本家ヤースケ伝

年取ってから困ること、考えること、興味を惹かれること・・の総集編だろうか。

ええっ!今日も将棋の話なの?ぷいぷい♪

2006-04-21 19:14:29 | 囲碁・将棋
*←写真は昨年8月近鉄将棋祭りに於ける杉本昌隆七段の指導対局の模様です。
 普通このように、教える側が立ったまま(寸考後)指して次々に移動して行きます。教わる側は先生が他へ行っている間にうんうん唸って(?)沈思黙考します。
 今は50面指しとか百面指しとかのパフォーマンスもありますね。

 指導対局については『矢内理絵子』新女流名人も04/19の日記で触れています。→http://blog.yomone.jp/yauchi/

 というわけで、昨日も『307pv;191ip』のアクセスと好評だったので今日も将棋の話を続行します。w

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『昭和将棋史』(大山康晴著・岩波新書)というコンパクトな本が'88年に刊行されている。絶版後再版予定はないということで、それでも以前はどこにでもあって(?)割合手軽に手に入ったものだが、今はどうだろう。どこか古本屋へでも行って探さないと入手困難かも知れない。→http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/43/X/4300070.html
 私が将棋を覚えた時代は升田=大山の時代だった。

*将棋の評論と言うと元プロ棋士で観戦記も書いていた河口俊彦七段である。この人のエッセイは辛口で面白い。
 で、検索したら『河口俊彦は一体どうしてしまったのか?』という一文に突き当たった。
 ここです。→http://www1.cncm.ne.jp/~nackham7/kawa.html

 『ウィキペディア河口俊彦』はここですがまだあまり書き込まれていません。→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%B3%E5%8F%A3%E4%BF%8A%E5%BD%A6

doublecrown's pieciesというところも発見。
→http://doublecrown.under.jp/index.html)

*で、「河口さんが『最近の将棋は面白くなくなった』とあちこちで指摘している」と、その文章は言っているのである。

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 *私も面白くないと感じないわけではないが、それは私自身が将棋に対する興味が薄れて来たためだと思っていた。
 覚え立ての頃、私はプロの将棋を並べるのが好きだったし、東京へ出て道場へ行くことがあると、自分の指した将棋は5局だろうと6局だろうと全部覚えて帰って、家で改めて棋譜を記録し直したりしていた。今それをやれと言われても5局はおろか1局だけでも再現出来るかどうか怪しいものである。

 今の将棋は面白くない?
 言われてみれば確かにそうだ。
 今将棋界の主流は、かつて『チャイルド・ブランド』と呼ばれた羽生さんの世代である。それを追っているのが渡辺竜王、山崎隆之六段の世代だろう。私たちの世代の代表と言えば中原誠永世十段である。

 将棋の世界の第一人者というのはいつも一人しかいない。
 木村義雄名人を倒したのは塚田であり升田だったろうが、次代を継承したのは大山であり、次は中原が来る。(谷川の時代というのはあったのかどうか?)ややあって今は基本は羽生の時代と思う。

 羽生さんと言っても、私には今だに広島カープの野球帽を被っていた頃の少年時代の彼が目に浮かぶ程だが、無論実際にお会いしたことなどない。
 てか、羽生さんは強過ぎるから応援のし甲斐がなくてあまり好きじゃない。笑
 谷川さんと羽生さんが戦えば谷川さんを、藤井さんと羽生さんが戦えば藤井さんを応援している自分がいる。w
 その羽生さんにして七冠王の絶頂期にあって「追われる感じが募る」と述懐していた。トップの座と言ってもその差は紙一重なのかな?
 羽生さんは「昔の棋譜で今の時代に通用するのは升田幸三の将棋だけだ」とどこかで言った。大山さんの将棋は棋譜としての評価は昔から左程ではなく(失礼!)かつて中原さんも「大山の矢倉では今は勝てない」と述べたことがあった。(註:将棋に『矢倉戦』という戦法があるのです。)

