昭和天皇を処刑しなかったマッカーサーの深慮遠謀
2019年7月6日、百舌鳥・古市古墳群が世界遺産に登録されましたが、これは、戦後、GHQのマッカーサーが、「昭和天皇は死刑にすべき」と強く主張していた連合国のイギリス、オーストラリア、ソ連、中華民国の反対を押し切って、「昭和天皇を政治利用するために処刑しない」と決めた深慮遠謀が大前提にあることを知っておく必要があるでしょう。
歴史に「もし」はありませんが、「もし」マッカーサーが、昭和天皇を処刑し、日本の天皇制そのものを抹殺していたならば、現在の「象徴天皇制」「宮内庁」「天皇の政治利用」もありえませんから、「宮内庁」が、「不都合な真実」が出てくること恐れて、捏造された「天皇陵」への学術調査の立ち入りを制限することもないわけです。
百舌鳥・古市古墳群が世界遺産に登録されたからと言って、無邪気に喜ぶ理由はないどころか、天皇をおもちゃのように政治利用してきた安倍前政権、自公連立政権の「天皇の政治利用」を警戒すべきでしょう。
●百舌鳥・古市古墳群、世界遺産に(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASM733TR2M73UCVL004.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
昭和天皇を処刑しなかったマッカーサーの深慮遠謀
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●ユネスコの世界遺産委員会は、2019年7月6日、百舌鳥・古市古墳群が世界遺産に登録しました。
百舌鳥・古市古墳群は、古墳時代の最盛期(4世紀後半から5世紀後半)にかけて築造された、古代日本列島の王たちの墓群であり、古代日本の政治文化の中心地のひとつであり、大陸に向かう航路の出発点であった大阪平野に位置している。
墳丘の長さおよそ500mにおよぶものをはじめとする、世界でも独特な鍵穴型の前方後円墳が多数集まり、これらと多数の中小墳墓が密集して群を形成している。
本資産の古墳には、前方後円墳、帆立貝形墳、円墳、方墳という4種類があり、これらの型式は、日本列島各地の古墳の規範となった標準化されたものだった。
世界各地の多くの墳墓の墳丘が棺や室に盛土・積石しただけのものであるのに対して、古墳の墳丘は葬送儀礼の舞台として幾何学的なデザインを施し、埴輪などの土製品で飾り立てた建築的な傑作である。
本古墳群は、古代中央集権国家が成立する直前の時代にあって、激動する東アジア情勢への対応として展開した、墳墓によって権力を象徴した日本列島の人々の歴史を物語る顕著な証左でもある。
本資産は,古墳時代において,社会階層の違いを示唆する高度に体系だった葬送文化が存在し、古墳築造が社会の秩序を表現していたことを物語っている。
また本資産は、各地の古墳群が形づくる階層構造の頂点に位置し、列島一円の古墳群の群構成の規範となったものであった。
●天皇を政治利用する意図から創設=捏造された「天皇陵」
古墳群のうち「天皇陵」とされたものは、古代からそのように伝えられてきたわけではなく、江戸末期から明治にかけ、幕府や維新政府が、万世一系として天皇を政治利用する意図から創設=捏造されたものであった。
古代から中世までの天皇の「陵墓」がどこにあるかは、江戸時代になると全く分からなくなっていたのであり、そもそも、古墳に被葬者名は残されていない。
確たる証拠なしに、神武天皇から連なる万世一系の天皇の墓とみなす陵墓整備が、水戸藩による幕府への進言、天皇の権威を背景に成立した明治維新政府の手で進められました。
●発掘による「不都合な真実」を恐れる宮内庁=政府与党
「陵墓」に指定されている古墳のうち、天皇陵は41基、皇后陵は11基、皇太子などの墓は34基であり、天皇、皇后、皇子等を合葬したものを差し引くと合計85基あるが、天皇家の墓とされる「陵墓」は「尊崇の対象」であるとして、宮内庁は「静安と尊厳の保持がもっとも重要だ」という立場から、学術調査を含む立ち入りを厳しく規制してきた。
