日本の童謡としては、かなりスケールが大きく、また、子供向けとは到底思えないほど
悲しい旋律の曲が「月の砂漠」
だいたい日本には砂丘はあっても砂漠はないし、ラクダだって、動物園でしか
お目にかかれない動物。いったい、どこの砂漠をイメージして作られた
曲なのだろうか?
サハラ砂漠?ゴビ砂漠?それともタクラマカン砂漠だろうか?
残念ながら、外国の砂漠ではない。正解は、日本の千葉の御宿の砂丘が
モデルになっている。
作詞をしたのは、加藤まさをという人。大正末から昭和にかけて、少女雑誌を
中心に活躍した人で、絵を描き、その横に詞をつけていた。
作曲は佐木すぐる。この歌が流行したのは、関東大震災の前後から。
レコード化されるや、大ヒットし、今日でも歌われている。
加藤まさをは、毎年、夏になると御宿に療養に出かけ、砂丘を眺めるのが
日課だったようだ。もちろん、そこにはラクダも姫様もいなかったが、この
砂丘をイメージしながら、あの詞がわいてきたと推測できる。
事実、御宿の人々は、そう確信しているようで、ラクダに乗った王子とお姫様の
像が、その砂丘に建っている。
今日の花 アリウム
花ことば 無限の悲しみ
☆ 今 日 の 一 言 ☆
もっと人生を、ほんとうに楽しめる時が
いつかは 訪れるだろう、その時を あなたは心待ちにしなさい。
ジョン・キーツ