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ねがうこと、ゆだねること

Paris Photo-Aperture 写真集アワード

2013-12-11 | photo
昨日取り上げたニューヨークの写真出版社Apertureだ
けど、サイトをみていると、Paris Photo と共同で写真
集へのアワードを2011年に創設しているのね。

Paris Photoと組むところが、ポイントかもしれない。
どちらが声がけしたのか。Apertureのパートナー企業
としてParis Photoとエルメスが名を連ねているけど。

「The 2013 Paris Photo-Aperture Foundation PhotoBook
Awards」と長い名前で、年間最優秀賞と新人賞の2
部門からなる。



年間最優秀の写真集に選ばれたのが ブラジル人の
Rosângela Rennó さんが自費出版でだしはった
A01 [COD.19.1.1.43] ― A27 [S | COD.23]



どんな写真集かのさわりがvimeoに動画がある。ブラ
ジル語の説明
などを自動翻訳してみると、リオ·デ·ジャ
ネイロ市にドキュメントアーカイブがあって、1903年
から1950年の間、公式カメラマン とその子供たちが
撮影した写真が盗難にあったらしい。

それをRosângela Rennó さんが何割か再構築していった、
写真集らしい。いつか出版されないかな。自費出版に賞を
あげるとは、渋い。例えていえば、芥川賞は自費出版の小
説にはいかないやろう。



この賞のベスト10にノミネートされたうち2つの写真集が
日本人でAKAAKA舎のものだった。インパクト強烈な2冊;
・志賀理江子「螺旋海岸 album」
・大橋仁「そこにすわろうとおもう」
世界でも評価されてるんやなぁ。


新人賞の方は、自費出版が目白押し。大賞をとったのは、
ÓSCAR MONZÓNさんの『KARMA』。マドリードで、4
年間にわたり、車と人の関係を追ったもの。95ユーロで、
世界配送無料。

NY写真出版社「Aperture」展

2013-12-10 | photo
恵比寿のPOSTが取り上げた出版社が今回はニューヨークのAperture。まと
まって写真集をみることがなかったから、とても興味深かかった。

予想外だったのがアメリカの派手な写真などなく、内省的といっていったら
いいか、じっくり向き合うような写真集が多い。ヨーロッパの出版社の様だ。



それと、アンソロジー。オランダやラテンアメリカ、といったテーマに基づ
いて写真をセレクトした写真集も数多い。

1952年に写真家とライターによって「写真における発展のための共通の場」
を目指して始まったそうだが、非営利団体というのも驚き。第二次大戦後の
早い時期にそんな動きを初めていたとは。

ディレクターであるレズリー・マーティンさんのインタビューがPaper Sky
のサイト
にある;

「絵画や彫刻といったほかの表現方法にくらべて、写真は、現代人なら誰も
が親密な関係をもつ、唯一のビジュアル共通言語。詩的で美しい表現もあれ
ば、実用的な使いかたもある。これが正しいというやりかたは存在しない。
その柔軟性が写真の最大の魅力です」




当初は雑誌『aperture』の出版だったそうで、その全集もでてるみたい。デジタル
版でたまにとる。60年代から写真集の出版に力を入れるようになったそうだ。

それもかつては1年に25冊出版していた写真集が、12~15冊に激減しているそうだ。
出版界をとりまく環境が急速に変化していることが原因。でも彼女曰く、

「写真というメディアはどんどん広がりを見せ、オーディエンスの写真に対する
関心は高まっている。エキサイティングな時期でもあります」


日本人では川内倫子さんの『Illuminance(イルミナンス)』『あめつち』を
出版しているね。

祝!国立・ギャラリー「◯ミ」オープン

2013-12-09 | art
いい意味で驚いた。岡山に引っ越した匙屋のあとは、通り沿いが
Unicorn Bakeryっていう焼き菓子やになり、奥の方でギャラリー
「◯ミ」
を始めるって案内をいただく。

