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秋麗(あきうらら)

うーちゃんの節約日記です。
不思議だなと思う心、いつまでも忘れずにいたいな

閉業のお知らせ

質店は2021年8月に閉店いたしました。 昭和21年9月創業で75年間にわたりご愛顧賜りありがとうございました。

金とプラチナ逆転

2008-12-16 | シチの目
地金買取業者3店より毎朝、その日の買取価格一覧表がFAX送信されてくるので、それを参考に金やプラチナ貴金属の買取や質預かりをしています。

3店のうち1店はすでに12月初めより、プラチナは金より安くなっていました。
そして残り2店も先週末より、プラチナ価格は金より下回っています。


中国、インドだけでなくエジプトでも、装飾品は金製品がほとんどです。
ヨーロッパでも銀細工はたくさんありますが、それほどプラチナに固執しない感じがしていました。

でも日本人はプラチナが好きです。
ホワイトゴールドはプラチナが高くてやむをえない時という感じだったと思います。

ところがこのたびの価格逆転、この先どうなっていくのでしょう。
あのお盆前の高値の時に、全部売っておけばよかったと悔やまれます。
プラチナはお宝という意識が強かったのに・・・

プラチナ相場急落

2008-10-23 | シチの目
今年の夏より、金とプラチナの相場が下がっています。
特にプラチナ価格の急落ぶりはすさまじい。

お盆前までは7000円ぐらいまで高騰していました。
買い取った金やプラチナ貴金属を、お盆休み後に地金業者へ売ったときには損がでてがっかりでした。
ところがいまやそれどころではありません。

プラチナは原鉱石1トンから約3g(小さな結婚指輪1つ分)しか採取できないという、非常に希少価値の高い貴金属ですし、
年間供給量は194トンと金の1/20です。

さらに宝飾用以外に約62%が工業用として利用されています。
無公害燃料電池、自動車の排気ガスを抑える浄化触媒など、地球環境を支える最先端技術にも利用され、
21世紀の産業に不可欠な「未来の資源」として需要が高まっていました。

ところが今回の急落ぶりはすさまじく、10月に入り半分まで下落、今日はすでにPt900で2,159円。
金も1g3000円を超えていましたが、10/23現在K18で1,727円

なぜこんなに急落しているのか・・・

上がり過ぎの反動と見る向きが多いようです。
アメリカのサブプライム問題を発端にして先物市場の不安定さを加速させて、その不安が色々な市場を疑心暗鬼にさせはじめた。
そして投機資金に対する規制の動きが出始めていて、投機筋が一斉に手仕舞いに向かっていること。

また、プラチナについては自動車産業の不調が影響しているとも見られています。
プラチナは排ガス規制の自動車部品として使われているので、自動車関連のプラチナ需要が今後かなり減る見通しのようです。

それに比べると、やっぱり金はまだ安定してますね。
同じ下がるにしても急激ではなく緩やかに下がっています。

しばらくの間は金とプラチナの相場変動から目が離せません。

バーバリー傘で作ったエコバック

2008-09-11 | シチの目
もう5年以上前になりますが、バーバリーの折り畳み傘を買い取りしました。
本場イギリス製で、傘袋も日本のとは形が異なります。

折り畳むばねも日本のとは違って、どうして広げるのだろう?
少し硬いなと思って力を入れたら、バラバラに分解してしまいました。
もう少しで手を怪我するところだった。

もう売り物にならない!
しかしその傘の布地は、所々にバーバリーのロゴマークが織柄のように入っていて、捨てるのはもったいない。

 

それで店のスタッフに頼んで、傘布地でエコバックを作ってもらいました。
2つでききました。
傘を折り畳んで留めるベルトにBurberryのロゴが入っていたので、それはもう一個のほうにつけて、確か店頭で800円で売ったと思う。

残りは私がかれこれ5年以上愛用しています。
傘の布地は防水も効いているから、エコバックにお勧めです。

傘袋は、りユースのいいアイデアが浮かばなくて未だに引き出しで眠っています。


高価買取?

