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Foles覚醒の年

2014-01-13 00:39:00 | イーグルス
 Eaglesの2013シーズンは終わり、ドラフト・FAモードに切り替わっていきます。とりあえず、ポジションごとに数字を見ていきましょうか。普通にQBからいきます。

Michael Vick 契約切れでUFA
 2012シーズン、エンドゾーン寸前まで攻め込むとファンブル・INTでボールを放棄する逆噴射連発でスターターの座を失い、最終戦でチャンスを貰ったものの酷い成績に終わったVickは契約期間・金額を大幅に短縮する契約更改を行い単年契約として13シーズンに臨みました。
 オプションリードのChip Kellyシステムで生き返る可能性を期待され、DeSean Jackson,LeSean McCoyらの支持も得てプレシーズンゲームでは頭脳面で不安視されたアップテンポオフェンスを十分に指揮して開幕スターターを勝ち取りました。
 開幕から、投げて走ってオプションQBとして良いプレイを見せます。開幕戦、2週目とレーティング100を越え、2INTのKC戦でもランで99ヤードを稼ぎました。1勝3敗で迎えた5週目の@NYG戦でスクランブルの際にハムを痛め退場、その後8週目に復帰しますが再度ハムを痛めて退場。Nick Folesの覚醒でポジションを失いその後の出場はニーダウンを2回しただけに終わります。
 
先発6試合(2試合序盤で途中退場)1勝3敗
パス141回 成功77回 成功率54.6% QBレート86.5
1215ヤード 平均8.6ヤード 5TD 3INT  
ラン36回 306ヤード 平均8.5ヤード 2TD

 12シーズンでの酷いプレイと比べれば、QBキープの威力と言う点でリードオプションで復活しかけました。ただ、スライディングが出来ないので回数持たせれば必ず壊れる時限爆弾ですし使いにくいです。
 スターター待遇のチームに行きたい、と言う希望ですし、Eaglesに戻ってくる可能性は低いです。が、開幕時のスターターはVickでそれなりに機能していました。Foles覚醒でバックアップ待遇になりますが、下手なチームの2番手よりはChip Kellyのチームで2番手やった方がチャンスは有るかもしれません。


Nick Foles ルーキー時の4年契約の2年終了
 3巡指名ルーキーだった昨年、Vickの怪我でシーズン後半スターターとして経験を積みました。OLはぼろぼろでMcCoyとDeSeanも欠いているチーム事情もあり1勝6敗と成績は残せませんでしたが、Vickにはないセカンドターゲットを見る能力、スナップ前にブリッツ・カバーを読む能力を見せ、スクランブル能力は無くてもアップテンポオフェンス向いているのはFolesと期待されてキャンプを過ごします。プレシーズンゲームではトリックプレイを数々成功させましたが、QBキープでの破壊力でVickに劣り2番手として開幕を迎えました。
 Vickが負傷退場した5週目の@NYG戦で2TDを決め勝利に導きます。翌週のTB戦も3TDでQBレート133の大活躍。走れなくてもChipのシステムで機能するところを見せました。が、7週目のDAL戦ではパス成功率38%の酷いプレイで途中交代(後に脳震盪を負っていた事が分かります)翌週は脳震盪で欠場しますが、その試合でVickが再度負傷して9週目の@OAK戦でスターターに復帰、NFL記録に並ぶ1試合7TDパスの大活躍、そこからは1度もスターターを譲らずに7勝1敗で地区優勝に貢献しました。プロボウル補欠1番手ですし、スーパーボウルの組み合わせ的にも繰り上げ出場をする事になるでしょう。

先発10試合+@NYG戦の途中登板1試合 9勝2敗
パス317回 成功203回 成功率64% QBレート119.2
2891ヤード 平均9.1ヤード 27TD 2INT
ラン57回 221ヤード 平均3.9ヤード 3TD

