合格者数47年連続全国第一位校!

累計1万人の合格実績! 教材・動画すべて無料!

財源は税金ではない? コロナ危機で崩れる「財政赤字」の神話(Forbes)

2020年06月13日 10時41分28秒 | ●政治・経済・社会、食糧、医療、環境問題問題

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
財源は税金ではない? 
コロナ危機で崩れる「財政赤字」の神話
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新型コロナウイルスによる経済的打撃が世界中で深刻な問題となるなか、米連邦準備理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は5月13日、米経済が長期にわたり低迷する恐れがあるとした上で、議会と政府は支出を拡大する必要があるとの見解を示した。

すでに行われている経済縮小への初期対応が無駄にならぬようやむを得ないとはいえ、政府は巨額の財政負担を背負えるのかという疑問を抱く人も少なくないのではないだろうか。

パウエル議長は4月末にも、経済活動の「前例のない」落ち込みを警告し、現在は財政赤字への懸念による「妨害を許す時ではない」と断言していた。

財務省は5月4日、第2四半期に過去最大の3兆ドル(約320兆円)の借り入れをする方針を明らかにし、米連邦政府の債務残高は5月6日までに25兆ドル(約2560兆円)の大台を突破。今後も前例のないペースで拡大する見通しだ。

とりわけ「財政赤字を膨らますのは悪いことだ」「財政収支のバランスを取らないといけない」という一般的な通念に照らしてみれば、経済対策の財源をどこに求めるかという議論は重要だ。

緊急事態下において、果たして財源の見通しをどこから得ているのだろうか。

●「政府支出に財源の裏付けは必要ない」MMTの財政赤字論

この疑問に答えた、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校教授のステファニー・ケルトンのツイートが話題だ。FRBによる緊急の経済対策が開始された3月半ばに、彼女はニューヨークタイムスで以下のように語っている。

「この公衆衛生上の危機が金融危機へと変貌した際、FRBはすぐさま行動し、1週間足らずで数兆ドルを金融システムに投入しました。 銀行に短期ローンが提供され、金利は実質的にゼロへと引き下げられ、7000億ドル相当の米国国債と不動産担保証券の購入開始が発表されたのです。その後、FRBは信用の流れをサポートするために、最大1兆ドルのコマーシャルペーパーを購入する権限を自らに与えました(追加の対策は確実に続くでしょう)。

一連の発表が行われる中、私はリーマンショック時のFRB議長であるベン・バーナンキの8秒間ほどの動画をツイートし、中央銀行がこれら1兆ドルの措置を実現するために、資金をどのように工面しているのかを説明しました」

司会者「FRBが支出に用いたのは税金だったのですか?」

バーナンキ「いえ、税金ではありません。私たちはただ、コンピューターを使って操作しただけです」

この動画は、CBSが2009年に放送したテレビ番組「60 Minutes」のワンシーンに若干の編集が加えられたものだ。番組の中でバーナンキ元議長は前後の部分を以下のように述べていた。

「いえ、税金ではありません。今回救済された銀行は、ちょうどあなたが市中銀行に口座を持っているのと同じような感じで、FRBに口座を持っています。だから銀行に融資するために行うことは、彼らのFRBの口座をコンピューターを使って操作するだけです。それは借りるというよりも、お金を印刷することにはるかに似ています」

バーナンキ元議長によれば、リーマンショック時のFRBの1兆ドルの銀行救済策の財源は、「コンピューターを使って口座を操作する」ことによって贖われた。「無からの創造」のような話だが現実の出来事である。

議会がFRBに支出を指示をするならば、コンピューターのキーボードを叩くだけでお金を生み出せるという事実は、「キーストロークマネー」と呼ばれている。MMT(現代貨幣理論)の提唱者として知られるランダル・レイは『MMT現代貨幣理論』(島倉原監訳、鈴木正穂訳、東洋経済新報社)のなかで、バーナンキ元議長の同じエピソードを引用している。

「政府はキーストローク、つまりバランスシートへの電子的な記帳行うことで支出する。そうするための能力に、技術的なあるいはオペレーション上の限界はない。キーボードのキーがある限り、政府がそれを叩きさえすれば、利払い資金が生み出されてバランスシートに書き込まれる」

もし「バランスシートへの電子的な記帳を行う」ことで政府支出がなされるのだとすれば、「経済対策の財源をどこに求めるか」ということはそもそも問題になり得ない。4月17日に英紙ガーディアンに掲載された「新型コロナウイルスが打ち砕いた財政赤字という神話」の中で、彼は次のように述べている。