2008-08-27 | シチの目
転居のため電話加入権のことで来店されたお客様。
50代後半?の女性とそのお母様は80代。
「マンションに移るので家を片付けてますが、アクセサリー売れますか」と聞かれました。

そして次の日、また二人で来られて箱いっぱいのアクセサリーを持ってこられました。
どれもこれも大変キレイに保存されていて、丁寧に扱われていたのがよく分かりました。

アクセサリー類は一点づつルーペで確認して、素材が何か、どこのブランドかを調べます。
ディオールなど刻印あればオークション出品可能です。
箱の中にはプラチナや金の指輪が何点かあり、それらは地金として順当な買取のお値段でますから、全部で8万円で買取しました。

ノンブランドのアクセサリーの雑多なものは1点500円で店頭に出しました。
しばらくたって売れなければ不燃物ゴミ。

30年近くのあいだに溜め込まれた香水や、オーデトワレの類も多数。
箱が変色して、未使用のものもだいぶ揮発して減っていたりしました。

皮膚につけるとかぶれる可能性もあります。
部屋の芳香剤として使う方もおられるので、店頭でとりあえず500円。
これも売れなければゴミ処分としてお金がかかる時代になりました。

 


一つ目を引いた商品は
 

ピルケースの裏に「MELISSA Made in England」の刻印を確認。
外箱から判断するとかなり年代を経ていますが、
素材やつくりは上等な感じがしたので調べていました。

近いうちオークションで1円スタートに出品予定です。
どなたか欲しい人が検索で見つけて、いいお値段付いてくれるとうれしいな~

高価買取となるか、買い叩いたことになるか、
結果が楽しみです。

破壊検査

2008-07-16 | シチの目
最近はサファイア、ルビー、エメラルドなどの色石は持ち込まれることが激減しました。

でも相変わらずダイヤモンドはよく来ます。
高額な大粒のダイヤモンドだったらドキドキものです。
もし偽物だったり、ランクを見間違えたら大損ですから。

7/21終了の1円スタートオークションに出品したべっ甲商品。
これらも天然ものと合成人造物との見分けが難しい商品です。

石と違って、べっ甲や琥珀は触れてもひんやり感がないし、手で持ったときの重さでも分かりにくい。

宝石を鑑定するのにまず最初にルーペでみます。
今回は顕微鏡でもじっくり観察しました。
内側の模様や組織状態、細工するにあたり削られた断面などなど。

最終的には破壊検査といって、
熱した針を突き刺すと、組織が解ける時の匂いや状態でわかります。

しかし針で穴をあけてしまうと商品価値が落ちてしまいます。
それで今回は、他の質屋さんや宝石商の集まりで見てもらいました。
まず大丈夫であろうということで出品しました。

 

左上の象牙も偽物がよくあります。
琥珀もプラスチックでいかにも琥珀ようのものがあります。

トルコ石なども模造品が多く見分け困難です。
きれいなブルーの石、
人類が初期に掘り出した宝石のひとつであるのもわかります。

ツタンカーメンの埋葬仮面にもついていますね。
古代エジプト人が非常に好んだので、恐らく模造品が作られた最初の宝石になったといわれています。

ネイティブアメリカンやチベット人の「正真正銘の」宝石で用いられる素材ですら、模造品か、よくてかなり人工的な処理が加えられたものであるそうですよ。

ビジューファンタジー☆コスチュームジュエリー

2008-07-09 | シチの目
暑くなって素肌を出す部分が増えたこともあり、
シャネルやエルメスなどフランス製ビジュー(アクセサリー)は
出品してもすぐに売れてしまいます。

金や銀、プラチナなど貴金属を使ったものは少ないし、
ダイヤはじめ色石ももたいていがラインストーン。
パールだってフェイクですし、七宝焼きもよく用いられます。
アートの世界です。

貴金属と宝石で作られた「ファインジュエリー」に対し、
それ以外の素材で作られたジュエリーを「コスチュームジュエリー」

素材の価値にとらわれないで、デザインを重視したより自由なアクセサリーのことです。

元来、舞台衣装で見栄えがするようにコスチューム自体にスパンコールやガラス石をつけたもののことでした。

1920年に、フランスではファインジュエリーに重い税がかけられ、その対策もあり、あえてデザイナーが高価な石を使わずに自由にデザインをするようになりました。

宝飾品の全てを知り尽くした貴族や宝飾デザイナーに、
芸術家も加わって出来上がったビジューファンタジーは次々ヒットし、
女性の宝石に対する概念まで変えてしまいました。

