やまねこマッサージ

ねがうこと、ゆだねること

足立喜一朗[never die]展

2013-01-21 | art
足立喜一朗さんの新作展が表参道と丸の内で双子開催されている。
両方みて完成なんだろうけど、表参道の方を hpgrpへ見にいく。

MOTの「SPACE FOR YOUR FUTURE」で話題になった、e.e.no.24
と言われて思いだした。建築からデザインまでなんでもありのそれ
こそ自由な企画展で見たことを。


今回は明礬(みょうばん)が結晶する性質を使いながら彫刻作品を
初めて発表したもの。明礬って知らなかったけど、染色剤、防水剤、
皮なめし剤、沈殿剤とかで使われ、岩絵の具の画材としても使われた
古くからの物質で、結晶化して水晶の様になるらしい。



骸骨、シャンゼリア、アクセサリーといった型を作って、その中で
結晶していく過程に手を加えていくそうだ。制作現場の写真も拝見
したけど、美しくて面白そうだった。

結晶がきらきら光って、死のイメージが死後と連なりながら、動的
な感じがする。足立さん曰く「結晶が僕に伝えることをは生も死も
どちらも美しいということです。」

なぜなら結晶は過飽和状態が続く限り成長を続けることに「生」を
感じる一方で、結晶が地層のように年月かけて積層されていくことが
「死」そのものだと感じているからだ。



写真はこちらから。1/27まで。

風姿花伝 観世宗家展

2013-01-20 | art
能の世界は面白さがまだよくわかんない。たまに観に
いったり、ある時など能や謡曲をやってはる方に一緒に
観にいって下さってコーチまでしてもらったのに・・

東映の西澤寛さんが観世宗家26代目とアニメの声優を
依頼したのがご縁で、このたび観世宗家が代々守って
きた能に関する貴重な品々の企画展をプロデュースし
はっとお聞きし、松屋銀座に見にいく。



なんといっても能面。いろんなタイプの能面が飾られ
てあり、なかには裏側からみることができるようにも
なっていた。

能面は能役者の精神の核である。いわゆる「仮面」では
ない。能面こそが真実のオモテの顔であり、人間の顔は
それに従属するものである。

すごいなぁ、その考え方・・って能面をみていると、
「桧垣女 ひがきのおんな」っていう老女の面があるでは
ないの!世阿弥が美しさゆえに罪を負わなければなら
ない女性の運命を描いた〈桧垣〉から名前をとったそ
うで一気に親近感がわく。別に先祖でもなんでもない
けど(フィクションだからね)

髪は白髪まじりだけど、皺を掘らないことによって
美女の名残を残したとか。観世宗家の桧垣女の写真
は見つからないので、ロシア語のサイトでみつけた
桧垣女の写真を載せとくね;



能の面は桧の木を掘ったとか、そういえば能舞台は
桧舞台ともいうし、自分の名字に関係することが目
につく気がしていると、「桧垣」と描いてある美し
い和本が展示してある。



光悦謡本「桧垣」。江戸期に作られたモノだそうだ。
こんどは名字ズバリで、ますます気をよくしていた。
相変わらず能のことはわかんないんだけどね。

日本の新進作家 vol.11 その2

2013-01-19 | photo
昨日の続き。蔵真墨さんは東海道に何度も足を運んで
スナップ写真の王道をいく。担当キュレイターの笠原
美智子さんによれば、アンリ カルティエ=ブレッソン
が『決定的瞬間』を切りとったのとは対極的に、どこ
にでもある日常に目をむけている。


「蔵のお伊勢参り」より京都府 京田辺市

白黒写真だと「必要以上に良いものに見えてしまうん
です」と、カラーで撮っていったそうだ。どうして、
この瞬間を選んだだろうって考えながら見ていた。
この作品のブログがこちら。一緒に旅ができるかも。

北京に在住している菊池智子さんは、トランスジェン
ダーやドラッグクィーンをドキュメンタリーとして撮
り続けている。


《鏡の中のサンジェ、北京》 2006年

2006年頃まで日陰者だった彼らが、この2,3年表社会
にでて大活躍しているとは驚く。セクシュアリティのこと
も中国は大きく変わっていっている。

笹岡啓子さんは海岸線の風景を全国撮ってはる。写真の
なかには小さく釣り人がいる;


Miura Kanagawa 2003

311の後、東北に行くと徐々に釣り人が戻ってくるのを
みかけると、ほっとするそうだ。311の前の写真も、
後の写真もある。

写真展の概要はこちら。1/27まで。

日本の新進作家 vol.11 その1

2013-01-18 | photo
写真美術館で開催されている日本の新進作家展
今年で11回目。去年見にいって、面白かったし、
ここで作品が気になった北野謙さんにOPEN SHOW
TOKYOに発表いただいた。

本展は写美のキュレイターが持ち回りで担当する
そうで、それならばと今年担当の笠原美智子さん
が、フロアレクチャーしはるのを聞きにいく。

5人の女性写真家が選ばれていた。印象に残っ作品を
まず二つ紹介すると、最初が大塚千野さんのダブル
ポートレイト。

ご両親に撮ってもらった昔の写真に、今の自分
をデジタル処理によって挿入していく;


