自転車を作るにはまずフレームが必要だ。ロードバイクならともかく,昭和自転車のフレームなど店では手に入らない。
頼りになるのはネットオークションしかない。まめにチェックしていると時々出品される。
競合者もなく4500円でフレームを手に入れた。デッドストック品なので包装紙が一部巻かれたままである。とはいえ汚れが付き,一部には錆が浮いている。
製造した会社は「日進自転車株式会社」で車名は「エレファント号」である。調べてみると昭和27年製造らしい。今では日進自転車は存在しない。
昭和自転車のお約束のヘッドバッジには「Elephant」と刻印され,象の図柄が描かれている。自転車が量産化され始めると,コスト削減のために七宝製のヘッドバッジは消滅し,今では簡便なシールに取って代わられた。
ランプかけにも「進」の文字が入っている。「二点しんにゅう」が昭和だ。
シートチューブには「ニッシンの新車」の文字が浮き彫りされ,透明なシートでカバーされている。いったいどうやったのだろうか?今時の引き抜き式の製法ではないらしい。細長い鉄板にプレスして文字を浮き立たせた後,丸めてチューブ化したものか?
それにしても56年前の「ニッシンの新車」の文字は感慨深い。
昭和ジテ通オヤジ号(仮称)の製作、楽しみですね。
いい名前つけてやってくださいよ。