Sydney Yajima


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日本の最低賃金の異常

2014-08-15 01:27:45 | 経済
日本の最低賃金が、1000円にも満たない。
私は、1500円程度にしなければ、決して、デフレを脱却することはできないと言い続けている。

資本家にとって、重要なことは、自分の持っている資本の価値が相対的に 上がり続けていくことであり、デフレの脅威というのは、それが逆に下がり続けていくという途方もないリスクである。
たとえば 1億円の不動産資産の2~3%か年々下がるとしたら、10年後には、累計で3000万円が消えてしまうということだ。

資産の価値は上がらなければならない。
そして 資本家は利益を確保しなければならないのである。

資本家にとって、安い労働力は魅力のあるものだが、しかし、長期でデフレにまで走ると、それは、リスクになる。
まさに、現在の日本の状況は、投資リスクが高くなりつつある状況なのである。

日銀の黒田総裁の、判断は、今のところ、正しい。
なんとかデフレリスクを回避し、緩やかなインフレに結び付けたいという考え方だ。

日本の失業率が下がっている。
こういうタイミングで、もし、賃金が上がらなければ、それは二つの条件が重なった異常な状態だ。

ひとつは、労働者が賃金の上昇を自らの意思によって、拒否している。
もうひとつは、労働者の質が、一年程度の超短期間の間に、下がり、それを穴埋めするために虚偽の経理をしている。

という状態だ。
まず、ありえない。

したがって、賃金の上昇を推し進めるということは、今、8%に消費税が上昇したタイミングに行うことは、重要な国家戦略になるはずである。
労働闘争というのは、通常 アンチ資本家という構図になるが、デフレ下においては資本家こそが、賃金の上昇を促す必要に迫られるということだ。
もちろん パラドックスのような話ではあるが、しかし、それが今の日本における重要な処方箋なのである。