持続可能な国づくりを考える会

経済・福祉・環境の相互促進関係を!

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NHK「ちょっと変だぞ日本の自然Ⅲ」への違和感

2008年08月07日 | 環境
 運営委員の岡野です。

 先日(7月30日)NHKテレビの「ちょっと変だぞ日本の自然Ⅲ」を見ました。

 「ちょっと変だぞ」というタイトルにも内容にも違和感を感じましたので、自分のブログにも書きましたが、ちょっとだけ訂正して転載させていただきます。

 見ながら、「持続可能な国づくりの会〈緑と福祉の国日本〉」の原点である一昨年のシンポジウム「日本も緑の福祉国家にしたい!」の準備の時、小澤先生がビデを提供してくださって、スタッフのみんなでⅠを見たことを思い出しました。

 報道されている異変はもう「ちょっと変だぞ」というタイトルで取り上げるようなものではないと思われます(それはⅠの時から感じていることですが)。まずそこに違和感を感じました。

 あまりの深刻さに視聴者が引いてしまわないように、印象をやわらげる工夫をいろいろしているのかな、という感じはしましたが、しかし、危機というものは、やわらげて伝えるようなものなのでしょうか?

 もちろん過剰な危機感を煽るべきではありません。

 しかし、過剰な危機感を煽らないために表現をやわらげ、結果として必要な危機感を薄めてしまうというのはメディアとして正しい報道の姿勢ではない、事実としての危機への適切な対応を生み出すような適切な危機感を醸成すべきだ、と私は考えます。

 さらに可能ならば、あくまでも一つの提案として、適切な対応策の提案もしていいのではないか、と考えます。


 さて、話題の一つはこうだったと思います(見たばかりなのにちょっと記憶があいまいなところもありますが、そこは素人なのでご容赦を)。

 チベットの温暖化
 →高原の降雨量の減少
 →高原の草の草丈の低下と減少
 →高い草丈が抑えていたナキウサギのオスとメスとの出会いが容易になり、異常繁殖
 →草の減少の加速化・砂漠化
 →さらなる温暖化
 →アジア全体の気候に大きな影響を与えているチベット高気圧が大きくなる
 →日本上空まで広がってくる
 →上にはチベット高気圧、下には太平洋高気圧と二重の高気圧のために日本は猛暑になり、集中豪雨が増えている

 もう一つは、こうだったかな?

 シベリアの温暖化
 →永久凍土が溶けている+積乱雲が起こり雨が多くなっている
 →永久凍土の上側の地面が陥没する
 →そこに溶けた凍土の水と降った雨水が溜まる
 →草地だったところが湖になる+タイガ(広大な針葉樹の森)の木の根が水浸しになって枯れる
 →永久凍土の溶解が加速する
 →永久凍土に閉じ込められていた気体の約50パーセントを占めるメタンガスが空気中に放出される
 →メタンガスの温室効果は二酸化炭素の20倍にもなるので、温暖化はさらに加速される

 もう一つは琵琶湖の湖底の酸素の減少が加速しており、固有種が絶滅する危険がある、という話でした。


 ここで、私がもっとも問題にしたいのは、私たちの仲間である国立環境研究所の西岡秀三先生をコメンテーターとして迎えておきながら、発言の機会はごくわずかしか与えず、しかも「小さなことの積み重ねが大きなことになることがある」「一人ひとりが……」というコメントしかさせていないということです。

 もちろん先生としては「一人ひとりの小さなことの積み重ねも大切ですが、国の政治・経済のシステム全体が変わらなければ、根本的解決にはなりませんね」といったコメントをなさりたかったはずです

 「ちょっと変だぞ」、いや「すごく変ではありませんか? NHKさん」と感じました。

 そういう姿勢はもしかしたら過剰な「政治的中立性への配慮」から来ているのでしょうか?

 そうだとして、それは政府のためのメディアではなく、国民のためのメディアの取るべき姿勢でしょうか?

 あるいは、環境問題は資源の大量使用・大量生産・大量消費・大量廃棄という経済・産業システムをそのままにしておいても、政府や産業界や市民の努力の積み重ねと環境技術の進歩でなんとかなる、と認識しておられるのでしょうか?

