一生

人生観と死生観

苦難の谷間の友よ

2010-11-16 16:45:55 | 人生人間
11月16日 晴れ
 寒い日となった。天気予報のとおりの気象だ。
 今日の便りでX氏の自閉症の二男のことがはじめて具体的に書かれていた。言葉はなく、動き回って一日2万歩も移動し、付き添う親もくたくたになってしまうらしい。わが家では予防接種禍で重度の心身障害になった二男の介護が大変だったが、この友の場合は別の意味で介護の大変さを偲ばせられる。このことを思うと心が痛み、首を低くして、この家族のために祈るほかない。
 ある人は人生苦難の連続だ。特別悪いことをしたわけでもないのに何故なのだろう。涙の谷間という言葉が胸に迫る。神様がおられるならば、どうして放置しておかれるのだろう。詳しいことは知るよしもないが、こういう偶然とも見える逆境の連続はなんとも介入のしようがない。
 しかし長い人生の経験から見ると、超越者の神は何らかの理由があって人に苦難を下したまう。旧約聖書ヨブの物語で、そこにヨブについての神とサタンとの賭けを見て、ひどいと思う人がいるかもしれないが、それは物語の上でのことだから本当のことは分からない。その秘められた理由が解除されるときが来る。そのとき苦難の人生を送っていた人の目が開ける。ヨブ記の記事はそれを示している。苦難であれ、幸福であれ、神の国に根ざす人生のドラマは有難く受け取ろうという人がいる。私たちの場合は二男の死によって多くのことを学び、苦難の意味を深く考えさせられた。無上の経験になったのだ。X氏に忍耐を望むことしか今は出来ないのが残念だ。