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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

中国人学生の熱意

2006-10-17 | フィールドから
・今更ながら宿泊したホテルが大学のキャンパス内に存在したということを知る.道理でたくさんの学生らしき人たちが夜遅くまで闊歩していたはずだ.学生寮,職員住宅も同じキャンパスにあり,幼稚園,スーパー,病院と一つのコミュニティを形成している.




・大学の教養学部は離れたところにあり,そこまで車で1時間ほどかけて行く.さしずめ,柏キャンパスといったところか.この辺りは,巨大な中洲になっているらしく,新しい大学が集中して存在する学園都市となっている.巨大な建造物に圧倒されつつ,講義棟へ向かう.



・教室には既に60名程度の学生が待ち構えており,即刻,ミニ講義(?)となる.当方は,二次林におけるウダイカンバ資源管理の話をしたのだが,どれだけ伝わったか少々不安である.しかし,学生達が真剣な表情で聞いてくれるのには,もはや感動すら覚えてしまう(某T大学の講義ではありえない状況だ・・・).生徒達はみなあどけなく,まるで高校生みたいだったが,聞けば3年生とのこと.それにもかかわらず,講義終了後も質問が矢のように降り注ぐ.実によく勉強しているし,様々なことに関心を持っているようだ.



・図書館などを見学した後,ホテルに戻る途中に,水辺に浮かぶコテージのようなレストランで広東料理を頂く.アヒル,豚,鳥の軟骨,青菜などの炒め物,春雨サラダなど,やや油っぽいのが玉に瑕だが,さすが「食は広東にあり」と言わしめるだけのことはある味であった.冬草夏虫のスープは見た目はちょっとグロテスクだが,滋味溢れるもので唸らせるものであった(だけど,そんなに好きではない).



・午後はホテルのあるキャンパスに戻り,大学院生と教員達と合同セミナー.2つ分のプレゼンは用意していなかったのだが,同じ話をするのも飽きるので,マツ材線虫病抵抗性育種のスライドを即席で作る.午前中のプレゼン用では,一生懸命,英語のスライドを作ったのだが,中国では日本語のスライドを使って英語でプレゼンした方が分かりやすい,かもしれないということに今更気がつく.カンバの話は,プチ熱帯の広州ではピンとこなかったようだが,マツ材線虫病はタイムリーだったようで,分子生態学をこちらでやっているXue-Jun教授には興味を持っていただけたようだ.Silvae Geneticaの論文も読んでみると言ってくれたので,そのうち引用されることを期待しよう.



・食事の後,疲れた体を引きずるように,遊覧船で観光.中国の人たちはみんな元気で,いわゆる蹴鞠に似た球技(?)に興じている.ここ広州は中国3番目の都市だそうで,河川沿いは非常に美しいイルミネーションである.船にもたれながら輝く都市を眺めていると,もはや現のものだとは思えなくなってきて,意識朦朧となるのであった.