 それは、違うと思います。

 といっても私は、NHKに個人的な投書をするつもりはありません。

 もっと国民全体の世論が盛り上がって、NHK、その他のメディアの姿勢が変わるほどの影響を与えるのを待つほかない、と思っているからです。

 ご覧になったみなさんは、どうお感じしたか。


この夏、北極の氷が消滅する?

2008年07月22日 | 環境
運営委員の岡野です。

 今日自分のブログに書いた記事なのですが、関係者のみなさんにもぜひ読んでいただきたく、以下掲載させていただきます。


 去年の7月から大本山永平寺の『傘松』という雑誌に「環境問題と心の成長」というタイトルで2年間の連載をしているのですが、昨日の夜、2年目に入った13回目の原稿のために、北極の氷の状態についてネット検索してみて、改めて「うーむ、こんなに進んでいるのか」と驚きました。

 「衛星画像&データ 地球が見える」というサイトの去年9月28日の記事には、「北極の海をおおう氷は、今年過去に例のない速度で減少を続け、最小面積の記録を更新し続けてきましたが……今年2007年9月24日に記録された425.5万平方キロメートルが衛星の観測史上最小面積の記録となりました。以前最小面積を記録した2005年……に比べ日本列島約2・8個分の氷が消失したことになります」とありました。

 ところが、今年6月28日のCNNのニュースでは、「地球温暖化の影響で北極の氷は今年の夏、9月までに消滅する可能性が非常に高いと、米国の研究者が警告した。……米国立雪氷データセンターの研究者マーク・セリーズ博士によると……数年前までは、夏に北極の氷が消滅するのは2050年から2100年ごろと考えられていた。最近ではこの予測が2030年ごろと見直されたが、現実にはこれを上回る速度で氷が減少していると指摘している。……現在の状況が続けば、北極から氷が消滅することは避けられないという」とのことです。

 つまり北極の氷は、去年は「観測史上最少」で、今年は「消滅」つまりゼロ、これ以下はないという「観測史上最少」になるかもしれないのです。

 「一事が万事」ということばがありますが、この一事を見ただけでも、地球全体としての環境問題がどのくらい緊急事態にあるか想像できるはずだと思うのですが、洞爺湖サミットで議長国日本を含め世界22カ国の首脳は、緊急事態にふさわしい緊急行動をする合意・決断をしたとは見えません。「待ったなし」と口では言いながら、行動は「待った・先延ばし」です。

 なぜ緊急対応ができないんでしょう?

 先進国の首脳からは、環境問題の深刻さに関する発言のニュアンスの差はあっても、「経済成長を制限しても環境問題に取り組むべきだ」という発言は聞こえてきません。

 そして新興諸国の首脳も、「先進国並みの経済成長をすることは自分たちの権利だ。環境問題は先に起こした責任のある先進国が取り組むべきだ」と主張するのみで、「我が国の経済成長をある程度制限してでも環境問題に取り組みたい」という発言は私の知るかぎりでは皆無だったようです。

 それは、先進か新興かを問わず、リーダーたちが、経済成長という「国益」は譲れないものだ、つまり「国益優先」という価値観を強く抱いているからではないでしょうか。

 「国益に反しない範囲で環境問題にも取り組む」というのが、彼らの基本姿勢のようです。

 特にG8首脳に関していえば、環境の危機、とりわけ気候変動・温暖化に関する警告を発している代表的な組織IPCCが訳せば「気候変動に関する政府間パネル」であるように、政府関連の公式機関がデータを提示しているのですから、各国の政府首脳である人々は、情報がない・知らない、だから緊急度を認識できていない、だから緊急対応ができない、ということではありえません。

 そうではなく、データが提供されてもそれを読み取る心が、経済成長という国益は絶対にゆずれないという価値観で枠付けられているため、さらには賢く振舞えば環境が許容する範囲の経済成長は可能だという英知を得ていないために、自分たちの価値観や思い込みに反するデータは、たとえ目にしても、十分理解しないでスクリーニングしてしまうのだと思われます。