「この緊急経済対策で用いた額をどのように支払うのかを真剣に問う者など誰もいないし、もしいたとしても、問うべきではない。連邦政府が財政支出に用いた『代金を支払う』必要があるという神話を論破するには、世界的なパンデミックが必要だった」

一般的には、どんな政策を実行するのにも財源の裏付けが必要だと強く思い込まされてきたし、財源とは税収や国債によって賄われるものであり、借金が膨らみ過ぎると財政破綻のリスクが増すと言われてきた。しかし、MMT派はこの発想自体が誤りだと強調する。

駒澤大学経済学部准教授で経済学者の井上智洋が『MMT 現代貨幣理論とは何か』(講談社)のなかで指摘するところによれば、「自国通貨建てで借金をしている国が財政破綻することはない」ということは、主流派経済学者であっても受け入れざるを得ない事実だという。

●コロナショックで潮流に変化 MMTが「ニューノーマル」に?

MMT提唱者ランダル・レイは自著で「政府の財政は家計や企業のそれとは全くの別物だ」と主張している。

「主権を有する政府が、自らの通貨について支払い不能となることはあり得ない。自らの通貨による支払い期限が到来したら、政府は常にすべての支払いを行うことができるのである」

なぜだろうか。彼によれば、主権を有する政府は、自分たちでお金が作ることができるのだから、この点において支出に制約はないということだ。同書の解説で経済学者の松尾匡が述べているように「通貨発行権のある政府にデフォルトリスクはまったくない。通貨が作れる以上、政府支出に財源の制約はない。インフレが悪化しすぎないようにすることだけが制約である」。

この議論に添うならば、財政収支を均衡させること自体には意味がない。言い換えれば、全体としてインフレが管理可能なところに抑えられているならば、赤字は問題とならないということだ。増税などの緊縮政策が必要となるのは、財政赤字を解消するためではなく、社会が好景気となりインフレを抑える必要がある場合に限られる。

そもそも財政赤字とは民間の資産増を意味しており、民間への資金供給のことだと言い換えることもできる。逆に、財政黒字とは民間の借り入れ超過を意味し、失業が存在する中ではむしろ経済に悪影響を与えるという見方もある。

英ヘッジファンド、ユリゾン・SLJキャピタルのスティーヴン・ジェン氏はブルームバーグの記事の中で、コロナショックによって潮流は変わりつつあるとし、次のように今後を予想する。

「巨額の財政赤字を中央銀行がすべて引き受けることが『ニューノーマル』になる可能性が高い。意図的であるかどうかにかかわらず、われわれはみなMMTにシフトしているのだ」

「財政赤字が膨らむと破綻のリスクが増す」という主張が「神話」であり、今回の新型コロナウイルスへの緊急経済対策がその証左であるとするならば、ポストコロナのわたしたちの経済にはどのような道が開かれているのであろうか。

後編では、コロナ禍においてMMTとともに語られることの多い経済政策「グリーンニューディール」に注目したい。

●ソース(Forbes)(2020/05/16)
https://forbesjapan.com/articles/detail/34482/1/1/1

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
支援金の財源は「税金」ではない? 
経済学の新理論MMTを解説(森永 康平)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

先日、筆者のTwitterで、Forbes JAPANに掲載されていた「財源は税金ではない? コロナ危機で崩れる「財政赤字」の神話」という記事を紹介した。筆者のTwitterは、経済学を専攻している大学生も何人かフォローしてくれており、疑問に思うことがあればすぐにコメントをくれたり、DM(ダイレクトメッセージ)で質問したりしてくれる。

今回も、紹介した記事を読み進めていくうえで不思議に思ったことがいくつかあったようだ。まずは、大学生たちから寄せられた質問を取り上げながら話を進めていきたい。

●財源は税金ではないという発言

米国では世界最多となる150万人以上の新型コロナウイルスの感染者数が確認されている。今回のコロナ禍で、もっとも大きな影響を受けている国の1つといえるだろう。

米連邦政府は、新型コロナウイルスへの対策や、企業や家計への支援をするために、第2四半期に過去最大の3兆ドル(約320兆円)の借り入れをする方針を明らかにしたが、これで債務残高は25兆ドル(約2560兆円)の大台を突破することが確実視されている。

このように新型コロナウイルスへの対応に伴い政府の債務残高が膨れていく環境下、先ほど紹介した記事のなかで、米国の中央銀行に当たる米連邦準備制度理事会(FRB)の元議長であったベン・バーナンキは、以下のような考えを披露している。

