、時間がかかってしまう。』

『二十年、三十年という長いスパンで人生を長くみれば、必ずその通りになっている。』

『結果が出るのは、自分の一生の間と考え、二十年、三十年というスパンで考えれば、よいことを思い、よいことをすれば、よい結果が生まれるし、悪いことを思い、悪いことをすれば、悪い結果が生まれる。』

私のような凡人には正直のところわからない。
尊敬する師が言われるのだから、本当のことだと思う。
私は信じたいし、信じる。

「よいことを思い、よいことをする」とどういうことか。
私にとって「よいことを思い、よいことをする」とは何か。

私にとってよいこととは、
毎朝、先祖の霊を敬い、毎日仏壇に手を合わせ、感謝の気持ちを表すことである。
そして親孝行をすることである。

いつからだろうか。
仏壇の水を取り換え、花の水を入れ替え、手を合わせるような習慣になったのは。
10年か15年前からだと思う。
好きだった祖父や祖母の霊の前で手を合わせることは、心が洗われる。
一昨年亡くなった父の写真の前での語らいは、素直な気持ちにさせてくれる。
私にとって、一日で一番大切で、かつ楽しみな時間である。

稲盛氏は、「運命」と「因果応報の法則」との関係を次のように述べている。

『この二つの法則で、我々それぞれの人生が全部決まっているわけですが、実は因果応報の法則のほうが、運命よりも力が少し強いのである。』

『ですから、もともと運命というものが定まっていますが、その運命のとおりにはならない。
因果応報の法則には運命を変える力があるので、人生は生まれたときにもってきた運命のとおりにならないのである。』

『よいことを思い、よいことをすれば、よい結果が生まれるという法則があるために、運命的にみれば非常に悪い運命に差しかかっていたのに、よいことをよいことをすることによって、本来あるはずの落ち込みがなくなるということがある。』

『運命という法則に対して、因果応報の法則があり、それによって運命というものが変わっていくわけである。』

自らの力で運命を変えた人の物語が、『陰隲録(いんしつろく)』という中国の本に書かれている。袁了凡(えんりょうぼん)さんという人の話で、稲盛氏によると安岡正篤(やすおかまさひろ)氏もよく話されていた話であるとのことである。

ここで、インターネットで『陰隲録』を調べていたら、ある方のブログにこの稲盛氏の『陰隲録』が書かれてあった。その方も師の講和CDを聴き感銘を受けている。
『陰隲録』の概要とその様子は、下記のブログに書かれているので参照していただきたい。

http://www.0011.co.jp/company/diary/index.php?e=657

続いて、『人生は波瀾万丈にできている』について

『仏教によると、人生は厳しく、「諸行無常」である』とのことである。
「諸行無常」とは、『どんなものも安定はしたもの、一定したものはない。
世の中の現象、自分の目の前に起こる現象は常に一定ではなく、安定しない』、ということを言っている。

企業経営理論でいえば、「外部環境、内部環境は常に変化する。
その変化を見据えて、最善の方策を施すこと」ということになる。

企業経営も人生論も究極は同じことを言っていると思う。

話を戻す。

人生というものは、波瀾万丈、一定したものはない。
そのとき、どのような対応をすべきか。
稲盛氏は、『どんな運命に出会っても、出会った運命に感謝する心で対応することである。
これは大変難しいことである。』と言われている。

『言葉では簡単にいうことができるが、実際に災難にあった人が感謝するのは至難の業である。』

『修業した、しないにかかわらず、「感謝せねばならん」と理性にインプットしていただきたい。』

『どんな苦難に遭遇しても、感謝の心をもって対応することが、絶対条件である。』

『災難にあおうとも、よい目にあおうとも、どんなときでも感謝の心で対応する。
「ありがとう」という感謝の心で対処するということが、絶対条件である。』

『悪い条件、災難やひどい運命に出会った場合には、嘆かず、腐らず、恨まず、愚痴をこぼさず、ただひたすらに前向きに明るく努力を続けていくことが絶対条件である。』

『よいときのも傲らず、偉ぶらず、謙虚さを失わないで、いまこんなに幸せであること、こんなに事業がうまくいっていることに対して感謝するという心。』

『明るい希望を燃やして努力を続けることが、絶対条件である。』

稲盛氏は、松下幸之助氏の不遇の幼少時代を引き合いにして説明している。

『松下幸之助氏は、自分の境遇を妬んだり、恨んだりせず、素直に明るく耐え忍びながら、一生懸命努力したからこそ、大成したのである。』

『ですから、同じような逆境に遭遇した場合でも、先々の大発展につながる素晴らしい逆境を自然が与えてくれたかもしれないのに、それにどう対処するかによって、その後の運命が変わっていく。』

『このことを理性で覚え、理性で入れておき、理性をもって使うことが必要になる。』

『たった一回しかない人生、すばらしい人生を過ごす権利と自由がみんなにあるはずである。』

『自分の心がけ、心構えが違うために、人生を台無しにしまうということが、あまりにも多すぎる。大変心配である。』

今私自身の状態は、どうであろうか。

社会の大きい波のうねりの中にいることは間違いないし、自分の人生の波に漂っていることも間違いない。
今後大波になるか、なぎになるか、わからないが、今は一定しているようである。
何ごとも、感謝の気持ちをもち、努力することを肝に銘じている。
今は、将来のために、ひたすらブログを書き続けること。
講演者としてスキルを磨くために、文章を書き、思考力を鍛えることで、夢が叶うと信じている。

さらに、『人生の目的は心を高めること』では、稲盛氏は『人生の目的』を次のように述べている。

『この世に性を享けて、我々は運命と因果応報の二つの法則によって、波瀾万丈の人生を生きている。
その波瀾万丈の人生の中で私たちは、自分の心を高める、心を純化する、人間性を高める、人格を磨いていく、それが人生の目的である。』

まさにそのとおりである。

まだまだ人様に言えるような人生観を持ち合わせていないが、私なりに心でストンと受けとめることができる。

このブログ活動は、最初は文字数を増やして質を高めて文章力アップを目的としていた。

1か月足らずの短い期間ではあるが、様々な本を多数引用することで、「人間性を高める」という別な効果があるような気がしてきた。

引用することで、よい文章、よい思想を会得することで、魂を磨くヒントを学んでいると思う。