 わかりやすくいえば、「人は事実であっても見たくないものは見ようとしないものだ」ということです。

 しかし私たちは、大きな方向性はすでに確認しているので、ちゃんと見て、適切な行動をしていきましょう。

 まず第一歩は、「オピニオンを共有する大きな潮流を創り出すこと!」



気候変動、今後20~30年が地球の分岐点

2007年11月21日 | 環境
こんばんは。
運営委員の柏原です。

一気に冬がやってきましたね。
私は、体がついていかず、風邪をひいてしまいました。
少し早めのインフルエンザも流行り始めているようですね。
皆さん、どうぞご自愛ください。


さて、先日、このようなニュースを読みました。

「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」によると
今後20~30年が地球の将来の分岐点なるだろうとのことです。
また、石油など化石燃料を多用し続けた場合、
40年後、アジアでは、穀物の収穫量が最大3割減り、
1億人以上がが新たに飢餓状態になる可能性があるとも書いてありました。

地球温暖化問題が、いかに深刻なものか、
それに、次回学習会の講師 小澤徳太郎先生のブログの記事にもありました通り、
現在の決断が地球の将来を方向付けるのだと実感しました。


こういったニュースを見ると、のんびりしていられない!!
と、気が逸ってしまいます。
でも、深刻で重大な問題だからこそ、
焦って方向性、大切なものを見誤ることのないよう
しっかりと現実を見極め、適切な行動を取っていく必要があるのでしょう。


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≪持続可能な国づくりの会Presents 連続公開講座part2≫

日本は「エコロジー的に持続可能な社会」に向かっているのか?

講師:小澤徳太郎氏〔環境問題スペシャリスト〕

日時 12月16日 13:30~ (開場13:00)
会場 モンベル渋谷店 5Fサロン
受講費 一般1500円 学生1000円 会員1000円

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「私たちは急いで遠くに行かなければならない。」

2007年10月15日 | 環境
こんばんは。
運営委員の柏原です。
すっかり秋めいてきましたね

近ごろ、ノーベル賞の話題がニュースを騒がせていますが、
今年のノーベル平和賞は、地球温暖化問題に取り組む
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)と
アル・ゴア前米副大統領に授与されることになったようです。

「人為的な気候変動について、その問題点を広く知らしめ、
この問題への対応に必要な基盤を築くために努力した」
という評価が、受賞の理由のようです。

このニュースを見て、環境問題は、世界の平和の構築のために
必要不可欠な問題だと認識されるようになったのだと改めて実感しました。

ゴア氏がインタビューで話されていた通り、
「意識を高める好機」になるのではないかと思っています。


ところで、今日のタイトルは、
ゴア氏がノーベル賞受賞決定時の記者会見で話していた言葉です。

「急ぐなら一人で行け。遠くに行くなら一緒に行け」。

ゴア氏はお気に入りのアフリカの格言を紹介しながら、
問題が切迫していることを強調。

「私たちは急いで遠くに行かなければならない。
どんな問題に直面し、なぜ解決に取り組まねばならないか、
世界の意識を変える道をすぐに見つけなければいけない」と語った。


asahi.com 10月13日より
http://www.asahi.com/international/update/1013/TKY200710130049.html


「急いでどこか遠くに行かなければならない。」
と考えている人はきっと大勢いるのだろうと思います。

では、どの方向に進めばいいのか。
それがとても重要だけど、
曖昧にされてしまっているため、

「とりあえず、出来ることから始めよう」

という言葉が蔓延しているように思えます。
でも、私は、個人でできることには限界がありますし、
「みんなで急いで遠くに行く」のは難しいだろうと考えています。

皆さんはどうお考えですか?
ぜひご意見をお聞かせください。


ところで、私は、これから進むべき方向性の一つのモデルが
スウェーデン式の「緑の福祉国家」だと認識しています。

そんなスウェーデンの国づくり、
環境への取り組みを、ぜひ一緒に学びませんか?