若い女性の店主 福田さん、竹内さんから「最初はおじいちゃんの
リースをやりますから、お越しください」って聞いた時は、クリ
スマスシーズンの贈り物程度に思ってた。



その大きさ、生命力、野性味あふれるリース、こんなの見たこと
ない。山でいろんな草木を集めて、ガシガシ縛るらしい。

野外活動家・美術家の二名良日(ふたなよしひ)さんの作品。滋
賀、兵庫、淡路島などの山をフィールドに、作品を作るそうだ。

もともと子どもたちと野外キャンプをやっている時に、草木を持
ち帰りたいって希望に、応えるために生み出されたものらしい。



これは、面白い。大きい方はちょっと存在感がありすぎるけど、
小ぶりの方なら、家に飾れそう。それでもかなり大きいけどw

柊のリースをいただいて、飾ってみる。大きさがわかんないから、
リンゴを置いてみるね。



二名良日さんは早稲田大学哲学科で探検部。冒険野郎だったみ
たい。そうとう大きなインスタレーションも作るそうだ。また
「◯ミ」に来るそうだから、会ってみたい。

祝!自宅週末店舗「ひとひとて」オープン

2013-12-08 | tokyo
この9月にオープンした「焼き菓子や ひとひとて」
遊びに行く。立川にある、けやき並木が美しい通にり面し
た一軒家に今春引っ越してきた、小野木淳さん、横山美里
さん夫婦がリビングで始める。



土・日・月の3日間だけ、1Fのリビングを店舗にしてるの
ね。有効活用っていうより、2毛作といえばいいのか。近
所では国立の谷保駅の「will cafe」がその先駆者(?)で、
自宅のリビングダイニングが、金・土・日だけカフェになる。

自宅の一部屋を店舗にしているケースは数多いと思うけど、
二毛作タイプってそう多くはない。週2回生活空間と店舗空
間の切り替えをするわけやから、面倒っていえば面倒。



そのかわり、新鮮かもね。家賃が別にかかるわけではない
から無理しなくて、好きなことができるだろうし。

小野木さん、横山美里さんはとても楽しそう。この昭和に
建てられた一軒家を見つけた経緯とか、いろんな話にもり
あがる。



今回遊びに行ったのも古着をリユースしたバッグ作りの
「berg」というブランドをやってはる、やまちゆかりさ
んが、12/7~10に個展をやるって案内もらったから。

洋服の90%って、捨てられるとリサイクルされないで燃
やされるそうだ。彼女はそんな古着をリメイクしたり、
バッグやアクセサリーにしてはる。

だから、どれも1点もの。程度がいいのか、洗いもいいの
か古着屋のような臭いもなく、新品みたい。彼女の腕と思
いが、古着を蘇らせている。



ゆかりさんと、美里さんは国立の野菜料理カフェ「トピナ
ンブール」
のスタッフ仲間。ここも雰囲気のいい一軒家。
生活する場所、仕事する場所ともにこだわってるね。

ゆかりさんは料理のプロでもあるわけで、「住」もやれば
「衣食住」制覇だねと水を向けると、いろいろ夢があると
か。楽しみやね。

八木麻子・ガラス展

2013-12-07 | art
八木麻子さんのガラス展が近所の黄色い鳥器店で始まったので、
見に行く。12/15まで。

八木さんがまだムサ美の大学院生だったころ、色と形に魅せられ
た店主・高橋ちえさんがデビュー個展を開いたのが2年前。



それ以来の2回目のガラス個展。食器、花器、アクセサリーと広が
るなかで、八木さんスタイルが確立しつつある気がする。



彼女が取組むガラスの作り方は、膨らましたりしないから、曲げ
ることがあまりできないらしい。削る、磨く、色づけるがベース
とか。その制限があるから、独特のスタイルが生まれる。


アクセサリーが壁に刺さっている

アクセサリーも気になったけど、花器を買って帰る。冬の部屋が少
し明るくなる。


中藤毅彦・都市をめぐる旅

2013-12-06 | photo
11回目のOpen Show Tokyoの二人目は中藤毅彦さん
初期の個展で東京の夜を発表して以来、海外の諸都市を
写し歩いて来はった。

来年はその写真集を発表予定なので、そのいくつかを
お見せしましょうっていう事前の打合せだったのが、
どんどん写してくれはって、とても多くの都市を見る
ことができる。