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*《チャイルドブランド》の棋士たちは従来の将棋の概念を変えてしまった、などとかつて言われた。要は将棋を室内ゲームに純化してしまったというのである。
 対局というシチュエーションの中で繰り広げられた数々の《人間ドラマ》は今や後景へと押しやられ、その場の勢いだけの感情や欲望などではなく、正確で理知的な計算と読みの深さこそが求められる時代となり、彼らはその要請に見事に対応したわけである。

*昔感想戦で「そんな手はないだろう?」と敗者に罵られたある棋士は、「何で勝っても勝ちは勝ち!」と笑い飛ばしたと言う。

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(06.06/28後註):↑これは私の錯覚で、この言葉は神田辰之助という関西・坂田三吉派の棋士の言葉である。
 河口俊彦『人生の棋譜この一局』吐血の一局にはこうある。:

 『木村と対戦し、大逆転で神田が勝ったことがあった。「なんてひでえことをやったんだ」と木村が口惜しがると、「なんで勝っても勝ちは勝ち」と高笑いして席を立ったという。』・・・。

 木村名人というと、当時の将棋連盟の収入のほぼ半額を手中にしていて?、妾を何人も囲っていたのだとその著書には書かれていた。当然関西の棋士たちからは恨みを買っていたが、升田大山が出現するまでは誰も彼に勝てなかったのだからしょうがない。
 引退してからの木村名人はTVで巨泉の『クイズダービー』のゲスト回答者をしたり、新聞では大一番の棋譜解説をしたりしていた。振り飛車には批判的で「そのままの位置でも使える飛車をわざわざ一手かけて他の筋に使うのは棋理に反する」という彼の持論を私は何回も目にしている。

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 升田幸三が「名人位なんてゴミみたいなもんだ」と面前の木村名人を挑発し、
「そういう君は何なんだ?」と名人が気色ばむと:
「ゴミにたかる蝿だ」と言い返したという話は有名だ。
 
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 *いや、今の棋士たちの対局にだって数え上げれば人間ドラマは幾らでも出て来るに違いないが、どういうわけか時代は今スマート過ぎるくらいスマートで(笑)本来私ら下々の人間が好む筈のどろどろしたゴシップやら何やらを取り上げるのは河口さんくらいのものではないのか?(笑

 しかし考えてみると、石田和雄九段や先崎+神吉の大盤解説とか、面白いものも沢山あるし、今の将棋と将棋界が面白いかつまらないかの判断はひとまず保留としておきます。
 てか問題は若い人たちにアピールしているかどうかだろうね。w

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<名人戦主催者問題>将棋連盟、毎日新聞社に釈明の文書 (毎日新聞)

 日本将棋連盟(米長邦雄会長)の理事会が名人戦の主催者を毎日新聞社から朝日新聞社に移す方針を示した問題で、米長会長は21日、毎日新聞社を訪れ、契約解消を申し入れた通知書について「説明不足」と釈明する文書を提出した。しかし、通知書自体は撤回しなかった。これに対し、毎日新聞社は「文書に理解しにくい点がある」として、質問書を送付する。


 この日の文書は北村正任・本社社長あて。それによると、3月28日付の通知書について「簡略な文書で申し入れを致しましたため、言葉足らずの点があり、不愉快の念を御社が抱きましたとすれば、説明不足であり、おわびしたい」とこれまでの経緯に触れたうえで、「誠意をもって、第66期以降の名人戦実施に向けて御社と協議をさせて頂きたく、申し入れさせていただきます」としている。しかし、通知書の撤回については、契約上の期限の問題を理由に認めなかった。

 これに対し、毎日新聞社は同連盟に「『第66期以降の名人戦実施に向けて協議させていただく』とあるが、通知書にある『契約解消』の文言を取り消すものと理解してよいか」との質問書を送付する。

 米長会長と面会し、この日の文書を受け取った橋本達明・本社主筆は改めて通知書の撤回を求めたうえで「なるべくオープンな形で物事を進めたい。朝日新聞社に対しても再考をお願いしたいと考えている」と述べた。[毎日新聞4月21日]

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 以上引用終わり。
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