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持続可能な国づくりの会presents 連続公開講座第1回

「安心と安全の国づくりとは何か
 ~スウェーデンに学ぶ”持続可能な社会”」


講師:環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎先生
日時:10月21日 13:30~(開場は13:00)

場所:モンベル渋谷店5Fサロン
受講料:一般1500円、学生1000円、会員1000円。

参加希望の皆さんは、以下メールまでご連絡をお願いいたします。

greenwelfarestate@mail.goo.ne.jp


会場定員の都合により60名で締め切りとさせていただきます。
皆さんのご参加、心よりお待ちしています。

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確かなことを知る

2007年10月11日 | 環境
こんにちは 代表の斉藤です。

日本での環境問題への理解と対策は、誤解が多くあるように見えます。

前回の記事であった、環境省のキャンペーンですが、これも誤解の上にあるようです。

電気をこまめに消すことがCO2削減につながる。これは、非常に不確かなことです。


発電の仕組みを考えてみれば分かります。発電量と消費量は常に同じになります。ですから、家の明かりを消すと発電所の発電量は減ります。(こちらのページを参照ください。一見難しそうですが、分かると思います
しかし、それがすぐにCO2削減につながるかと言うとそうとは言えません。
電力の微調整は、燃料の燃やし具合では行っていません。私が消した電気は、発電機の回転数を調整して行うようです。
一日の電力は大体決まっていますから、電力会社はそれを見越して燃料をつかって動力を確保します。この時点でCO2の出る量は決まっているといっていいでしょう。

私たちの電気をこまめに消すことで実際にCO2を削減できるのは、この小さな努力が積もって、電力会社が「こんなに燃料用意しなくていいな」と判断し、実行したときに初めてCO2は削減されるのです。

ですから、確かに小さな努力はいつかは実るのかもしれませんが、環境問題のタイムリミットを考えるとその方法では明らかに間に合わないでしょう。

実際、私たちが個人的に節電をしている間に六本木ヒルズのような大量にエネルギーを使う巨大建造物が立ちます。

電力の消費量は年々拡大しています。


では、どうしたら問題解決に早く近づけるのか。
答えはシンプルです。皆でやればいいのです。
ここで言う皆とは個人個人みんなということではありません。

個人、企業(産業界)、行政、立法(国会)それぞれのことです。

法律がCO2削減を促すものであり、行政がCO2を削減する姿勢を持ち、企業もCO2低排出を前提とした経済活動を行う、そして個人のライフスタイルも低CO2を選択する。

これをして、初めてマイナス6%が達成できるのでしょう(排出権取引やら、森林の吸収やらで無理やり6%にしそうですが、長続きはしないでしょう)。

私たちの会は、個人の努力よりも日本という国に注目をしています。それは、個人の努力を軽んじているのはなく、個人の努力を実らせるためには、個人が生きている集団のルールを変える必要があると思うからです。

共感していただける方いましたら、メッセージいただけると幸いです。

--------お知らせ----------------
下記、学習会イベントを行います。
講師は、当会の顧問をしてくださっている環境問題スペシャリストの小澤徳太郎氏です。
氏の「私の環境問題論」=環境問題への認識は、まさに目からウロコです。環境問題への認識が180度変わります。当日は質疑応答の時間もたっぷり設けています、直接スペシャリストと話ができる機会です。今まで疑問に思っていたこと、どうしたらいいのか、等々率直に聞いて見てください。



持続可能な国づくりの会presents 連続公開講座第1回

「安心と安全の国づくりとは何か
 ~スウェーデンに学ぶ”持続可能な社会”」

講師:環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎先生
日時:10月21日 13:30~(開場は13:00)

場所:モンベル渋谷店5Fサロン
受講料:一般1500円、学生1000円、会員1000円。

参加希望の皆さんは、以下メールまでご連絡をお願いいたします。
greenwelfarestate@mail.goo.ne.jp

会場定員の都合により60名で締め切りとさせていただきます。
皆さんのご参加、心よりお待ちしています。

チャレンジ宣言

2007年10月07日 | 環境
皆さん、こんにちは。副代表の横倉です。


環境省のホームページを見ていて、こんなものを見つけました。

めざせ!1人、1日、1kgのCO2削減

シャワーの利用時間を短くする、電気をこまめに消すなど、日常生活の中でできるCO2削減のためのチャレンジメニューが掲載されています。その中から自分が出来る項目を選び、実行することを宣言すると「私のチャレンジ宣言カード」がもらえるというキャンペーンです。