これは、発掘により、「仁徳天皇陵」「応神天皇陵」などと指定された根拠が崩れることを恐れているだけの理由である。

宮内庁の担当者は、「元禄年間に朝廷が仁徳天皇の墓と指定しました。宮内庁もこの見解を支持しています。
考古学者の間で諸説出ていることは認識していますが、墓碑銘などの100%確実な『仁徳天皇陵ではない』という証拠が出てこない限りは、指定を変える予定はありません」と、江戸時代の認定を覆すつもりはないようだ。
墳丘内の発掘調査で真相が明らかになることを期待する声は大きいが、今のところ墳丘内を発掘調査する予定はない。
●処刑を免れた天皇は、「象徴天皇制」のもと、新たな国民支配の道具として政治利用されてきた
第二次世界大戦後、連合国のイギリス、オーストラリア、ソ連、中華民国は、昭和天皇の戦争責任を追及し、「昭和天皇は死刑にすべき」と強く主張していた。
アメリカ国内でも、戦争終結直前の1945年6月29日に行われた世論調査によれば、「昭和天皇を処刑するべき」とする意見が33%を占めていた。
しかし、マッカーサーは、「天皇は処刑せず、生かしておいて、戦後の日本国民支配のために利用すべきである。敗戦したとは言え、天皇には、少なくとも、4個師団の軍隊に相当する政治力はある。利用しない手はないだろう。」との深慮遠謀の政治的判断で、大方の反対を押し切って、天皇をあえて処刑しないことにした。
マッカーサーは、「堀端(ほりばた)天皇」と呼ばれるほど、戦後日本の絶対権力者であったが、彼は、回顧録に「私は日本国民に対して事実上無制限の権力を持っていた。
歴史上いかなる植民地総督も征服者も総司令官も、私ほどの権力を持ったことはない。私の権力は至上だった。。。」と書いている。
処刑を免れた天皇は、日本国と日本国民統合の「象徴」とする「象徴天皇制」のもと、時の政権(支配者層)におもちゃのように政治利用されてきたが、最近では、安倍政権によるNHKをはじめとするマスメディア総動員により演出された「令和改元フィーバー」が記憶に新しい。
国民支配の道具として天皇を利用したい支配者層にとって、「陵墓」発掘によって「不都合な真実」が出てくることは「絶対にあってはならない」というわけである。
以上
「天皇、皇后両陛下には末永くお健やかであらせられますことを願って(已)いません」
●「已む」読めなかった? 安倍首相が歴史的儀式で驚きの大失言
4月に行われた「退位礼正殿の儀」歴史的な儀式での、安倍首相の失言が世間を騒がせた。ミスは誰にでもあるが、それを防ぐ準備は十分だったのか? 首相の姿勢が問われる。
4月30日、「退位礼正殿の儀」で、安倍晋三首相はおそらく歴史に残る大失言をしてしまった。それが起きたのは「国民代表の辞」のほぼ末尾だ。
「天皇、皇后両陛下には末永くお健やかであらせられますことを願って(已)いません」
これでは、国民の大多数の願いとは全く逆だ。
文書として公表された「国民代表の辞」には当然、「願ってやみません」とある。なぜこんな間違いが起きたのか。
動画で確認すると、安倍氏は懐から出した文書を読み上げたのだが、「あられますことを願って」まで進んだところで一瞬口ごもり、その後で「あらせられますことを願っていません」と発言していることがわかる。
「願ってやまない」の「やむ」は「已む」と書く。「己」や、十二支の「巳」と紛らわしい字ではある。安倍氏が手にした原稿では教養のある官僚が漢字で書いていたため、なんと読むかためらって、「願っていません」と言ってしまったのではないかとも思われる。
安倍氏は2017年1月24日、参議院本会議で蓮舫議員に対し「訂正でんでんという指摘は全く当たりません」と答弁した。これは「云々」を、「伝々」と誤って覚えていたようだ。もし「国民代表の辞」の原稿にひらがなで「願ってやみません」と書いてあったのに「願っていません」と言ったのなら、安倍氏は「願ってやまない」という言葉を知らないほど語彙が乏しいのか、意図的に変えたのか。どちらも少々考えにくい。
