持続可能な国づくりを考える会

経済・福祉・環境の相互促進関係を!

持続可能な国づくりの会 理念とビジョン(画像をクリック)

  「理念とビジョン」全文                   ダイジェスト版                  

                    

中国人の公共マナー

2011年09月11日 | 社会問題
運営委員の森中定治です.

前回,元産經新聞の特派員で長く中国に滞在され,現在はフリージャーナリストの福島香織氏の講演から,中国の新聞報道における「天窓を開ける」について考えてみました.

今回は,彼らの公共マナーについて考えてみます.私の知り合いで,昆虫の収集と販売でしょっちゅう東南アジアへ出かけている人がいます.その人から昨日手紙が来ました.その手紙によれば,「溢れかえる中国人」と題して,バリのショッピングセンターに大型バスで乗り込み,大声を上げながら闊歩する.クアラルンプールのお土産屋に大勢で押しかけ,何時間も値切る.また,入国審査の列などでも隙あらば割り込もうとするなどと出ています.

福島氏のお話を聴いてから,中国人に関心をもつようになり,今,加藤嘉一著「中国人は本当にそんなに日本人が嫌いなのか」を読んでいます.また読み出したばかりですが.この著作によれば,日本人と中国人は全く逆さまだそうです.

日本人は,社会では他人の目を気にし,その場の空気を第一に考え,一歩引いた態度を取ります.一方家庭では,はめを外しくつろいで過ごします.独り住まいの独身男性など,部屋では下着一丁でくつろぎ,部屋が散らかり,ゴミが放置してあっても気にもしません.これは,社会で自分を殺して過ごすために貯まるストレスを,自宅で解消するためのようです.中国人は逆さまです.公共の場は奪い合いになります.逆に自宅は,自分だけの城で,大変きれいにするようです.これは,単にどちらが良い悪いということではなくて,長い歴史が,双方の社会における人間のあり方を培っていたと考えます.

マイケル・サンデル教授の国際白熱教室で,福島の人々が病院で避難の一夜を過ごした状況が紹介され,一夜を明かす人々が誰の指示や強制もなく整然と通路や階段の真ん中を開けて,縁で静かに休んでいた動画を見た中国の学生が,感嘆しました.このことから,中国人は,現在は日本人と逆さまではあるけれども,自分たちのやり方を正しいと,それを理想と考えていないことが分かります.

私は,どちらも一長一短だと思います.日本のやり方だけが全面的に良いとは思いません.大事なことは,自分と異質なものを頭から拒絶するのではなくて,理解することが大事だと思います.そこから,双方がより良いものに歩み寄っていけるのではないかと思います.