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B級会社員のOFF日記(現在無職です)

尻毛助左衛門と尻毛又丸の珍道中の日記を公開しています。

定年サラリーマンのOFF日記もあります。

琴を弾く透明美人(其の三)

2019-05-15 08:11:24 | 怪奇物語

ルーチュンは家に帰っても

琴の練習を怠らなかった。

特に 坊さんからもらった

貝殻の琴で弾くときは

気持ちを込めて 練習した。

 

家の用事で近くの村に出かける途中

大雨に降りこめられた。

夕方になって 泊まるところを

探していると なかなか宿が見えない。

暫くすると やっと家の明かりが見えた。

慌てて その屋敷に駆けこんだ。

雨をぬぐっていると 突然若い女が現れて

ルーチュンを見ると 顔を赤らめて 逃げて行った。

その女性は とても色が白く 

目の大きな美人で 一目見ただけで

ルーチュンの心は奪われてしまった。

 

無礼を詫びようと

「すみません。すみません。」と

大きな声で言うと やっと老婆が出て来て

「なんのご用ですか。」と尋ねる。

「雨が降り出しました。一晩泊めて下さい。」

「何もござませんが 泊まるだけでしたら・・・」

「ありがとうございます。ところで 先ほど

この部屋に入って来られた 若い女性はどなたですか。」

「あの子は 私の姪ですが 何か・・・」

「私は町に住むルーチェンと言う者です。もう一度会わせてください。」

「それは 無理です。」

そう言うと 老婆は家の中へ入っていった。

暫くすると 老婆は藁をもって来た。

「生憎、ここには 布団も毛布もございません。

どうかこの藁でお休みください。」

と言うなり消えてしまった。

 

(続く)

 

 


琴を弾く透明美人(其の二)

2019-05-08 22:31:02 | 怪奇物語

お坊さんは 琴を手にして弾き始めた。

すると 雨はあがった。

琴の音に 引き寄せられるように

沢山の鳥も近くに集まった。

「恐れ入りました。どうか弟子にしてください。」

彼は 床に頭をつけて お願いする。

「良く 聞いておくのだぞ。」

お坊さんは 三度 繰り返した。

彼は 其の曲を 真似して 弾いてみた。

「違う、違う。」

お坊さんは 丁寧に 教えてくれた。

彼は何度も 繰り返して 曲を弾いた。

「弾きこなして きたな」

そういうと お坊さんは 綺麗な貝殻の

はめ込んだ 琴を 彼に 渡した。

「お前にこれを授けよう。よく練習するように。」

と言うと 寺の中に入って 座禅を始めた。

礼を言って 寺を去ったが 後ろを振り返ると

寺は何処にも 見えなくなってしまった。

 

(続く)


琴を弾く透明美人(其の一)

2019-04-20 08:10:40 | 怪奇物語

秋の夜は 空気がとても澄み渡り

東の空にかかる満月がとても綺麗です。

「今夜は外で勉強だ。月を見ながら 悲しい

娘のユーレイの話をしよう。」

先生は庭の大きな木の下に座りました。

子供達は思い思い好きな場所に陣取ります。

 

 

 

私の友達ルーチュンは

たいそう 琴がすきだった。

ある時、旅をしていると

大雨が降りだした。

近くの寺に駆けこんで雨宿りをしていると、

そこには綺麗な貝殻をはめ込んだとても

立派な琴がたけかけてあった。

「素晴らしい琴だ。こんな琴を弾く人は

きっと腕前もよいだろうなあ。」

と独り言を言っていると

寺の中で座禅をしていた坊さんが

出て来て ルーチュンに話かけました。

「おぬしも これが好きなのですか?。

拙僧も 少々たしなんで おりますが、

なかなか上達しない。

良い先生はどこかに おらんのかなあ?」

腕に自信のあるルーチュンは 答えた。

「私に一度弾かせて くれませんか?」

ポロロン。ポロロン・・・・。

一曲、弾き終えたが

坊さんは「なんだ。こんな程度か」という

顔で聴いている。

あわてて ルーチェンは「ぜひ もう一度」と

力の限り演奏をした。

「うまい、うまい。だが 摂僧の先生にはできんなあ」

と若いながら拍手した。

ルーチュンは すこしむっとして 

「では どうかお手並みを 私に 御見せください。」

と 一曲 弾いてもらう ことにしました。

 

(続く)