Imagine Finding Me 1982 and 2005, Paris, France

もしも、
また、
会えるなら、
聞きたいことがたくさんある。
伝えたいこともいっぱいある。

彼女の人生に思いを馳せながら、自分の過去をゆっくり
思い出す、私小説の様な作品。

田口和奈さんは雑誌写真の複数から選んだモチーフを一度
ペインティングをして描いたものを撮影してプリントする
という手法の作品。不思議な立体感とエロスに襲われる;


《窮迫の、深みの》 2009年

「棕櫚の日曜日」写真展

2013-01-17 | photo
福島民友新聞社のカメラマン、矢内靖史さんが
福島を撮った写真展を銀座ニコンサロンに見に
いく。(1/29まで)

棕櫚(シュロ)の樹が必ず入っている。報道写真
とは一線を画しながらも、311、とくに原発事故
とは切り離せない。



地震被害を直している写真、除線している様子、
除線して丸裸になった植木、除線して盛られた土、
ブルーシートで覆われたところ、あちこちに設置
されている放射線モニターなどが棕櫚の木と一緒に
写っている。



そういった非日常性のなかにある棕櫚の木がかわ
らぬ日常を示しているって感じる。遊園地にあそ
ぶ人達、満開になった桜も変わらない。日常に乱
入してきた非日常・・その両者の混在性がいまの
福島なのか。



矢内靖史さんが案内文に書いてはる;

この写真展を見た人たちが、現在の福島をどのように
受け止めるかについては、正直いって分からないし怖
い部分もある。ただ、わたしは福島で生まれ、これか
らも家族とともに福島で生きていくことを選択した人
間だ。被害者意識ばかりを持ち続けても前に進めない。
「復活」する福島をこの場から見届けたいと願っている。

阪神大震災から18年目。写真は彼のブログから。


いぬんこさんのイラスト

2013-01-16 | art
西荻窪続き。生活雑貨のgalalie nonは開業10年だそうで、
京橋にもこの冬に支店をだしはったそうだ。パチパチ。
普段着使いの、雑貨、衣服、食器、家具をセレクトして
はる。

CDコーナーもあり、西荻の「雨と休日」で買った、
サティのアコーディオン演奏版が売ってたので、あち
らで買った旨伝えて、盛りあがる。

面白いイラストのポストカードを買う。お店の方が
教えてくれんだけど、大阪からテレビの仕事が忙しく
なって、西荻窪に引っ越してきた、いぬんこさんの
作品だとか。



ご夫婦でイラストレータだそうで(奥さんはチャンキ
ー松本さん)二人で青空亭という仕事場を持ってるそうだ。



とっても目立つかっこうの夫婦だそうで、見たくなく
てもすぐ二人ってわかるらしいw チャンキー松本さんの
サイト
にその片鱗を示す写真が!



調べてみると、いぬんこさんはNHK子ども番組の
シャキーン!」のイラストを担当しているんやね。



「あくまで高尚で ない東洋的な挿絵を描き続ける人」と
して存在したいと精進中、とプロフィールにはある。
いろいろ見てみたいなぁ。


古民家を生まれ変わらせたお店

2013-01-15 | 建築
先日の、西荻窪に行った時の夜のこと。ゴハンを食べようと
ぶらりと行った2軒とも満席で驚いた。おいしそうな店構え
だったんだけど、連休始まりの土曜日、満員とは。西荻窪は
夜も盛りあがっているね。

それで、群言堂っていって島根の石見銀山を拠点に服飾などを
全国に展開しているところが、西荻窪の古民家を改造したって
聞いたので、食べにいくことに。

南口の路地に入ると飼い猫がすりよってきて、招き猫役みた
い。西荻窪店はりげんどうというそうで、本業の洋服、
雑貨、食品を販売するとともに、食事を提供している。



昭和初期の住居跡で蕎麦屋さんがそのまま営業したものに、
大改装を加えたそうだ。島根の設計・工務店集団がアパート
暮らしをしながら、屋根、壁、床、天井、建具、照明から
庭にいたるまで、すべてに手をいれて、生まれ変わらせた。


改装前の元蕎麦屋後の様子

その記録はここらに載ってるけど、丁寧な仕事ぶりに、新し
い建物にいる感じはほとんどなく、懐かしい昭和初期の雰囲
気を味わうことができる。



テーブルは友禅の染型の板に島根の廃線になったレールを
脚に取り付けたモノで、椅子はイギリスやフランスの小学
校の古いもので、彼らの身長(座高?)の高さに驚く。



お食事は素敵な器に盛られて、美味しかった。フレンチや
イタリアン風なものもあったので、聞いてみると板さんは
フレンチでも修行をした方とか。

雪見酒の新年会

2013-01-14 | その他
午後から雪がって予報を目にしたときは、まだ大雪になるって
思ってなかった。夜から降るんやないから積もらないだろう位。
都心へいく用事を車で行こうかなって思ってた程度。