当意即妙が求められる国会答弁なら「でんでん」も笑い話で済むが、今回の舞台は憲政史上初の儀式だ。その重要な場で国民を代表し、天皇、皇后両陛下に直接あいさつをするのに、下読みも十分にしなかったなら、怠慢の極み。皇室に対する敬意を欠いていると言われても仕方が無いだろう。
だがテレビや翌日の新聞は、公表された原稿の内容を伝え、言い誤りはほとんど報じなかった。記者が聞き耳をたてず、発表文書に頼る風潮を示しているように感じられる。
私が5月3日に動画サイト「デモクラ・テレビ」の討論番組で「あきれた失言」と話すと、他の出演者は「それは初耳」と驚いていた。その後、右翼団体「一水会」が6日ごろからインターネットで批判を始めるなど、言い間違いへの非難は徐々に広がっている。
このように趣旨が逆転する失態が起きた例としては、1899年5月24日の読売新聞社説がある。原稿には「全知全能と称される露国皇帝」とあったのが、「無知無能と称される露国皇帝」と誤植された。主筆が毛筆で右肩上がりの崩し字を書いたため「全」が「無」に見え、活字を拾う工員が間違えたのだ。国際問題にもなりかねず、同紙は訂正号外を出し、ロシア公使館に釈明、陳謝して事なきを得たという。
1631年にロンドンで発行された「姦淫聖書」事件も有名だ。十戒の一つ「汝姦淫すべからず」の「not」が脱落し、「姦淫すべし」となっていた。教会は組織をあげて回収、焼却したが、残った数冊は今も珍書として高価で取引される。出版元の主は300ポンド(現在の価値で1500万円に相当か)の罰金を科されたが支払えず、投獄され獄死したという。
戦前の日本では皇室に対する不敬罪があり、「天皇陛下」を「階下」と誤植して出版禁止の行政罰をうけた出版社もあった。新聞社は「天皇陛下」の4字を一つにした活字を作るなどして過失の防止に努めた。幸い、今の日本には不敬罪はないが、国民を代表しながら「未曽有」の失言をしたのはなぜなのか。安倍氏はそのいきさつを国民に釈明するべきだろう。(ジャーナリスト・田岡俊次)
(※AERA 2019年5月20日号)
●ソース
https://dot.asahi.com/aera/2019051400027.html
●関連動画(安倍首相の誤読集)
「願って已みません→願って「い」ません。」「云々→でんでん」、「背後→せいご」
https://www.youtube.com/watch?v=PMRhyXSMWQU
●右翼団体「一水会」も激怒
「末永くお健やかであらせられますことを願って“い”ません」――。
4月30日に行われた「退位礼正殿の儀」で、安倍首相が「国民代表の辞」として挨拶した際、「已(やみ)ません」を「己(い)ません」と誤読したことに対し、右翼団体「一水会」が激怒している。
安倍首相の発言を受け、一水会は公式ツイッターに〈安倍総理が、4月30日の天皇陛下の退位礼正殿の儀で「天皇皇后両陛下には末永くお健やかであらせられます事を願って已みません・・あらせられます事を願って(已)いません」とやってしまった。これでは意味が逆。問題は、官邸HPから映像削除したこと。潔く字を間違えたこと認め不見識を謝罪せよ〉と投稿した。
ネット上でも〈字が読めないという事より、こんな人生最大の舞台で、普通の神経なら読み合わせ位はしてくるだろう。彼等の天皇を利用できれば良いという姿勢が現れている〉〈極めて厳粛な場で、自身で原稿を作成せず、読む練習すらしていない〉とケチョンケチョンだ。
安倍首相は過去にも「云々」を「でんでん」、「背後」を「せご」などと誤読しているが、今回ばかりはシャレにならない。
・https://www.excite.co.jp/news/article/Gendai_539943/
以上
「ホルモン漬けアメリカ産牛肉」が乳がん、前立腺がんを引き起こすリスク『怖い中国食品、不気味なアメリカ食品』
日本に輸入され、私たちが何気なく口にしているかもしれない「猛毒食品」は中国産だけではありません。
『怖い中国食品、不気味なアメリカ食品』の著者・奥野修司氏が「ホルモン漬けアメリカ産牛肉」の危険性を詳細なデータとともに解説します。
