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薬の値段

2021-10-30 | 日記

「薬の値段が大手製薬会社に独占的に決められている」というドキュメンタリーを見た。21世紀に入る頃から製薬会社の買収や合併によって、世界の製薬業界の統廃合が進んでいるのは感じていたが、現在の医薬品の世界はいくつかのメガ企業に支配されていると言える状況らしい。その中で、薬の値段は製薬会社が自由に決められるのだそうだ。

 一定の競争原理が働く業界であれば、値段を高く設定しすぎれば売れないということになる・だが、特定の疾患に効く薬が一つしかないような状況では、事実上のそれを作る製薬会社の独占状態であり、薬の値段をどれだけ高く設定しても患者はそれを買わざるを得ないことになる。番組内では、そのような薬の例が紹介され、さらに製薬会社を買収した企業のトップが薬価をいきなり数十倍に吊り上げた例や、製薬会社が一つの国以上の政治力を持つようになっていることが紹介された。

 薬の開発に多大な資金が投入されていて、薬の値段にその開発費の回収分が上乗せされることは分かるが、多額の公的資金が投入されている薬開発などの場合にはどこまでが薬価に含められるべき資金なのか分からなくなる。さらに、製薬会社を買収した買収資金を薬価の吊り上げによって回収するなどの行為が許されては、購入する患者側からすればたまったものじゃない。あるケースでは、それによって国の医療保険の負担が50億円近くも多くなっていると計算されていた。

 今の製薬会社は、患者数が少ないが命に係わる深刻な病気に効果のある薬を開発しようと力を入れているらしい。患者数が少なくても、患者たちは生きて行くために必ずその薬を買う必要があり、薬の値段がいくら高くても必ず売れるからだとか。まるで、時代劇の悪徳薬問屋のドラマでも見ているような気分になる。新型コロナの薬にしても、初期に良く取り上げられた国産の比較的安い薬の名を聞かなくなった代わりに、外国大手製薬メーカーが開発中の新薬に関するニュースばかりが聞こえて来るようになった気がする。かなり穿った見方かも知れないが、もしかしてこれも海外大手製薬メーカーによる政治的操作によるものか?、なんて疑いたくもなってくる。

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