本家ヤースケ伝

年取ってから困ること、考えること、興味を惹かれること・・の総集編だろうか。

将棋・無くて七癖&賭博罪。

2006-07-30 23:25:56 | 囲碁・将棋
*←このイラストはお友達からの戴き物です。ぷいぷい。

*高校時代、私たちによく将棋を教えてくれる人に、Mさんというガス会社勤務の30代前半の方がいた。普段は真面目そのものだったが、こと将棋となると事情が違った。勝負どころになると、これがちょっと聞いただけでは意味不明の言葉を突然乱発して、私の友人たちをひっくり返る程笑わせたのである。私自身はと言うと、彼のギャグ(?)は馬耳東風とばかりに、かっこつけて無視していたように思う。嫌な性格である。w

 彼は一応初段格で指していたが実力はもっとあった。
 一般に田舎というところは、年配者を立てなければならない。
 私たちの場合も、弱い年配者が2段とか3段とかを名乗ってぶいぶい言わしていたら若いモンは一歩引かなければならなかった。ましてそれらご老体が『出資者』であったり、名義だけとは言え『支部長』であったりしたら尚更のことである。

 それで、彼の口癖、それは:

『そこで脱いだか、桃色パンティ!』
もう一つは『その手は食わない七色パンティ!』

或いは単に『桃色パンティ!』
『七色パンティ!』と叫ぶ。


 とこれら二つの『パンティネタ』がメインだった。
 (しかし今は当時と違って女性の将棋ファンも大きく増えているし、もし女性相手の対局中にこんなことを口走ったら、間違いなくセクハラで訴えられるだろう。w)

*将棋には一局の命運を左右するような『勝負手』を指さなければならない場面がある。劣勢な側が、このまま普通に指していたのでは『ジリピン』になると判断した場合、一か八かの『勝負手』を指して、乾坤一擲の勝負に出るわけである。これはプロもアマも同じと思う。

『そこで脱いだか、桃色パンティ!』というのは、彼の相手がいよいよ勝負に出たと判断したとき彼が発する言葉だった。Mさんはそこですわり直し、正座になってしばし長考に沈むのである。

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*次に『その手は食わない七色パンティ!』はどうかと言うと、彼が相手を褒めるとき発する言葉だったのではないかと、今の私は理解している。
 つまり、相手がこちらの指し手に応じて「ああ行けばこう行く。こう行けばああ行く」と様々な変化を用意しているのだと彼が見破った際、その『巧手』(?)を褒め称えて使ったのだと思うのである。
 無論私たちのレベルでは到底「七種類の変化順」などは読み切れる筈も無かった。せいぜいのところ2つか3つの『傾向と対策』を用意出来たら充分だった。

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*高校を出てからの私は田舎を離れたので、その後の彼のことは知らない。
 Mさんとは個人的な付き合いはなかったが、考えてみると、どういう経緯があったのか、Mさんを含む大人たちが数人連れ立って、一度私の家へ将棋を指しに来たことがあった。
 彼らは時に寿司屋の二階を借り切ったりなどして、徹夜で『賭け将棋』に興じていたのである。明るいうちは『普通の家』の方が良かったのだろうか、私とも指してくれたが、メインは関西弁の人相手の『真剣勝負』だったことは私にもわかった。後で聞いた話だが、小柄で坊主頭のその彼は、年恰好は四十絡みだったろうか、金を賭けない将棋は全く指さない人だったらしい。

 賭け将棋、賭け碁は天下のご法度だが、賭けマージャンは広く一般に行われているし、将棋に限っても、かつて朝日アマ名人の座に元『真剣師』(←賭け将棋で生計を立てている人のこと)が就いたこともあったくらいで、これは無くなることはないかも知れない。

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* 賭博罪(185条)

賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処せられる。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、犯罪は不成立である。

* 常習賭博罪(186条1項)

常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処せられる。

* 賭博場開張図利罪、博徒結合図利罪(186条2項)

賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処せられる。

* 富くじ発売罪、富くじ発売取次罪、富くじ授受罪(187条)

富くじを発売した者は、二年以下の懲役又は百五十万円以下の罰金に処するとされ、 富くじ発売の取次ぎをした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処するとされている。また、富くじを授受した者は、二十万円以下の罰金又は科料に処する。

 以上はウィキペディア『賭博罪』から借用しました。

 *日本国内の賭博に関する法律というところもあります。

 *ついでにノミ行為ノミ屋も。w

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 *「的屋(テキヤ)と博徒とは違う」と昔或る知り合いが教えてくれた。第一拝む神様が違う。テキヤは神農神であり、博徒は天照大神である。テキヤは街商で生計を立て博徒は賭場を開帳して収入を得る。賭場の私的開帳は禁止されて久しい。所謂「公営ギャンブル」というのは国や地方公共団体が主催する、いわば「賭場の(私的)開帳」である。「国や市が胴元なら賭博もまた可なり」なのである。パチンコや宝くじ(←富くじそのもの!)更にはtotoなどもギャンブルの一種だし、どうもこの『賭博罪』というのは曖昧である。イギリスのブック・メーカー等ともよく比較して、どこがどういけないのか法整備すべきだろう。石原都知事などはお台場にカジノを開帳したくてうずうずしている。

 *シェイクスピアは「人生すべて芝居!」と言ったそうだが、私が思うに「人生すべてギャンブルだ!」とも言えるのではないか。どの親から生まれて来るかは選べないとしても、その後の学校の選択、職業の選択、伴侶の選択・・等々、これすべて一種の「賭け」としか思えない。私たちは一寸先の未来も概ね予測不可能である。

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*行き掛けの駄賃というか、将棋ネタでもあるということで「渡辺明ブログ」というgooの人気blog(7/29付)に、以下のコメントをして来ました。45番目でした。w
(将棋界では今「名人戦」の移籍問題が大詰めを迎えています。)

弱肉強食の世界観? (goodmiwatya) 2006-07-30 23:18:28
>自覚が足りませんねえ。影響力の程度に関わらず、態度を表明するという態度が大事なんですよ。
>問題に巻き込まれないために黙ってやりすごすなんてのは、賢かろうがなんだろうが、所詮、姑息な人間のすることです。

・・という在米将棋ファンの方のご意見は正論です。
 以前私もこの移籍問題を少しだけ取り上げたことがありますが、そのときは毎日寄りのTBしかありませんでしたし、将棋ファンは概ね毎日に対して同情的なのだと思います。
 それはそうです。なんでまた朝日は性懲りも無く、他人の庭の芝生を欲しがるのでしょう?
 今や米・中執行部が責任を追及されかねないというところまで事態は進展しているのですね。
 彼らは朝日の甘言に篭絡されたのだという構図が既に描かれているということですか?
 あるいは世代交代の波が押し寄せて来ているとか・・?
 ただ世界はパワーポリティックスが席捲していますので、関係各方面を掌握した方が勝つのでしょう? 残念ながら「力が正義」の世の中ですからね。w
 私のように伝統文化としての将棋が好きな人間にあっては移籍問題など二の次で、勝手にしたら?と言いたい感じが拭えません。別に将棋は本来棋士や連盟や、まして新聞社などの道具ではありませんのでね。



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