司会者「FRBが支出に用いたのは税金だったのですか?」
バーナンキ「いえ、税金ではありません。私たちはただ、コンピューターを使って操作しただけです」

大学生たちが疑問に思ったポイントは、ここだった。景気が悪くなれば、政府が財政出動をするのは教科書通りだが、財源を確保するためには税収が必要だと思っていたのに、「コンピューターを操作しただけ」とバーナンキが答えた意味がわからなかったという。

たしかに、日本では昨年の10月に消費増税をしたこともあり、財源は税金ではないと言われて、混乱するのは当たり前のことだ。

これについて考えるために、少し視点を変えてみよう。いま太郎が10万円を銀行に預けたとする。銀行はお金を預かっているだけでは儲からないので、そのお金を貸し出しに回す。普通なら、貸し出しする際の金利と預金に設定する金利の差額で儲けるのが銀行の一般的な儲け方だと習うだろう。

ただ、太郎の引き出しに備えて銀行は全額を貸し出すことはできないので、とりあえず花子に5万円を貸し出して、花子は自分の口座にそのお金を入金したとする。そうなると、銀行には元々は太郎の10万円しか預金が存在しなかったはずなのに、花子の預けた5万円も発生し、合計15万円の預金が銀行内には存在することになる。

一見すると、ある種の錬金術のように見えるかもしれないが、これは一般的には「信用創造」と呼ばれている。これは経済学部の学生であれば講義で習っていることだ。

●税金の支払いに使えることで

しかし、実際の銀行業務を考えた場合にはどうだろうか。もし先に花子がお金を借りに来たとしても、花子が融資をしてもちゃんと返済をしてくれるという信用状態にあれば、すぐに銀行は花子の預金口座にお金を振り込むだろう。何も太郎の預け入れを待つ必要はない。

このとき銀行は、コンピューター上で花子の口座に入金記録を打つだけでよい。これがまさにバーナンキが言った「コンピューターを使って操作しただけ」ということになる。

・税金の支払いに使えることで

このようにコンピューター上でお金の移動ができる状況にあると、「そもそもお金ってなんなんだろう?」という疑問が湧いてくる。

日本では消費増税のタイミングでキャッシュレス決済推進策が打ち出され、その後、新型コロナウイルス感染拡大の影響で接触を回避するためにキャッシュレスでの支払いが普及したことで、少しずつ現金決済をしない人が増えつつある。

そうなると、基本的にはコンピューター上でのやり取りになるので、お金に対する概念があやふやになる。

たとえば、1万円札は原価が20円程度の紙だが、なぜそれに1万円の価値を見出せるのか。昔のように同額の金(ゴールド)と引き換えてくれるわけでもない。

価値を見出している理由の1つは、日本円というお金を税金の支払いに使えるということだろう。私たち日本人が生活する日本において、税金は日本円を使って支払うことができる。つまり、日本円は日本政府が額面で受け取ってくれる。だから日本人は日本円に対して信用をしているのだ。

このように考えると、税金の存在理由が財源ではなく、ただの紙をお金として流通させるためにあると考えることができるだろう。

このようなお金の考え方は「MMT(現代貨幣理論)」として、冒頭で紹介した記事のなかにも登場している。拙著『MMTが日本を救う』でも詳細に解説しているが、これまで学生たちが教えられてきた経済学とは違う考え方である。

正確には「貨幣理論」というぐらいなので、経済学ではないのかもしれない。筆者も大学で経済学を専攻していたが、当時習ったこととはまったく異なるものだ。

MMTに興味を持ってネットでいろいろ調べると、この理論に対する反論を多く目にすることになるだろう。実際にMMTが日本で知名度を得る過程でも、多くの有識者や著名人がこの理論に対して否定的な発言もしている。

学生の読者には何が正しい、間違っているとすぐに結論を出そうとするのではなく、いま大学で習っている経済学もMMTも1度学んでみて、さまざまな視点を持つことをお勧めしたい。不確実性が高まっている世の中においては、柔軟な発想が求められるからだ。

●ソース(Yahoo! News)
https://news.yahoo.co.jp/articles/98664757af9329618fe40339bdba0a7da2e3fed4?page=1

以上


官邸が「政府批判番組」を監視。(小川彩佳、岡田晴恵教授、岩田健太郎教授、和田アキ子、IKKO)

2020年06月05日 13時42分54秒 | ●政治・経済・社会、食糧、医療、環境問題問題

官邸が「政府批判番組」を監視。(小川彩佳、岡田晴恵教授、岩田健太郎教授、和田アキ子、IKKO)

