一生

人生観と死生観

草の根交流の効用

2010-11-06 14:20:13 | 歴史
11月6日 晴れ
 11月初旬の晴れた日は日本にあたえられた恵みだ。洗濯と掃除は自分でやる習慣になっているが、家内の病弱から私自身がきたえられることになった。これも私にとっての運命で賜物と思うことにしている。
 さて尖閣問題はなかなか終わりが見えない。そこへ北方領土の国後にロシアのメドベージェフ大統領が視察にやってきた。日本人を刺激すること、まことに大きなものがある。
 そもそも国家、主権、領土とは何か。人民は国家に奉仕する囲いの中の羊のような存在か。囲いの外にはオオカミがいると声高に宣伝するものは誰か。中国や日本は長い歴史の中で国民国家としての自覚はあまりなく、領土すなわち国と国の境界線でかこまれた区域の概念がしっかりしていなかったのだ。ヨーロッパのように沢山の国が境界を接し、互いに競争し、あるいは争っているところとは訳が違う。歴史が進み、今の世の中で、地図の上では砂粒ほどの島でも領有権を主張し、すなわちここは俺の領土だと宣言して軍備を固め島を要塞のように固めることは、愚かなことにも思えるが、愛国心の発露という現実を表すものだ。
 どうも国境線問題で張り合うことは歴代の日本政府には苦手のようだが、あまりこじれないうちに解決しておくべきことであったのだ。千島列島は地震と津波の被害の大きいところで寒さが厳しく、住むに良いところとは思えない。しかし最大の利点は近くの海の幸ー漁民の利益であろう。この前もちょっと触れかかったが、今まで鈴木宗男議員がもっとも熱心に現実的な方策を実行しつつあったのに、失職したのは残念であった。
 こういう時にも草の根交流は必要なのだ。ロシア人は一般的にいって人間は純朴で感情豊かで、西欧人よりも日本人に近いところがある。私はロシアを訪問したとき、帰りにロシア人の仲間が一団となって歩いて私を送ってくれ、ともに歌まで歌った1992年の夏の夜を忘れない。アメリカより貧しいから盗みなどは多発するが、基本的には人は良い民衆だと思う。こういう人たちと個人対個人の関係で交流する、つまり草の根レベルで友情を育む必要は大いにある。そしてその上で難しい問題も妥協点、一致点を見出して行く事が必要不可欠だと思う。中国についても原則的に同じことが言える。