一生

人生観と死生観

仲代達矢の風格

2009-06-22 16:00:34 | 哲学
6月22日 曇り後雨
 NHKの総合テレビに仲代達矢が登場、アナウンサーの質問に答えていた。風格のある俳優として高く評価され、世界にもその名は知られている。妻に先立たれて久しくなるが、ようやく墓地を求め、墓を建てることにしたという。お骨を自分の近くに置きたい気持ちが長く彼の中にとどまっていたのであろう。妻とともに暮らした日々はそれだけ貴重なものであったのだ。
 今度何年かぶりに彼の主宰する無名塾に新人が9名入った。彼は77歳になるところだそうだが、塾生の先生であり、かつ親のような存在である。これらの若者がどれほど伸びて大成するかまだ分からない。しかし言えることは、師の存在は彼らの心に生涯大きな影を残すだろうということである。日本でもこのような塾があって未来の演劇界を支えるとは頼もしい。
 演劇界だけではない。若者の養成に真剣に取り組むことがどんなに大切であるかいうまでもない。しかし仲代のような優れた指導者が使命感をもってボランタリーに若者の教育を引き受ける、これはなかなかできないことではなかろうか。仲代を模範に、いろんな分野で、こうした教育を施す人材が輩出するように、何らかの手を打つことが必要と思われる。