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ねがうこと、ゆだねること

国語の橋本武先生を悼む

2013-09-11 | 
高校の国語の橋本武先生が亡くなられた。9月11日19時42分。
101歳。大往生だと思う。神戸の病院に入院されてて、同級生
が何人かお見舞いに行っていて、訃報の連絡が来た。翌日には
マスコミで報じられた。

国語の授業って毎日の様にあったから、6年間毎日の様に先生の
授業を受けていた。もっと真面目に受けておけばよかったって
思うのは卒業してから。それでもなんとか国語の力というのか
文章の力があるとすれば、先生の授業のおかげやと思う。不出
来な生徒やったけど、先生ありがとうございました。



ここにも書いたけど、中学の3年間は中勘助『銀の匙』だけを読
み込む授業だった。とても変わってるというかユニークな授業。
そういう授業をしたいと思ったのは先生が駆け出しの新米教師
だった頃、「生涯記憶に残るような授業がしてみたい。そのた
めには(中略)一生懸命に自分流を打ち出すことに努めた。」



正月明けには、百人一首大会が毎年行事だった。先生が日栄社
から出版している『百人一首』をテキストに競った。全部覚え
ている猛者も何人もいたけど、ボクは好きな和歌が毎年増えて
いくって感じで楽しんでいた。



この日栄社からの古典翻訳本はシリーズとして出版されていく。
最初は『徒然草』に始まり、『枕草子』『伊勢物語』『更級日
記』と続く。高校生に古典を全文読んで欲しいという願いから
マンガの様なイラスト入りというのも面白い。初代のイラスト
レータ永井文明さんは鬼籍に入り、2代目の丘あつしさんも
亡くなられたので、シリーズが止まった。



宝塚にも熱中され、多いときは年間150回行かれたそうで、多
くのタカラジェンヌから好かれたというか慕われているのは、
かっこよかった。給料の大半をつぎ込んでいた時期があるの
かも。

国語の教師を50年勤められて引退され、文化教室で『源氏物
語』などの講師を続けながら、『源氏物語』の現代語訳を完
成しはったことは、ここに書いた通り。数年かけて活字にも
なったとは正に偉業。

先生はそんなに年齢の不安は感じなかったそうだけど、「仕上
げてみると、よくぞ命が与えられていたと、神仏祖霊にご加護に
ひれ伏す思いは拭えない。」と思われたそうだ。

そんなもったいない『源氏物語』は本棚に積んであるから、読ま
ねばって思う。



フジテレビのアナウンサーで、神奈川県知事になられた教え
子の黒岩祐治さんが『恩師の条件 : あなたは「恩師」と呼ば
れる自信がありますか?』を著しベストセラーになったのが
2005年。


100歳の誕生日の前月、『世界一受けたい授業』にご出演。ぜんぜんお元気。。

先生がマスコミで多く取りあげられ、国語論や教育論などの
本を何冊か書かれる。先生のことを思い出すたびに、教わっ
てたころの哀しくて甘酸っぱい感じが甦るとともに、宇宙的
視野でみなさんは活躍して欲しいという強い挨拶を思い出す。

折しも911の追悼式が米国内外で開かれていた。先生の安ら
かなご冥福を祈ります。

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