CO2削減のために日常生活で私たち一人ひとりが出来ること、それらは様々な場面で取り上げられています。


しかしこうした行動がCO2削減にどれほどの効果があるのでしょうか。
家でこまめに電気を消したりすることが、発電所から排出されるCO2の量にどれほどの影響があるのでしょう。

個人がすべき事をするということは、必要なことであると思います。
しかし、環境問題というものを理解し、その問題に対する適切な行動でなければ、問題の解決は遠のいてしまうと思います。

環境問題とは何か、解決するにはどうしたらよいのか。

まずは現状をしっかりと理解する必要があると思いました。


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フードマイレージ

2007年10月05日 | 環境
はじめまして。
運営委員の横溝と申します。
今後このブログにちょくちょく顔を出させていただくことになるかと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。


ここのところ毎日のように、新聞では環境問題に関する記事が見受けられます。
先日「フードマイレージ」に関する記事を読みました。
すでにご存じの方も多いかと思いますが、「フードマイレージ」とは「食品輸送距離」のことです。輸送距離が長ければ長いほどCO2排出量が増えます。「フードマイレージ」はモノの輸送がいかに環境に負荷を与えるかを表す一つの指標になっています。

今年の環境白書によると、05年度の日本のCO2排出量のうち運輸部門は全体の2割を占め、90年と比較すると1.2倍に膨らんでいるそうです。さらに記事には環境省が京都議定書の削減目標を達成するため、「一人一日CO2を1キロ減らそう!」と呼びかけていることにも触れていました。              

部門別のCO2排出量を見てみると、日本は産業部門と運輸部門が全体の排出量の60%を占めており、家庭部門はたったの13%です。こうしたデータを見てしまうと、一人の消費者として地道にCO2削減を頑張るということに、限界を感じずにはいられません。日本全体のCO2排出量を効果的に削減するには、やはり全体の排出量の60%を占める産業・運輸部門にがんばってもらう必要があるのではないでしょうか。 
                                  
「フードマイレージ」についても、消費者が「地産地消」を心がけて地元の野菜を買う努力をしましょう!というアプローチももちろん大切です。しかし注目すべきは消費活動だけでなく、食物を売るスーパーやデパート、またそれを運ぶ輸送部門がCO2削減に貢献するにはどうしたらよいのかを考える、といったアプローチも必要になってくると思います。より効果的にCO2を削減するためには消費だけでなく消費に至るまでの生産・物流部門も含めた広い視野で考えていかなければならないと思いました。


(ご意見やご感想、会に関するご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください



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北極の海氷

2007年09月14日 | 環境
こんにちは、副代表の横倉です。

以前ブログに、北極の海氷が観測史上最小になったというニュースを書きました。
その後どうなったのか気になって調べていたら、こんなサイトを見つけました。


北極圏海氷モニター
http://www.ijis.iarc.uaf.edu/cgi-bin/seaice-monitor.cgi?lang=j

観測衛星から見た北極の海氷の状況が毎日更新されています。

また2002年6月からの画像も見られるので、現在と比べてみることが出来ます。



夏も終わりに近づき、朝晩は涼しくなってきました。
ふとすると今年の猛暑を忘れてしまいそうです。

暑さを実感しているときは、温暖化の深刻さを実感として感じているものの、
暑さが過ぎれば、やっと涼しくなったと毎年ほっとしているように思います。


ただ、温暖化は毎日止まることなく進んでいるのは確かなことだと思います。


着実で、迅速な行動。

これからの活動に欠かせない部分だな、と思いました。

最近のテレビニュース

2007年09月06日 | 環境
こんにちは、副代表の横倉です。

最近、テレビのニュースでは環境に関する報道が増えてきたように感じます。
世界各地での異常気象などいろいろと報じられています。


そんな中で印象に残っている報道があります。

今年の夏、8月15日の時点で北極の氷は観測史上最も小さくなってしまったそうです。海氷の縮小は9月の中旬まで続く見通しで、このペースだと国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)が、2040~50年ごろの予測した海氷と同じくらいのレベルまで減少する可能性もある、とのことです。

