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ねがうこと、ゆだねること

江戸時代の妖怪ブーム

2013-08-04 | 歴史
NHKBS歴史館を見てたら、妖怪ブームが江戸時代に
始まったことを、様々な角度から検証していて面白
かった。

出演の文化人類学者で妖怪学の小松和彦さん、荒俣
宏さんの二人は妖怪と鬼に関して2冊共著がある仲、
それに磯田道史さんと渡辺真理さん。

江戸の妖怪ブームは1776年発行の「画図百鬼夜行」
が火付け役らしい。描いた鳥山石燕が狩野派ってい
うのも意外。


高女(たかおんな)

当時の出版文化の隆盛が背景にあるなか、妖怪物の
先駆けになり、妖怪図鑑としても画期的で博物誌的
関心の高まりもみてとれるそうだ。

特産物を集めた展覧会が江戸で始められた時期で、
各地の特産物に混じって、人魚の骨、双頭のヘビな
んてものも展示されたとか。

妖怪を楽しむことが粋だったらしい。ヨーロッパが
悪霊として対峙・退治すべき対象だったのとは異な
り、一緒に遊ぶ生きものだった様だ。妖怪グッズ(
かるた、花火など)も盛んになったそうだしw

それと同時に妖怪をかりて幕府批判もされていたっ
ていうからかなり高度。天保の改革で華美な祭礼や
贅沢・奢侈が禁止されるなか出版規制で妖怪物も
取り締まられれも、歌川国芳はひるまなかった;


源頼光公館土蜘作妖怪図

奥の妖怪たちがいるが、実は天保の改革の被害者
を表しているとか。芝居はいいだろうと、東海道
四谷怪談が生まれ大ヒット。


葛飾北斎『百物語』 お岩さん

この芝居は東海道四谷怪談は、忠臣蔵の番外編だと
聞いて驚く。忠臣蔵に参加せずに一介の浪人に成り
下がって武士としてあるまじき悪事するわけだから。

江戸の精神文化の柱であった朱子学(儒教)と仏教
のほころびが妖怪の形で現れてきているという話し
も面白い。