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ねがうこと、ゆだねること

しりあがり寿「真夜中の弥次さん喜多さん」

2013-02-27 | エンタメ
映画「真夜中の弥次さん喜多さん」の原作しりあがり
寿さんの漫画も読む。「わけわかんない話」がゆるゆ
る、うだうだ、あるときは激しく物語が進む。

主人公、弥次さん喜田さんへ感情移入しにくい漫画だ。
ホモ達の愛に共感しにくいというのではなく、設定や
登場人物がはちゃめちゃだから。



しりあがり寿さんの心象風景というか、自由に飛び跳
ねる発想を楽しむタイプのフィクション。シュールレ
アリズムの作家達が喜びそうな・・でも日本のことに
関する注を相当つけないと外国の人には面白さは伝わ
らないw

リアル=現実と思いこんでいる世界のできごとだって、
自分の思い込みや幻想から離れられないとしたら、もっ
と自由に発想したっていいんだって気になる・・



映画にもなったけど、天野天街さんという方が芝居にし
た方が先だった。「百人芝居◎真夜中の弥次さん喜多さん」
2002年名古屋初演、2003年には北京、ハルピン、重慶と
中国公演、2004年には東京、2005年には名古屋再演があ
ったそうで、観てみたい。

天野さんとしりあがりさんの2005年の対談が残っていて
しりあがりさん曰く、

僕はね、もともとアニメではなく、特撮が好きなんですね。
アニメはリアリティを放棄しているじゃないですか。でも
僕は、ウソでも何かしらリアリティを表現したい。そこに
こだわっているのね。天野さんの芝居も、ありえないシチ
ュエーションなのに、そこにある感情があって、なつかし
かったりする。その方がリアルだと思うんだよね。ただの
でたらめじゃない。テレビドラマなんて単純すぎる。好き
だったら好きという感情しかその人にはないみたいな。

本作でも主人公達がリアルに言及したり、リアルを求めて
いくんだけど、夢か幻覚か事実か最後まで混沌としている。



「自分でもどうなっていくのか分からない」漫画を書き
たかったそうだけど、その手法を好む書き手は少なからず
いる。スティーブン・キングもそうだし、小説家には
いるとは思うけど、漫画では少ないのかな。

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