 ルーキーだった12シーズンとの違いはポケットの中でセカンドターゲットを見る能力が格段に向上しました。同時に25ヤード以上のパスがどこ行くか分からない肘から先だけで投げるようなフリースロー投げ(バスケットボール経験者です)からのフォーム改善が上手く行ってDeSeanへのディープ炸裂、ストレッチしてくれる事でミドルも開く、セカンドターゲットが見れるから開いたミドルに投げる事が出来る。全てが良い方向に回っています。
 INTが2つ、無理に投げるならサック貰うか投げ捨てる。これは良いか悪いか難しいところですが、Chipの指導なのでしょう(Chipは次のプレイで上手くやれば良いさ、くらいに考える人だと思いますし)若いうちにもう少しチャレンジするのが良いような気もします。磐石のOLと年齢的にも脂が乗り切っているスキルポジション群、これで数字が出なかったらQBの責任。と、言えるくらいの好条件に恵まれていますが、他のプロボウルQBのようなQBの能力で逆境を跳ね返して勝ちをもぎ取る。そう言う迫力のようなものは感じません。
 タレントに恵まれたオフェンス陣をマネージメントしているだけ(2年目でこれが出来るだけで素晴らしいのですけれど)契約延長交渉をする時(14シーズン終わってからで良いと思いますが)年10ミリオン以上支払うような選手なのか確信を持てません。
 シーズン後半、ブリッツ貰った時にインテンショナル取られる場面が目立ちました。ブリッツが来るかの読みが甘い+ブリッツの裏をかくようなオーディブルをする能力の向上。これが足の無いFolesが成長する為に必要でしょう。


Matt Barkley 4年契約の1年目終了
 4巡指名をトレードアップして指名したルーキーですが、1年早くアーリーエントリーしていれば1巡指名確実と見られていた逸材です。
 同じPac-12と言う事でChipもFolesも良く知っている選手ですし、カレッジでの実績ではFolesをはるかに上回るBarkleyですが、プレシーズンゲームではNFLのレベルに順応出来ていないように見えました。実際練習から常にサードチームで固定され上位2人とは大きな差が有るとChipからも言われました。
 先発QBの怪我などで2試合途中出場していますが、共にNFLで通用するレベルには無かったです。ボールの遅さでフリーになってから投げてもカットされるパスが目に付きます。投げるタイミングが悪いとは思いませんが、LBやSのカバー能力がカレッジとは違うのでしょう。

2試合途中出場 1敗
パス49回 30回成功 成功率61.2% QBレート44.6
300ヤード 平均6.1ヤード 0TD 4INT
ラン2回(多分ニーダウン2回)-2ヤード

 球の遅さと判断の遅さ、NFLレベルでプレイするには難しいと感じさせるルーキーシーズンでした。肩が弱くても、ディフェンスのカバーを読み正確にコントロールしている一流QBも居るのですけれど、Barkleyの場合はカバーの読みもまだルーキーらしい甘さが随所に見られます。
 きれいなスローイングフォームをしていますし、フォーム修正で球速が上がるようには見えません。となると、判断力の向上がNFLでプレイして行くのに必要となります。特にフリーになってから投げて、簡単に間に入られてINTのプレイを見ると抜いた瞬間に投げるくらいでないと通用しないでしょう。
 と言ってもルーキーですし、オフシーズンどのように成長するか。Vickが抜けた際には2番手昇格のチャンスが来ます、システム習得などまだまだ頭脳面で伸びる要素は有ります。


 Folesの大活躍が本物なのか?私はChipのシステムに対する他チームの研究不足、ブラインドサイドのOL2枚がオールプロ選出で守った事、スキルポジションの充実。周囲に助けられてのQBレーティング首位だったと考えています。だとしても、試合を壊さずにまとめる事が出来るのは素晴らしい事ですし、このまま経験を積んでいけばプロボウル常連の一流QBまで成長する可能性は低くはないでしょう。
 Barkleyが2番手で良いのか?これはちょっと厳しいと思います。常に1年生から先発してきたエリートで完成されている(悪く言えば伸びる要素が少ない)と言われてきてQBレーティング44は(負けている場面でのリリーフで無理に投げたと言うのを考慮しても)寂しい数字です。

 Vickにスターター待遇を与えるチームは無いでしょう。Vickがバックアップ待遇で戻ってくるならそれで十分ですが、他チームに流出するようならば中堅QBを獲得する必要が有ると思います。
 ただ、現段階でのFAリストを見るとQBはかなり寂しい状態です。Vick争奪戦になる可能性すら有りますし、そこそこ足の速い中堅QBと言うのが見当たりません(Vick以下のパス能力しかない走るだけQBなら数人居ますけれど)もしかするとバックアップQB補充に苦労する事になるかもしれません。