それが昼前にはあっという間に積雪が始まり、車によっては
チェーンを填めている・・スタッドレスの車も多いかも・・
って思うと、車で行くことは諦めというか打合せ自体延期に。

でも新年会には向かう。地元だから問題なく決行。雪道のなか
を歩くのは気持ちがいい。鳥たちをたくさんみかける。雨とは
違って気にならないどころか喜んでいるのかも。



オメデトウの乾杯に始まって、よく飲んでよく食べた。ワインが
数本あき、日本酒も飲み、お口直しはビールっていう有様で泥酔。

話題はこの冬休みの話から音楽、アート、演劇の話に盛りあがる。
昔の話から将来の話。欧米から新興国の話まで、縦横無尽というか
侃々諤々というか・・



日本政府がゲリラ地域の武器を減らそうと買い上げ政策を実施した
ら山のように売りに来た・・まではよかったけど、買ったおカネで
新しい武器を買った・・というやら。

機械と人間の関係。車でいえば、運転の自動操縦はどこまでいくの
だろうっていう話は人間にまかせておく方が機械より危なっかしい
という考えが底流にあるかもしれないって話やら。

海外にSkype等電話したり、外にでて雪を眺めながらワインを飲んだり、
いつまでも続きますようにってみんなで祈ったり・・ごちそうさま!


ちょっと遅めの鎌倉初詣

2013-01-13 | カルチャー
恒例の初詣を鎌倉へ。いつもは新宿回りで湘南ラインを主体に
鎌倉まで行くんだけど、趣をかえて町田経由で藤沢から江ノ
電に乗っていく。。

乗換とか慣れない駅がちょっと新鮮だったけど、なんせ江ノ
電からの眺めが最高。湘南の海に雪に覆われた富士山。ずっ
と乗っていたくなる。

その効果(?)があったのか、お参りした極楽寺でひいた
おみくじが大吉やった。長年お参りしたけど大吉は初めて。

凶だった時があり、これが最低でこれから良いことばかりあ
りますよ、ってお寺さんで言われた。大吉はここがピーク!?
だと困るので、大吉に浮かれることなく、楽しく今年もいきた
なって思う。あらためて今年もよろしくお願いします。



「パパスノエル」で美味しいランチをいただき、いくつかのお
店をひやかしでのぞく。「鎌倉コケーシカ」へ行くと、オーナー
でもある作家、写真家でもある沼田元氣さんを見かけたり、
服の縫製販売のおみせ「Nui Nui 1st」が閉まってたんだけど、
「なると屋+典座」に食べに行ったら、オーナーをお見かけ
したりと大吉効果がちらほらとw

でもその最たるモノは開いてる時に行ったためしがない、
はちみつや、その名も「鎌倉はちみつ園」が開いていたこと
かもしれない。



お茶の水博士の様な頭をしたおじさんが丁寧に説明くれはった
ので、コーヒー蜜とレモン蜜を買う。どうして蜂は同じ種類の
花から蜜を集めるのか、他の花に寄ってみようという浮気心は
どうしてわかないのか、それとも網とか張って他の花に行かな
いようにしているのか、って長年の疑問・・ていうか調べれば
いいだろうけど、ほってあった疑問がむくっと湧いてきたのね。



はちみつ専門店だし、お茶の水博士みたいだしwこれは幸と尋ね
てみた。するとあっさりと、蜂にはそういう習性があるとのこと、
そして巣の中でいろんな花の香りがまざることは嫌いなんだろう、
と。習性なんだ・・まだちょっと納得してないところもあるけど・・
例外があるんとちゃうかと・・でも初心者には十分なお返事やった。

写真はこちらから。

CDセレクトショップ「雨と休日」

2013-01-12 | カルチャー
西荻窪のCDセレクトショップ「雨と休日」プレゼント
として
もらったり、ロバライブに参加してもらってて、
気にはなってたんだけどようやく行く。

オーナーの寺田さんが一人でやっているお店。10年間
CDシュップに勤務した後に始めはった。「穏やかな音
楽を集める」ことをコンセプトにセレクトしてはる。



お店で売ってるCDは全曲彼のコメントがつき、いつ聴く
にふさわしいかという、カテゴリーで分類されている。
day、night、rain、bookといった具合に。

その上iTunesに入れて整理してあって、全曲聴くことも
できる。だから彼のセレクトを次から次へと聴いていく
のにはまるし、とても贅沢な感じ。



プレゼントしてもらったグレングールドのバード&ギボ
ンズ:作品集
もあったし、ブラームス間奏曲集がある。

グールドの好きな言葉「芸術の目的は、アドレナリンの
瞬間的な放出ではなく驚きと穏やかな心の状態を生涯か
けて築いてゆくことにある」をまさに寺田さんはお店を
通じで実現していってるのではと思う。

悩んだ挙げ句、次の二つを買う;

サティ:スポーツと気晴らし・・サティをアコーディオン
で弾こうという意欲的な作品集。

アルヴォ・ペルト:アリーナ ・・静謐で美しい現代音楽。