hakuunの未来ノート

将来のため、人生やビジネスに関して、考えたこと、感じたことを綴ります。

『USBの劣化』その後

2012-05-14 | リスク管理

USB騒動で、意気消沈し、ブログを書くのも一休みであった。

一昨日も書いたが、あくまでも、文書の一時保管としては、容量の小さいUSBが欲しい。
ギガバイトクラスの新しいUSBを買うことに対して、ためらいがある。

机の中をごそごそしていたら、古いUSBが見つかった。
「劣化したUSB」の以前に使用していた製品である。
この製本は、ボールペン付きのUSBで、ビジネスショウに行った際、貰ったものである。
確か3本もらい、一本を人にあげ2本あるはずである。
今探したら、その2本目も出てきた。
もらったものの品質は、というと、定かではない。
しかし、メーカー品であり、最近の商品と違い丈夫である。
昔のUSBは、様々な機能はついていないが、その分丈夫にできている。

「シンプル イズ ベスト」である。
当面は、一時保管としては、この2本のUSBで対応しようと思う。

ちなみに、このUSBの容量は、128MBとである。
ワード・エクセル・PPT・マインドマップの一時保管では、十分な容量である。
この2本は、色も形も同じであるから、注意が必要。
どのように識別するかが、重要。

その昔、ISO9000を取得した際、この識別が問題になった。
どうやって、検査の合格品・不合格品をわけるか。
せっかく、検査をしても、製品が出荷時に交じってしまったら、不良品をお客様に届けることになってしまう。
それではお客様から怒られるし、信用を失い、もう取引してもらえない。
取引してもらえなければ、売り上げに影響する。
そのような悪い噂は、すぐに業界内に広まる。
最大の注意を払う必要がある。

そのように考えると、「識別」は重要な経営テーマである。
そのために、工場などでは、不合格品に対し、色をつけ、別な場所に保管する。
絶対に間違っても出荷しないように対応している。

では、このボールペン付きUSBはどうやって識別するか。
色や形が違えば、間違いは減るだろう。
同じ形で、同じ色。
識別がしづらい。
もし、あわてていたら、会議に別なUSBを持っていったらどうなるか。
いざプレゼンをはじめようと段取りしたらデータが無し、ということもあり得る。
その会議が、重要な取引先での会議なら、その商談を失うことになる。

それだけ、識別は重要なテーマである。
今よくみると、USBの頭の部分に小さな穴が空いている。
ここに、タグをつければ識別ができる。
ただ、タグをつけるのではなく、2本のUSBを有効活用する必要がある。
今日から、使うとしよう。
2本とも過去のデータをPCにバックアップとして保存した後、初期化する。

タグの名称は、「正」と「副」である。
味気もなく単純だが、一番わかりやすい。
そうすれば、常に「正」にデータを入れることにする。
重要な会議資料などの場合、「副」に入れて持参する。
しつこいようだが、USBは「保管用」ではなく、「一時保管」であり、運搬用である。

そうすれば、間違いはなくなると思う。

バックアップについては、どうすることがベストか?
様々な試みをするが、これがベストというものがみつからない。
とりあえず、考えられる対策の中で、ベターなものを選んでいくしかない。

では毎日、定期的にバックアップするにはどうするか。
一日の仕事で、いくつかのデータをつくる。
そのデータごとに、それぞれのフォルダに入れている。

通常は、仕事の終了時にバックアップをすることになっている。
そいかし、予定はそうであるが、実際のところ、帰宅前はそわそわして、うとましい。

いくら良い方法を考えても、三日坊主では、役に立たない。
どんな方法でも良いと思うが、重要なことは、確実に実行することだ。

であるならば、夕方16時にバックアップ時間を取ることにしよう。
当然仕事も途中であるが、バックアップを忘れて、今回のようなトラブルは御免である。

夕方、16時であれば、時間的な余裕もあるし、概ね完成形に近づいている。
その状態でバックアップしてあれば、仮にデータが紛失しても、復旧はたやすい。
それともう一つ。