●日本人のホルモン性依存がんが増えている
日本人の前立腺がんが異常な勢いで増えている。もちろんPSAによる検査数が増えたこともあるが、尋常ではない数だ。10年前は胃がん、肺がん、大腸がんよりもずっと少なかったのに、今や大腸がんを抜いて肺がんと肩を並べる勢いである。
乳がんも子宮がんも卵巣がんも増え続けている。今年の6月に小林麻央さんが亡くなったが、乳がんは女性のがんでは罹患率トップだ。
これらはいずれもホルモン依存性がんと呼ばれているものだ。なぜ日本人にホルモン依存性がんが増えているのか。
藤田博正医師(北海道対がん協会細胞診センター所長)は、昔からアメリカに移住すると卵巣がんや子宮体がんが増えると言われていたことを思い出し、食事の変化に注目した。
●日本では70年代から牛肉の輸入が増加
日本とアメリカのホルモン依存性がんのデータを比較すると、アメリカは年を重ねるごとに増えているのに、なぜか日本では40代50代で腰折れ的に減っている。
細胞が悪性腫瘍になるまで20年、30年とかかる。では、40代50代の方たちの食生活が30年ぐらい前にどう変わったかを考えた時、アメリカからの輸入牛肉に思い当たったという。
日本では70年代から牛肉の輸入が増加し、その頃からハンバーガーも食べ始めた。
そこで半田康医師(北海道大学遺伝子病制御研究所客員研究員)を筆頭に、藤田医師を含めて8人の研究者が牛肉に含まれているエストロゲン(女性ホルモン)の濃度を調べた。
藤田医師によれば、これらの牛肉は「札幌市内のあるスーパーマーケットで売っていた肉」だという。
結果は驚くべき数値だった。なんと国産牛と比較して、アメリカ産牛肉は赤身で600倍、脂肪で140倍も高かったのだ。
●高濃度のエストロゲンがスーパーの牛肉から
検出されたのはエストロゲンの中でもエストラジオール(E2)とエストロン(E1)である。問題はこのE2で、半田医師によれば「圧倒的に怖いのがE2で、活性がE1の10倍あり、がんの発症に関連していると考えられている」という。
牛肉から高濃度のエストロゲンが検出されるのは、ホルモン剤(デポ剤)を牛の耳に注入しているからだ。基本的に1回とされているが、2回、3回と注入することもある。
ちなみにホルモンを注射した牛の耳は、屠畜するときにバイオハザード並の危険物として焼却処分される。
牛にエストロゲンを注入するのは、こうすると肥育期間が短くなって利益が10%アップするからである。
そのためにアメリカ、カナダ、オーストラリアなど主要な牛肉輸出国では「肥育ホルモン」としてエストロゲンの使用を認めている。
ホルモン剤には天然型と合成型があり、日本も天然型の2種類を認めているが、実際には肥育に使っていない。
では高濃度のエストロゲンのどこが問題なのか。
●エストロゲンはホルモン依存性がんの危険因子
「エストロゲンはホルモン依存性がんの危険因子だという事は、今や教科書レベルの話です」と半田医師が言うように、がんと密接に関係しているからである。
エストロゲンががん化に関わっているとする論文はたくさんある。実際に日本人の牛肉消費量とホルモン依存性がんの発生数が比例していることを見ても明らかだろう。
外食産業のハンバーガー、牛丼、カレーなどにはこうした残留ホルモン濃度が高い牛肉が使われている可能性が高いといわれる。
EUではこのことが分かってから、1988年にホルモン剤を家畜に使用することを禁止し、翌年にはアメリカ産牛肉の輸入を禁止した。
このためにEUとアメリカの間で“牛肉戦争”が起こったが、これは今も続いている。
●日本がアメリカ産牛肉を輸入し続けている理由
ではなぜ日本は輸入しているのか。それは、1999年に旧厚生省が「アメリカ産牛肉の残留エストロゲンは国産牛の2~3倍程度」で、危険とはいえないと報告したからである。
2~3倍と600倍では天と地ほども違うが、これほど差が出たのは測定法が違っていたからだ。