中藤さんの惹かれる都市は、大きく変化があるところ。
変わるところと変わらないところ。この何年で都市化が
進んだので、もう見られなくなった光景を撮れたことを
喜ぶコメントが端々に聞かれる。



バンクーバーではなく、ブカレスト。パリならカルチェ・
ラタンではなく、北サイドの観光客が行かないところ。

2001年発表のWinterlicht (ドイツ語で「冬の光」の意)
東ヨーロッパの旧社会主義国家の諸都市から始まる。
キューバ、ニューヨーク、ロシア、サハリン、上海。街や
人々をさまよいながら、その断面を切っていく。



パリで2つ個展を開催して帰国したばかり。書店ギャラリー
LE PLAC`ART PHOTOでの写真展「Paris」ならびに写真集
「Paris」の発売、「MIND`S EYE-GALERIE ADRIAN BONDY」
ギャラリー1階で「Sakan.Matapaan-Hokkaido」地下で「
Enter the Mirror」の2シリーズの展示。

どうしてパリで初個展ができたかの話もとても面白かった
し、写真集「Paris」の変わった体裁にもとても刺激をうける。



2次会に流れた人たちの中には、パリ月間に行った写真家が
3人もいて、いつまでも話が尽きなかった。

小川和宣・ネパール再び

2013-12-05 | photo
今年最後のOpen Show Tokyoを開催。とても多くの方が来て下さり、
今年一番賑わった。半数の人たちが2次会に流れたし。終わりよけれ
ばすべてよし、ということでw

ここなどでお知らせしたように、ネパールを撮りためはって今年初個
展、第二の個展で発表された小川和宣さんと、「Sakuan,Matapaan-
Hokkaido」で今年の東川賞特別作家賞を受賞された中藤毅彦さんを
お招き。



まずは、小川さんのネパールのこと。全作品をざっと流しはった後に、
1枚1枚丁寧に説明していく。高度900メートル級のポカラから始まり、
世界最高高度にある寺院まで、何度かネパールに通う。



高度が高いところばかりで、さすが山岳国家なんだなと思う。そもそ
も小川さんがネパール行きを思い立ったのが、その3900メートル級と
いう世界一高いところにあるヒンドゥー寺院・ムクティナートへお参
りすると、公私ともに落ち込んだ運気がよくなるのではと思ったから
だとか。



ジープに乗り、山中を目指したそうだけど、中は撮影禁止。仏教徒で
参拝可能だそうで、小川さんは運がしたと言ってはった。自分がつい
てるって思うことが、運を呼ぶって気もするからね。

ネパール語で「きみ、かわいいね!」を意味する「カティ・ラムリ」を
連発できるようになって、かわいい人や綺麗な人をたくさん撮ったり、
再訪して探しにいったりしている。



お金持ちの家に招待されたら、娘さんがミス・ヘヤコンテスト5位だった
とか。次回のネパール行きでは、彼女に会いに行ってほしくなる。そん
なストーリ性をもつ写真群だった。

木村拓「Glasshouse(温室)展」

2013-12-04 | photo
写真家の木村拓さんが写真集『Glasshouse』を発表し、
COW BOOKS南青山で写真展が9月に開かれたのは逃し
たんだけど、恵比寿POSTに見に行く。12/5終了。



木村拓さんは長年、海外の温室を撮影してきた方。今
回はキューガーデンを中心にイギリスの温室に絞って
はる。



古い温室って味がある。植物が建物に映えるというか、
建物にまとわりついているというか。人が使う建物や、
動物園だって、わりと生きものが主なんだけど、植物
園の建物や温室っていいなぁって再認識させられる。