その先駆者の一人がCOCO CHANELであることは有名です。

1927年にココ・シャネルが明らかにフェイクとわかる大きな真珠やガラスを使ったコスチュームジュエリーを発表。
彼女にとって、ジュエリーとは使われる素材に価値があるかどうかよりも、身に着けた人のファッションにあうかどうかということのほうがはるかに重要でした。

フェイクをたっぷりと大胆に。
これがココが築いたビジュースタイルです。

今やっと日本もその入り口にきたかの感があります。
コスチュームジュエリーが贋物、フェイク、代用品ではないという意識改革、これが着実に進んでいます。

20世紀始めにヨーロッパで誕生したビジューファンタジーが、
今日本でいわれるコスチュームジュエリーです。

これならあり?

2008-06-24 | シチの目
ボッテガ風、ピコタンタイプのバッグです。
革は上質、柔らかくて仕立ても上々。

形はエルメス・ピコタンにそっくりながら、入り口はスナップが付いた留めベルトと十字に留めフックがあります。
内側は布はり、ファスナー式ポケットと携帯ポケットもついてます。
おまけに取り外しできる付属のポーチも付いていました。

革を編んでるところは、数年前から人気のボッテガべネタふう。
こんな形のバッグ、ボッテガから出ているか確かめたかったので、ボッテガの売り場で探したけれど見当たらなかった。

韓国旅行へ出発する前に、店のお客さんが持っていました。
うわ~、素敵、私も欲しいよ~と思ってた。

今回の韓国旅行で、たくさんのブランドコピー品みました。
どの程度のランクかチェックしただけで、もちろん購入しません。
もし税関とかで見つかったらエライ目に遭います。

しかし今回のボッテガ・ピコタンはブランドには存在しないとほぼ確信が持てたので、友人とお揃いで購入しました。
機内持ち込みバッグとして使用してれば摘発されることないであろうと。
ただの革製バッグでしかないしね。

以前聞いたところによると、
中国や韓国では、ブランドコピー品であることを堂々と宣言して販売している。
ところがアメリカ圏では、本物と偽ってコピー品を売るのは姑息ではないかと。

日本ではコピー品を売ることも買うことも犯罪です。
最初からコピー品だと認識して海外で購入し、自分で持つのならまぁありかなと、同じアジア圏を援護射撃したくなります。
ブランドの商標登録を犯しているのは事実ですが、ほんとによくできているんだから。

しかしこれらのコピー品を質屋やリサイクル店へ持ち込み高値で買い取ってもらったという人もいます。
これはずるいね。

だまされるほうが勉強不足といわれればその通りなんだけれど・・・

偽ブランドの氾濫

2007-12-18 | シチの目
昨年度摘発された偽商品は約50万点、今年度は上半期だけですでに48万点ぐらいだと昨夜のニュースで聞いた。

ブランドコピー品は薬にもあり、中国やラテンアメリカでは国営病院ですら、偽薬を処方され死亡に至ったケースもあるらしい。

質店には時々コピー商品が持ち込まれますから、製造現場といわれる中国でどのようにして販売されているのか興味がありました。

11月に訪れた上海・豫園近くでは、偽ブランド品を持った人達が観光客にまとわりついてくる。


公然の場なのでか買う人は見かけなかった。
どの程度のランクの商品か手にってみせてもらうのも躊躇われた。

現地ガイドが希望者のみを自由時間に、ブランドコピー品を売るシークレットスポットへ案内してくれることになった。
連れて行かれたのは、豫園近くの5階建てビルのショッピングセンター、観光客向けの土産店で、5年前この店のレストランで昼食を取り、普通のお土産品を買いました。

今回、エレベーターで最上階まで上がると、薬局のような、事務所のような部屋に、店員か事務員というよりは警備員のような感じの男性が2人座ってこちらを検分する。
その脇を通り廊下の先に2重扉、その奥にブランド品が並べられた部屋があった。