旧厚生省が使ったのはRIA法という古い検査法で、半田医師らが使った最新のLC-MS/MSにくらべ、精度は20分の1~100分の1だ。つまり旧厚生省の数値はいい加減ということになるのだが、いまだに最新の測定法で計測していない。
発がん性だけでなく、精子の減少にも関係しているといわれ、アメリカでは前立腺がんによる死者は2万9千人余(2013年)と肺がんに次ぐ。
日本は現在でこそ6位だが、2020年には1995年の6倍に増加して、やはり肺がんに次いで2位になるといわれている 。
専門家は「エストロゲンの高いものを食べていい事は何一つない」と口をそろえて言う。
さらにアメリカ産牛肉から検出されたホルモンには日本が禁止しているものもある。
●なぜ輸入を止めないのか。元厚労省の職員に尋ねるとこう言った。
「高濃度のエストロゲンを理由にアメリカ産牛肉の輸入を禁止したらどうなりますか。日本はEUじゃないんですよ。牛肉戦争をして勝てると思いますか」
ちなみに輸入量が最も多いオーストラリア産牛肉は誰も正確には計測していない。官僚の不作為が、やがて医療費の増大となって、国民がそのツケを払うことになるのだろう。
●ソース
http://bunshun.jp/articles/-/4917
●ご参考「医師と製薬会社の黒い関係」
https://blog.goo.ne.jp/gu6970/e/8ffb27e73bbda71e5df2eed37939ae91
●病院、製薬会社に殺されるな!(近藤誠医師の動画)
https://blog.goo.ne.jp/gu6970/e/4d38190a2c91c876a21580ee9b6709c0
以上

イエレン米財務長官は22日、米国の銀行システムを安定化させるために「全面的な」預金保険を提供することを規制当局が検討していることはないと述べた。最近経営破綻した米銀のトップは責任を負うべきだとの見解も示した。
上院歳出委員会小委員会の公聴会でイエレン長官は「預金の全面的な保険や保証に関することを、私は検討したり議論したりしていない」と話した。米預金への全面的な保護には議会の承認が必要となるかとの質問に答えた。預金保護上限の一時的または恒久的な変更を指すかどうかは明確にしなかった。
イエレン氏は21日、中小規模の金融機関が経営難に陥った場合、米政府は預金者保護のために追加措置を講じる用意があると語っていた。米財務省のスタッフは、25万ドル(約3280万円)となっている預金保護の上限を議会承認なしに一時的に引き上げる方策を検討していると、ブルームバーグ・ニュースが20日に報じていた。
22日の市場では地銀株が売られ、市場全体を押し下げた。イエレン長官の発言に加え、インフレが落ち着く兆しが見えるまで利上げを継続する姿勢をパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が示したことも材料視された。米連邦公開市場委員会(FOMC)が同日、主要政策金利の0.25ポイント引き上げを発表したことを受け、株価は当初、上昇していた。
米連邦預金保険公社(FDIC)の25万ドルの預金保護上限を恒久的に変更するには議会承認が必要だが、財務省には為替安定化基金(ESF)の約300億ドルもの資金がある。これが緊急措置として活用されるかもしれないと指摘する当局者もいる。
イエレン長官は「これはわれわれが検討していることではない」とした上で、上限を引き上げるかどうかを判断するには適切な時期ではないと述べた。
また、株主や投資家が損失を被っている状況で銀行の経営破綻に責任のある幹部は利益を得るべきではないとの見解を示した。
公聴会の冒頭で「これは説明責任の一つの重要な形であり、これに関する法制化で議会と喜んで協力したい」と発言。「破綻した銀行の株主や債券保有者を政府が保護することはないと明確にしておくのが大事だ」と言明した。
(Bloomberg)(2023.3.23)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-22/RRXM88T1UM0X01
●植山のコメント