安倍政権が官僚支配と並んで力を入れてきたのがメディア支配だ。

本誌・週刊ポストが前号で官邸の内閣広報室がテレビ番組を監視していることを示す“機密文書”を報じると大きな反響を呼び、キー局の番組関係者から、「うちの番組は監視対象なのでしょうか」との問い合わせがあった。

この監視文書をもとに、官邸は気に食わない報道やコメンテーターの発言があると公式ツイッターで反論し、報道に“圧力”をかけてメディア支配に利用していたのだ。

内閣広報室の番組監視は分析チームの職員3人ほどが専従となって、毎日、番組を視聴して出演者の政策に対するコメントなどを書き起こす作業を行なっている。

記録文書は東京都内の男性会社員が情報公開請求して入手し、本誌が提供を受けた。開示文書は2月1日から3月9日付までの約1か月分だけでA4判922枚に及び、2種類に分類されている。

1つは「報道番組の概要」とのタイトルで、朝は「スッキリ」(日本テレビ系)、「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)、「とくダネ!」(フジテレビ系)の3番組、昼は「ミヤネ屋」(日テレ系)と「ひるおび!」(TBS系)、そして夜は「報道ステーション」(テレ朝系)と「NEWS23」(TBS系)の番組内容が毎回、ルーチンワークで記録されていた。

TBS系の「グッとラック!」、フジテレビ系の「バイキング」、日テレ系の「news zero」は基本的には監視対象外のようだ。

その中でも「報道ステーション」と「NEWS23」は、2014年の総選挙前、自民党がその報道ぶりを批判して民放各局にゲストの選定や街頭インタビューについて「公平中立」を求める“圧力文書”を出すきっかけとなった安倍政権と因縁の番組であり、今も“要注意”の監視対象になっていることがうかがえる。

記録されているのは、原則として政治に関連する出演者の発言が分刻みで書き起こされている。

もう一つは「新型コロナウイルス関連報道ぶり」のタイトルで日付ごとに分類され、出演者のコロナに関連する発言がピックアップされている。

3月6日付の文書には「NEWS23」の〈入国規制政治決断の背景〉としてこう記されていた。

〈小川彩佳・キャスター「この規制に踏み切った政府ですけれども、なぜこのタイミングなのかについては、国会でもその政治的判断の根拠ですとか、これまでの措置と矛盾しているんじゃないかということも指摘されています(後略)」〉

小川アナが安倍首相の「今が正念場である」などの発言を紹介すると、〈評論家・荻上チキ氏「言葉は一個一個強いんですけれども、根拠であるとか、裏付けというのは不透明ですよね(後略)」〉というやり取りが続く。

◆克明に記録されたやり取り

開示文書には橋下徹氏、岸博幸氏から田崎史郎氏まで様々なスタンスの論者の発言が並んでいるが、飛び抜けて多いのが「モーニングショー」のコメンテーターで政府批判で知られる玉川徹氏と、コロナ対応で歯に衣着せぬ発言で知られる公衆衛生学者の岡田晴恵・白鴎大学教授だ。

岡田氏は「モーニングショー」だけではなく、「アッコにおまかせ!」(TBS系)に出演した際の和田アキ子IKKOらとのやり取りまで克明に記録されていた。

もう1人、官邸にマークされていたのがクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に乗り込んで政府の対応を告発した岩田健太郎・神戸大学教授だ。

「機密性2情報」の印字がある2月17~21日付の文書には、「○岩田教授」の項目が立てられ、岩田氏が出演した各番組での発言や、他の有識者が岩田教授について語った内容が18枚にわたって整理されている。

文書を分析すると、官邸が政府の政策や対応について各局がどう報じているかを幅広くモニターするのではなく、批判的な番組やコメンテーターの発言を重点的に収集していることがわかる。

それにもかかわらず、本誌報道後も監視対象となっている局は沈黙を守ったままで、特定の番組や出演者の発言を監視するのかの説明を政府に求めようともしない。長年のメディア支配で“牙”を抜かれてしまったのか。

しかし、大新聞やテレビの報道をコントロールし、政権に都合の悪い事実を国民に知らせないようにする安倍政権のメディア支配戦略はもはや通用しなくなってきた。

政府がゴリ押ししようとした検察庁法改正がSNSを通じた国民の批判の高まりで断念に追い込まれたように、いまや国民がネットで直接権力を監視する社会になり、大メディアもネット世論を無視できなくなってきた。

安倍政権のメディア支配も官僚支配とともに崩壊に向かっている。

※週刊ポスト2020年6月12・19日号

●ソース:https://news.yahoo.co.jp/articles/52bfa814893db766eff17d670349d2e3aa9aba31

以上