値札はついていなくて、日本語の達者な中国人店員に聞くと、相手を見て値段をふっかける。
交渉次第で多少は値引いていたようだけれど、だいたい日本での新品価格の3分の1以下。

何人かの人が数万円を出してバッグや財布を買われた。
いつかこうしたコピー品が不要になって、質屋へ持って行っても、これなら簡単に見破れるなぁといった程度のランクで、スーパーコピー品ではなかった。

ここは上海を訪れる観光客向け、一般向けのショップのようだった。
もっとスーパーコピーが見てみたいけど、闇の世界に近いところまで踏み込まないといけないのかもしれない。

ヴェネチアンガラス

2007-12-08 | シチの目
このワイングラスとデキャンは今まで入荷したものの中で最高です。
持ち主にどこで購入されましたかと聞くと、
ベニスの工房で、一つの個室に案内され100万円以上支払ったそうです。

確かにいい仕事してます。
金箔貼りも厚くて禿げにくいように見えるし小花のデコレーションも上々。

で、いくらなら売れるのか今思案中です。
ご関心おありの方は直接お問い合わせ下さい。
info@ozasa78.com

ベネチア・ヴェネツィア、英語読みでベニスは、
ベニスの商人や、ベニスに死す、旅情など映画でも有名なイタリアの観光都市です。
早う行かんと年々沈んで来てるらしいと聞き5年前に訪れました。

本島全体が小さな島々から出来ていて、あちこちを細い運河が流れ、運河には大小の無数の橋がかかっています。
地上には狭い道路が迷路のように巡り、乳母車、車椅子以外の車は通行禁止です。

島のひとつにムラノ島があり、そこがヴェネチアンガラスの本場です。
観光客はたいていここのガラス工房の一つに案内され、仕事ぶりをみせてもらった後ショッピングです。

この画像のワイングラスとデキャンタも、そこで100万円以上で購入されました。
確かにワイングラス1客で数万円以上するものは、ショーケースに納められていて、貧乏人は眺めただけ。

こうしたヴェネチアンガラスが出来上がった歴史をかいつまんで書きます。

・・・・・・・・・・・・
ヴェネツィアはアドリア海の最深部ヴェネツィア湾にできたラグーナ(潟)の上に築かれた水の都です。
歴史は、世界史の名高い4世紀ゲルマン民族大移動に発するようです。
6世紀頃、ゲルマン系諸族やフン族が侵入してきたため、もともとヴェネト地方に暮らす住民がこの湿地帯へ避難。
干潟に杭を打ち込んで住める島としたらしい。

9世紀になって、フランク王国と東ローマ帝国との狭間で貿易都市として栄えるようになった。
聖マルコの遺骸をエジプト・アレキサンドリアから運び、サンマルコを守護聖人とした。
その後地の利をいかし、イスラム諸国とも交易、十字軍遠征やアジアとの貿易などで勢力拡大するも、大航海時代が始まると、貿易の舞台はアドリア海から大西洋や太平洋へと移り衰退を始めます。

しかしこのヴェネツィアはガラスやレースなどの工芸品を作ることで生き残りました。

それがこのヴェネチアンガラスです。
13世紀東方諸国のすぐれた産物をヨーロッパ諸国に独自供給し東西貿易の中心地となる中で、
その中でも最も珍重されていたガラス製品を、自国で生産すれば多大な利益を得ることが出来るとガラス製造に乗り出したことに始まります。

元々原材料や燃料を自国で産出できない土地柄なので、
ヴェネチアンガラスの技術が原材料の豊富な国々に漏れコピー製品が作られることを恐れたため強力な保護政策を取りました。
1291年には全てのガラス工房をムラノ島へ強制移住させ、
島外不出の掟と手厚い保護政策を加えることによって本格的な発達を遂げ、ルネッサン期にはガラス市場をほぼ独占しました。

当時王侯貴族は、エナメル絵付けの施されたガラス製品を持つことがひとつの社会的ステータスでした。
またこの時代にソーダガラスに消色剤を加え透明度の高い無色透明のガラス(クリスタッロ)の製法が確立され、これは他国には無い技術であり、王侯貴族の間で高く取引されました。