金融システムに不安を抱く米国の預金者たちが、3月9日から15日までに中小の銀行から大手銀行に約16兆円の預金の預け替えを行っている中、FRBは、22日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の誘導目標を0.25%引き上げることを決めた。
しかし、信用不安が再び拡大する懸念はぬぐえていない。FRBは物価高騰と景気後退に加え、新たに金融不安という課題も背負い、経済を急落させずに物価を抑制する道のりはさらに険しくなったと言える。
米中堅銀の相次ぐ経営破綻を受け、FRBや財務省などは、破綻した2銀行の預金について、限度額を超えて全額保護すると表明。また、世界的な金融大手クレディ・スイスの経営危機を受けて、FRBや日本銀行など世界の主要6中銀は19日に、協調して米ドルの供給を増やす取り組みを発表するなど相次いで対策を打ち出した。
当局の取り組みを受けて株式市場は持ち直すなど信用不安は小康状態にあった。しかし、今後、健全な銀行や貸金業者が危険視されたり、財務悪化を恐れる銀行が融資を必要以上に制限する「信用収縮」が拡大する恐れも指摘されている。そうなれば、米国経済は想定以上に落ち込み、影響は世界に波及すると考えられる。
以上
それ以上でも以下でもないように思います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「公私を区別すること」 子どもたちには学んでほしい
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(ソース:2020年9月4日毎日新聞朝刊)
https://mainichi.jp/articles/20200904/k00/00m/010/013000c
安倍晋三首相が熱心に取り組んだテーマの一つが「教育」だ。政府に「教育再生実行会議」を設置し、さまざまな教育政策を実行してきた。
安倍首相の狙いは何だったのか。
文部科学省の幹部として安倍政権の教育政策に深く関わる一方、退任後は加計学園の獣医学部新設問題で「総理のご意向」文書の存在を認め「行政がゆがめられた」と語るなど、政権を厳しく批判してきた元文科省事務次官の前川喜平さん(65)に聞いた。
【大迫麻記子/統合デジタル取材センター】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「教育勅語」の復権をめざす
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
――安倍政権の教育政策とはどういうもので、何を目指したのでしょうか。
◆国家のために忠誠を尽くす国民を育てようとする「国家中心主義」を進めるものだったと思います。その手段として政権は、「教育勅語」を復活させようとしました。教育勅語は明治天皇が1890年に示した「朕惟フニ我カ皇祖皇宗国ヲ肇ムルコト……(私が思うに、私の先祖である歴代天皇が国を始められたのは……)」で始まる教育の基本方針です。「親孝行しなさい」「夫婦は仲良くしなさい」などと書かれているのですが、単なる親孝行や夫婦円満の推奨ではありません。その後には、何かあった時には公のために奉仕し、永遠に続く皇室を助けなさい、と続くのです。教育勅語の根底には「国体」という観念があります。国家を家族に見立て、天皇を親、臣民を子と見なし、親を敬う家族のように調和しよう――という考え方です。
教育勅語は1948年に国会で「憲法・教育基本法と相いれない」とされて失効しました。ところが安倍政権は、憲法・教育基本法に反しない形で用いるのはよい、という理屈で教育勅語の考え方をさまざまな形で復活させようとしました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「国への愛」を規定した改正教育基本法
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
――具体的には?
