仕事で70kmくらい離れた町に泊まることになった。ビジネスホテルは予想外の満室、駐車場で見かけた車には県外ナンバーが多く、仕事でのホテル宿泊はかなり復活しているのだと感じた。
久しぶりの旅先での夕食を楽しみたいと思って、駅前の繁華街を一周した。地方都市の駅前通りは、何処に行っても人通りが少ないが、コロナ感染のぶり返しを恐れてか、さらに人が少ないと感じる。
第7波の兆しにおいては、大都市圏よりも地方の県で「過去最高感染者」というニュースが続いており、地方都市ではこれまでよりも警戒感が高まっている感じもある。何軒かの食堂・居酒屋では出入りする人を見掛けたが、口づてに「おすすめの店」と聞いていた洋食の店では店主らしき人が入口に立っていて店内に客がいる雰囲気が無い。
何となく入りづらくて、窓越しに中の客が見える和食・居酒屋を選んだ。それなりに客は居るが、4人掛けのテーブルも二人ずつに指定されていて、従来ならば客の数は半分以下。しかし、調理場の人数を減らしている様子で、注文してから料理が来るまでにかなり時間が掛かった。それでも、久々に居酒屋の店員が調理ばに注文を告げる声を耳にしたが、もう何年振りだろうか?と思い出すのも難しいほど町の居酒屋には入っていなかった。
夕食を済ませてホテルに戻り、明日の予定を確認。ホテルのベッドで寝るのも3年振りくらいだろうか。インターネットで宿泊予約する作業でさえ、忘れかけている気がして心許なかったくらいだ。「かつては、こんな旅を一年に何度か繰り返していた日々が自分にも有ったんだなぁ」と、どこか遠い過去を思い出す映画のシーンに居る気分を味わいながら、部屋の電気を消した。