「今日のデータ」というフォルダをつくる。
項目別フォルダと別に、「今日のデータ」というフォルダに、データを一時保管する。
項目別のフォルダからデータを選んでバックアップする方法もある。
が、「今日のデータ」からバクアップすれば、手間が容易である。
翌日には、「昨日のデータ」のフォルダにデータを写す。
手間はかかるが、一日保管してから、前日となったデータは削除する。
毎日のことであるから、楽な方法であり、確実に運用できるな方法をとりたい。

ここで、机の中を探していたら、よいタグがあった。
黄色のタグと緑色のタグ。
タグというより、鍵に取り付けるホルダーである。

ちょっとだけ大きい。
ホルダーの方が、USBより大きいが、それも良しとしよう。
まずは、確実に識別することを考えることが、今のポイントである。

正式のUSBは黄色のタグ。サブのUSBは緑色のタグ。
色は、私の好みである。
双方128MBである。
この2つのUSBをうまく利用して、データの一時保管に役立てたい。

日経パソコン(2011-9-12)を見ると、『USBメモリー完全活用』という特集を組んでいる。
最近(2011-9-12)USBの主流は、4GBと8GBであり、さらにUSB3.0となり高速対応が可能である。

また、『USBにソフトを入れて、プレゼンに対応しましょう。出張先のパソコンに、ワードやエクセルが入っていないと困る。』
なんという記事である。
今どき、ワード、エクセルが入っていないパソコンがあるのか?
プレゼンや講演の場合には、事前に確認するのは基本中の基本の仕事である。

一体、どこに向かって製品開発をしているのだろうか?
商品を買うのは顧客であって、技術者ではない。
メーカーサイドの考えを一度聞いてみたいと思う。

さらに記事の中では、『USBは、データの長期保管には向かない』と記載されている。
USBメモリーは、セル内の「浮遊ゲート」に電子を蓄積することでデータを記録する。しかし、蓄積した電子は数年という単位でみると、少しずつ漏れ出し、最終的にはデータが消えてしまう。光学ディスクやハードディスクのように、データの長期保管は避けたほうがよい。』

なるほど。

物理的に、USBに収めた電子データは消失するのである。
特に最近のUSBは、高速対応等の性能ばかり追求しており、一番大切な『保管』には、ウエイトを置いていないようである。

確かに、『長期保管が可能』となれば、新しい製品が売れない。
メーカーは、利便性を追求して付加価値を付けている。
付加価値をつけることは、企業戦略として、正しい方向である。
しかし、果たして顧客の視線で考えているかどうかである。
あまりにも、専門性を高めると「ガラパゴス化」になりかねない。

顧客に対するセールストークも、「利便性」のみ発している。
確かに「仕様」より「利便性」を訴えることは重要である。
だが、もう一歩踏み込んで、「企業の社会的責任」を考えて欲しい。
長所があれば短所もある。
「利便性」があれば「リスク」もある。
勇気ある会社であれば、この「リスク」も堂々と顧客に示して欲しい。

その昔、電球が2000時間で切れた。
メーカーの人に聞いた話であるが、『当時でも1万時間位は対応できたとのことである。
しかし、耐用年数を1万時間にすると、電球が売れなくなる。そこで、技術的に2000時間で切れる製品を開発した』とのことである。

その後、環境問題等で、耐用時間4万時間のLED照明に変わりつつある。
もし、顧客目線で製品開発をしていたら、電球の運命も変わっていたかもしれない。

メーカーは、自分の方を見るのではなく、顧客に目線を当ててもらいたい。
本当に、顧客にとって必要なUSBは何か?

少し遠回りになるかもしれないが、よく考えてほしい。

目先の利益を追っていると、「コンプガチャ」のようになってしまう。
「コンプガチャ」は、自分で自分の首を絞めているようなものでる。
いかに、顧客の立場に立って、経営戦略をたてるか、ドラッカー氏の言うとおりである。

顧客目線にたつことで、韓国や台湾企業に負けずに、世界で通用する製品をつくることができる。
その時こそ、明るい未来が訪れるであろう。