◆まず、第1次安倍政権が発足した2006年の教育基本法改正です。
47年に制定された教育基本法を大幅に変えてしまいました。
教育勅語の考え方が垣間見えるのは2条5項と10条です。
2条5項には教育の目標として「我が国を愛する……態度を養うこと」とあります。しかし、愛するかどうかは個人の自由であり、国に規定されることではありません。この規定は、憲法の定める個人の内心の自由を侵しうるものです。
また、10条は父母らが子に生活習慣などを身に付けさせるよう努めよ、と規定します。国が家庭教育に義務を課すだけでも問題ですが、家庭教育への介入の危険性も否定できない文言です。
この改正を経て第2次安倍政権で教育政策は国家中心主義へ急傾斜していきました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
道徳教科書で「二塁打を放った星野君」が怒られた理由
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
――「道徳科」もできましたね。
◆「道徳の教科化」は、国家中心主義を示す象徴的な出来事です。
道徳科は小学校で18年4月から、中学校で19年4月から始まりました。
最大の変更は、検定済み教科書の使用を義務づけたことでした。
教科書作りの指針となる道徳の学習指導要領には父母、祖父母を敬愛することや、国を愛すること、礼儀、規則、公共の精神など、集団を束ねるための規範が、これでもかというほど並べられています。
何かに似ていませんか。そう、教育勅語です。ここに「天皇への敬愛」が入ったら、ますます近づきます。
この学習指導要領は、個人と自由を尊重する日本国憲法の精神に反する点で大問題です。
――子どもたちは、その学習指導要領に沿った教科書で学ぶわけですね。
◆教科書は当然、学習指導要領に沿った内容になります。ある教科書には「星野君の二塁打」というお話があります。
野球の試合で監督から送りバントを指示された少年、星野君は、調子がいいのでバントをせず、とっさに二塁打を放ち、チームは勝利します。
ところが翌日、監督は選手を集め、指示に反したとして星野君を重々しい口調でとがめます。
監督は「犠牲の精神の分からない人間は、社会へ出たって社会をよくすることなんかとてもできないんだよ」などと語り、星野君に次の大会への出場禁止を言い渡すのです。
そして教科書は「決まりを守り、義務を果たすことの大切さについて考えましょう」と促します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
道徳科に「自由」を潜り込ませた文科省の抵抗
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
――憲法と政治の板挟みになって難しい判断を迫られたのではないですか。
◆教育基本法改正の作業は、38年間の官僚生活を振り返って、最もやりたくなかった仕事です。しかし、結果的に道徳科には自由の精神も潜り込ませてあるのです。
学習指導要領には実施するにあたってのガイドラインである「解説」が付いています。
文科省はここで特定の価値観を児童・生徒に押しつけないこと、自分で考えさせ、議論させることを示しました。
つまり、「星野君の二塁打」も「書かれた結末が正しい」と教え込まずに児童に議論させるべきなのです。
解説ではまた、教科書だけでなく、ほかの書籍や映像も教材として広く利用するよう求めました。
そうすることで、文科省は憲法に沿った、個人に立脚する教育の実現を目指したのです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
友達を大事にする首相は国家権力を友達のために使った
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
――前川さんは加計学園問題にも振り回されました。
◆日本の最高権力者・安倍晋三首相による公権力の私物化を、加計学園と「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録という二つの問題を通じ、私は目の当たりにしました。
安倍首相が旧知の理事長から獣医学部新設について頼まれた加計学園問題は、さまざまな文書から真相はほぼ明らかになっています。
また、「明治日本の産業革命遺産」が15年に世界遺産登録された件も、登録活動の中心人物と安倍首相は子どもの頃からの友人。
通常、世界遺産登録に何を推薦するかは文化庁で審査しますが、この時だけはわざわざ内閣官房に審査の場が設けられました。
文化庁で審査すると通らないから、官邸主導でそうしたのです。
――首相は何のために、そういうことをしたのだと思いますか。
◆友達を大事にする人だったから、自分が持っている力――それは国家最高の権力だったわけですが――を友達のために使った。
それ以上でも以下でもないように思います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
次の政権には期待しないが子どもたちには希望
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
――次の政権に期待することは。
◆7年8カ月も続いた悪夢はようやく終わります。夢の続きは見たくないのですが、安倍首相は総選挙で負けたわけではなく、病気による辞任です。
支持母体は何も変わっていませんから、今の体制が次の首相にそのまま引き継がれるだけだと思います。
ですから、期待はしていませんが、子どもたちには希望を持っています。
安倍首相を反面教師とし、憲法をゆがめて解釈しないこと、公私はきちんと区別することを学んでほしいですね。
●前川喜平氏
1979年、文部省(現・文部科学省)入省。
大臣秘書官、官房長、初等中等教育局長などを経て2016年事務次官に就任。
17年に天下りあっせん問題で辞任。現在は全国で講演しながら夜間中学での指導にも当たる。
著書に「面従腹背」(毎日新聞出版)、共著に「官僚の本分」(かもがわ出版)「これからの日本、これからの教育」(ちくま新書)など。