Sydney Yajima


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中国の元

2015-08-31 16:37:19 | 経済
中国で経済の分かっている閣僚といえば、第一人者が李克強 首相だろう。
彼自身が理解しているというよりは、彼の周りのブレーンが、少なくとも理解しており、しかも、彼の人柄の良さゆえに、そのブレーンたちが彼に様々なアドバイスをすることによって、彼自身が、政治に反映させることができている ということだと、私は思っている。

彼は、人格温厚だ。
いつも笑顔を絶やさない。

だが、その笑顔も、今は深刻な悩みの中にいるはずだ。

現在の中国の行うべきことは、マネーサプライを増やし、為替をより安くすること、そして、利率をさらに引き下げ、さらに、インフレ状態に持っていくことしかない。
彼のやり方は、しかし、間違ってはいない。

今の中国の処方箋は実際、それしかないのだから。

もちろん、インフレが危険だという理屈は、彼自身も良く知っている。
だが、デフレはもっと危険だということを、彼は 認識しているのだ。

今後、中国は、自国製品を安い競争価格で海外に輸出することだけを、行おうとするだろう。

問題は、いくつかある。

例えば日本やオーストラリアなどにとってみれば、中国からデフレの波がやってくるということだ。

いずれにせよ中国に進出した日本企業にとっては、あるいは中国に資源を輸出して稼いでいたオーストラリアの企業にとっても、これからの時代は冬だ。

この李克強首相にかけるしか、ないだろう。

痛みは伴う。

特に、実体経済がすでに下落しているいまの中国の状況下で、いったい 金融政策がどれほどの効果をあげることができるのか?ということだ。

日本の実体経済は、多くの苦難の中でも、実に 過去20年間においても、悪くはなかった。

と思う人は、日本の失業率と海外の失業率を比較してみられることをお勧めする。

悪いというのは、失業率が10%を超えることだ。
そんな瞬間は、過去数十年間 ただの一度もなかったはずだ。

少なくとも、日本では、仕事を探す気になれば、必ず見つかる。

年齢がある程度いっていても、それなりに仕事のある国だ。
こういうことを、きちんと認識し、ありがたいことだと思っている日本人は、少ないようだ。