温室へ行きたくなる。吉祥寺、井の頭植物園温室が60
年の幕を閉じたのは行きそびれてしまった。写真家に
とっては撮りたくなるテーマ。


西岡潔さん 高知・牧野植物園温室


エバレット・ブラウンさん シドニー植物園

初体験・二人乗り電気自動車

2013-12-03 | その他
横浜の日産本社が横浜市と共同で、二人乗り
の電気自動車を実験的に公道で走らせている。
チョイモビっていう名称だ。



停留所っていうのか、無人ステーションにあっ
たから、連絡してみる。

すぐには乗れなくって、講習を受けてからだ
と。横浜に行く時にあわせて、講習会を予約
する。無料。

6人が生徒で簡単な説明会みたいなものを受け
る。30分くらいの講習を受けたら、実技へ。
公道に出る。3台一組で付近を一周する。



屋根付きバイクって感じかな。両サイドに窓が
ない。四輪だから、屋根付きゴーカートに近い
かも。

バイクほど軽やかな印象はない。重力は軽いは
ずだけど、運転して楽しいって感じは残念なが
らなかった。他の二人は楽しいって言ってた。

日産製かと思ったら、親会社のルノー製。クラ
クションが小さい音と大きい音と2種類あるの
には笑う。

ガルウィングドア(gull wing door)。「カモ
メの翼」の意味だけど、うさぎの耳みたいでか
わいいw 車体自体小さいしね。



実技も終わるとカードを発行してくれて、後は
横浜市内なら高速道路を除けば、どこでも運転
可能。1分20円だから、1時間1200円。タクシ
ーよりかなり安い。

日産本社からランドマークタワーまで行こうっ
って思ってたので、ネットで空き状況をみると、
近くには1台もない。残念。



朝日新聞の記事(11/19付)によれば、10/11
から始まった実証実験の利用登録者は、1カ月
で2700人を超えたそうだ。

吉田六郎・雪の結晶撮影

2013-12-02 | 映画
雪の結晶などを研究した故・中谷宇吉郎博士のことを書い
時に、博士と雪の映画制作を行い、雪や結晶の撮影に生
涯を尽くされた吉田六郎さん(1919~95)のことに触れた。

どんな方だったのかとアマゾンで探すと、谷川俊太郎さん
が詩をつけはった絵本『きらきら』が出てるのでゲット。



きれいだね
てんから おちてきた ほしみたい

きれいだね
とっても ちいさい ほんとうは

微笑ましいなぁ。写真を眺めているといつのまにか、
雪の結晶が大きいものにイメージしていることに気づ
かされられるから。



吉田六郎さんは戦争高揚映画を作っていた日本映画社
に入社(1943)。戦後改組させられ、新生・日本映
画社に生まれ変わる。

若かった吉田さんは中谷宇吉郎の北海道大学低温研究
所に派遣されたのが、新しい運命の始まり。霜の結晶
を映像化した『霜の花』の製作に取り組む中で、企画
製作の東宝映画部が争議のため製作不能に。

撮影、製作チームの吉野馨治さん、小口禎三さん、吉
田六郎さんは日本映画社から機材を借用し、自費を出
し合って、零下10度の北大低温研究室にて立てこもり、
ついに完成したそうだ(1948)。すごい情熱。20分もの。



音楽は後にゴジラ映画に携わる伊福部昭さん。 英語版
をオスロ国際学術会議に出品したり、朝日新聞文化賞を
受賞している。たまに上映会が行われているから、観て
みたいなぁ。



中谷宇吉郎博士はこの3人(吉野さん、小口さん、吉
田さん)や岩波書店小林勇さん、共同通信の記者・羽
仁進さんら共にその翌年、中谷研究室プロダクション
を設立したんだね(1949)。

翌(1950)年には岩波映画製作所となる。写真家名取洋
之助さんが参加し、岩波書店の「岩波写真文庫」の制
作を担当していく。このあたりはまたいつか。



吉田六郎さんは科学映画監督として活躍。監督・演出・
撮影を一人でこなし、教育・科学映画史に残る作品を数
多く手がける。低予算のなかで、制作する方法を見いだ
したというか、確立していきはった。

『雪・結晶の観察』(1960東映)で「1光源2色照明法」
も開発。雪の結晶の標準的撮影法として定着しているそう
だけど、特に雪の結晶の中心部にあ る気泡の形の美しさに
ひかれて撮影したそうだ。

撮影は大雪山のふもとのの勇駒別荘に長期滞在し、雪洞の
中で行われた。方法を確立するとか、結晶のためなら寒さ
を厭わないとか、博士の薫陶を感じる。


勇駒別荘で撮影する吉田六郎さん

中谷博士没後も雪の結晶の写真を撮り続け、1000 点を超
える作品を遺している。