専門家や科学者の予測よりも早く地球温暖化は深刻なものになっているようです。


環境の危機を伝える報道の一方で、こんな事も報じられていました。

米国の調査機関によると、北極海の海底には世界の未発見の石油・ガスのうち25%が眠っているといいます。その豊富な地下資源をめぐってロシアやカナダ、米国などの主権争いが起こっているそうです。

”今まで一年中あった海氷が、このまま温暖化が進めば夏の間はすべて無くなるだろう。そうなれば膨大な費用をかけずに資源開発が出来る。”

そんな考えがこの主権争いの背景にあるとの報道でした。


地球温暖化問題は生態系存続の危機であるのに、地球温暖化によって生まれる状況を利用して更なる資源開発を目指すとは、、、。

こうした考え、価値観でもって国が動いているということに、少し恐怖も感じました。
深刻な問題であるはずの環境問題が、なぜか自分たちの都合の良いように利用されてしまっている、そんな感じがします。



もうひとつ。

最近はいろいろなところで「エコ」という文字を見ます。環境を守ろうと企業、地域、個人が積極的に行動し始めている事のあらわれだと思います。

ただ、この「エコ」もなんだか変な形で定着してしまいそうな気がしています。

これもニュースで見ましたが、最近は「エコ」が儲かるそうです。
「エコ」商品なるものが大量に作られ大量に売られています。
百貨店などには「エコ」商品のコーナーなんかがあるそうです。
買い物袋の代わりの「エコ」バッグは、ファッションの一部のようです。
合コン相手もIT業界よりも「エコ」な業界が人気だそうです。


北極の氷がなくなることは新たな資源開発のチャンスではありません。
環境問題は新たな市場、利益を生み出すものではありません。

適切な行動、エコロジカルな合理性に基づいた行動が、必要です。


環境問題:入口と出口の限界

2007年08月31日 | 環境



 シンポジウムの呼びかけ人で今回運営委員になりました岡野です。

 私は、1972年の『成長の限界』以来、環境問題の本をいろいろ読んできましたが、もっとも問題の原因-現象-結果について明快にしてくれたのが、去年の2月に出会った小澤徳太郎先生の『スウェーデンに学ぶ「持続可能な社会」』(朝日新聞社)でした。

 それで一度お目にかかりたいと思っていたところ、たまたまその4月、私が教えに行っている大学に小澤先生が環境論を教えに来られることになり、しかも講義は同じ曜日だったので、早速お目にかかることができ、そこから話がつながってシンポジウムそして会の設立という話にまでなってきました。

 先日、「持続可能な国づくりの会」の設立総会でお目にかかってお話しした後、帰ってきてまた改めて小澤先生の本の頁を繰りながら、上のチャートの意味を再確認しました。

 矢印をたどってみると、環境省(つまりは国の機関ですが)も、理論としてははっきりと経済活動の拡大が環境問題の原因であると捉えていることはまちがいなさそうです。

 資源の大量消費によって、経済活動の拡大すなわち大量生産と大量消費が可能になるが、その結果、資源の枯渇と大量廃棄=環境の汚染が進行する、と。

 この公的文書(『環境白書』!)にいわば国の見解としてはっきりと公表されている図解の意味は決定的に重要だと思います。

 つまり、どういう立場の人が考えても、ちゃんと筋道立てて考えると、これまでのようなやり方の「経済成長」には、はっきりと入口と出口の両方で限界がある、ということになるのですね。

 ところが、政府の経済と政治の実際の政策を見ていると、どこまでも「経済成長」を目指しています。

 もちろん、スウェーデンのようにエネルギー消費を抑えながらしかも経済成長するというきわめて賢い道はあるのですが、日本の場合はエネルギー消費を抑えていく方向にはありません。

 そこが問題――経済のみの目的合理性しかない――であり、だから私たちのような主張――エコロジカルな合理性を目指す――をする会が必要だと考えたわけです。

 このあたりの問題については、小澤先生がブログでしっかりと書いてくださっています。

 環境問題の根本的な解決を本気で望んでいる市民のみなさん、ぜひお読みください(特に市民連続講座:環境問題)。


 *自分のブログにも似たことを書いたのですが、非常に重要なポイントだと思いましたので、こちらの読者にも読んでいただきたく、書かせていただきました。