ルーチュンは家に帰っても
琴の練習を怠らなかった。
特に 坊さんからもらった
貝殻の琴で弾くときは
気持ちを込めて 練習した。
家の用事で近くの村に出かける途中
大雨に降りこめられた。
夕方になって 泊まるところを
探していると なかなか宿が見えない。
暫くすると やっと家の明かりが見えた。
慌てて その屋敷に駆けこんだ。
雨をぬぐっていると 突然若い女が現れて
ルーチュンを見ると 顔を赤らめて 逃げて行った。
その女性は とても色が白く
目の大きな美人で 一目見ただけで
ルーチュンの心は奪われてしまった。
無礼を詫びようと
「すみません。すみません。」と
大きな声で言うと やっと老婆が出て来て
「なんのご用ですか。」と尋ねる。
「雨が降り出しました。一晩泊めて下さい。」
「何もござませんが 泊まるだけでしたら・・・」
「ありがとうございます。ところで 先ほど
この部屋に入って来られた 若い女性はどなたですか。」
「あの子は 私の姪ですが 何か・・・」
「私は町に住むルーチェンと言う者です。もう一度会わせてください。」
「それは 無理です。」
そう言うと 老婆は家の中へ入っていった。
暫くすると 老婆は藁をもって来た。
「生憎、ここには 布団も毛布もございません。
どうかこの藁でお休みください。」
と言うなり消えてしまった。
(続く)