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新刊「プルトニウム消滅!」のご案内

2012年07月22日 | 社会問題

運営委員の森中定治です.こんにちは.

最近出版した自著「プルトニウム消滅!脱原発の新思考」のご紹介をさせて頂きます.

6月20日に原子力基本法が議論もなく変更され “安全保障に資する” という言葉が入ったため,原発と核兵器の境界が薄れ,東アジアを含む大きな問題になっています.
アイゼンハワー大統領の国連総会での “Atoms for Peace” 演説以来,原子力の軍事利用と平和利用は,NPT(核拡散防止条約)の大きな壁によって遮られ全くの別物というのが公式対応でした.しかし,この壁が破れると,30トンもある日本のプルトニウムは数千発の核弾頭と化します.
今回の変更を,韓国も北朝鮮も非難しました.日本は北朝鮮とイランの原発(平和利用)を核兵器開発が目的ではないかと非難しますが,原発=核兵器となればその非難自体道理がなくなります.こんなドロドロの嘘ばかりの世界において,真の脱原発は核兵器の廃絶とパッケージでなければ非常に困難であることが分かります.そして,核兵器廃絶がなされなければ,人類の存続していく道はないと私は考えます.

殆ど知られていませんが,実際にプルトニウムを消してしまう技術を既に人類はもっていて,それゆえに核兵器の廃絶はお題目ではなくて実質的に可能です.プルトニウムや核廃棄物を地下に埋めて次世代に引き継ぐのではなくて,現世代が責任を持って消滅させることも十分可能性があります.

しかし本書は,核廃絶やエネルギー問題だけを論じた本ではありません. “人間が無知であること” をモンシロチョウの事例から証明し,その無知な人間がどのようにより善い社会を築いていくか,広く経済学,公共哲学,生物学を統合して, “人類のこれからの生き様” を論じた非専門家による一般向けの哲学書です.

哲学書と言うのは広い分野を統合して論じているからであって,読み難いものではなく,差し上げた殆どの方が非常に分かり易いとコメントしてくださいました.分かり易く楽に読めると思います.

私は,本書でお金とは何か,経済学とは何かを書きました.日本は人口1.2億,米国は3.1億,一方途上国の中国は人口13.4億,インド12.1億であり,巨大な人口をもつ国家が先進国に追いつけ追い越せと様々な方面から鋭意努力をしています.人間が努力することは必要であるし素晴らしいと思います.しかし,地球上で現在人間が利用できる水や食料や資源やエネルギーの量を考えると論理的にそれが本当に達成できるのか大きな疑問です.先進国が現状を維持し,途上国の人々が現在の3倍程度の生活レベルになると2.5個の地球が必要と言われます(本書の終章参照).全世界が明らかに達成不可能な,破滅への競争に突き進む前に,本書で私が提案した経済学的思考,目先の問題解決のためでも国家を含む個別の組織の繁栄のためでもない新しい経済哲学が,今後の全人類に必要不可欠であると私は思います.そして我々人類が心の底では何を望んでいるのか,どういう社会を築くことができるのか,その具体的な姿が見えてきます.根拠のない願望や空想ではない,人間の原点から論理的に導きだされる人類の未来の姿が見えてきます.

エネルギー問題だけではなくて,人類はこれからどういう姿になれるのか,それを見たい方は是非読んでみてください.

一般書店では殆どおいてないのでご注文いただくか,インターネット書店か展望社(出版社)から直接ご購入ください.

本書のご案内(展望社)
「プルトニウム消滅!」

【書名】プルトニウム消滅!脱原発の新思考【著者】森中定治【刊行】2012年6月22日【頁数】238 pp.【定価】本体価格1400円+税【ISBN】978-4-88546-242-9
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【目次】
本書に寄せて 小林正弥(千葉大学大学院人文社会科学研究科教授・地球環境福祉センター長),みちしるべ,まえがき
第一章 恐竜理論
K-T境界,恐竜理論,ネズミを捕るのに虎を飼う,現在の原発の致命的な欠点,プルトニウム・核廃棄物の処理方法を模索する
第二章 プルトニウム消滅!
古川和男氏との出会いと別れ,熔融塩原子炉(熔融塩炉)の特性,プルトニウム熔融塩とトリウム熔融塩,半分しか知らない原発,プルトニウム消滅!熔融塩炉の大きな目的,オバマ大統領のプラハ演説
第三章 エネルギーをどうするか
なぜ経済を考えるのか,お金とは何か?生命と富,収益と求心力,脱原発の新思考
第四章 公共の土俵に上げる
真実の色,公共の土俵に上げる,ポジション・トーク,科学と科学者,第一章から第四章までのまとめ
終章 環境なくして人間なし 人間なくして経済なし
人類の夢,人類の盾
あとがき
生命,そして人間の正義--最初の読者より 島田和子(株式会社JAIA代表取締役)