ガラス文化をヨーロッパ全土に広め、一時はヨーロッパ市場の90%を独占するほどの発展を遂げました。
現在でもムラノ島では多くの工房が軒を連ね、豊かな伝統技術を親から子へと受け継いでいます。

超A級品

2007-09-20 | シチの目

先だってTVで中国の偽ブランド品工場に潜入した場面が報道されていました。
広州周辺の「珠江デルタ」と呼ばれる地帯に
世界の有名ブランドの偽工場が集中しているらしい。
製造技術が向上し、判別が難しい超A級品が作られているとのこと。
偽ブランド工場では摘発を逃れるために2週間ごとに場所を移動しているとも。

ブランドの本物と偽者の見分け方。
これを情報公開して、偽者を製造する業者にも見分け方のポイントが伝わると、
そこが改善されて更に見分けのつかない偽造品が作られてしまいます。
そのためこうした場で公開することは禁じられています。

超A級品ってどんな程度なんだろうと気になっていました。
今回入荷した財布は、箱は完全に本物でした。

財布本体の革素材、縫製、どこをみても上等でした。
すこし革の手触りが柔らかすぎるような気はするけれど・・・
その気になってよくよく見ると折れ曲がるところの仕上げ具合も?
内側にある製番も?
しかしそれにしてもよく出来ています。
今までに見たことあるB、C級品とはえらい違いでした。

数々のコピー品に対抗するためかどうか、
ヴィトンの場合、今年より製番を変更したと言われています。

各ブランドの企業秘密をそうそう公開するわけないし、
製造番号の判別法は、ヴィトンが公式に発表したものではなく、
コレクターや研究家が多数のサンプルやデータから導き出したものだとも言われています。
製番は目安にはなっても、あまり信じこむのもね。

しかしブランドロゴをいい加減に刻印するのはそのブランドの恥ですから。
字体のフォントやサイズ、他の文字とのバランス。
これはセンスの問題で、本物とコピー品の差が結構でます。

洋服でも裏の始末などにプロとアマの差が出るもんです。
パッと見たところは一緒でも着心地が違ったりもします。
同じ素材を使っても仕事する人の技術の差が隠れたところにひそんでいます。

デザインに世界をうならせるコンセプト、
技術、素材へのこだわりが無ければ超ブランドとはなりえないから。


取り込み中

2007-07-14 | シチの目
しばらく前にダイヤの指輪の買取問い合わせがありました。
購入されたときはずいぶんな金額を出されても買取となると…
地金の重さとダイヤのランク次第でお値段がきっちりでます。

カルティエやティファニーはじめ超ブランドのジュエリーでなければ、
こんなはずはないというお値段になってしまいます。

その後連絡なかったので、やはり売るのをやめたんだと思っていました。
ところが6月終わりに何の前触れもなく、
その問い合わせた方から宅配便でジュエリー20点ほどが届きました。

受信メールをさかのぼってアドレスを探し出し、
だいたいの買い取り価格をお伝えしました。
するとただいま取り込み中で少し待ってくださいと返信がありました。

1週間すぎても返事がない。
取り込み中って何だろうと、いつもの如くいろいろシナリオ作りをしていました。

しばらくして、今度は結婚指輪だけが届きました。
裏に日にちの刻印も確かに入っています。
それでまた重さを量りメールで買い取り金額を伝えました。

これで数本のシナリオが1本化しましたね。
取り込み中が落ち着くのにあとどれぐらい待てばいいんでしょう。

客もいろいろ

2007-06-21 | シチの目
昨日電話で問い合わせがあったお客さんは、
先だって買い取りに出したプラチナのネックレスを返して欲しいと。

母親のものを黙って買い取りに出したので、
母親が激怒し警察に訴えると言っているというのです。

残念ながらその商品は買い取り後すぐに地金業者に売ってしまってありません。
何とかしてあげたくともどうしようもありません。
未成年ならともかく30歳過ぎた人が売りに来た場合、
ほんとにあなたの持ち物ですか、なんて確認しませんからね。

質預かりではなく、売りに来たということ事態、
ここの親子関係の複雑さを物語っています。

以前20代男性がパソコンを質預かりに持ってきたことがあります。
しばらくして、その父親が血相を変えてやってきました。
設計事務所の仕事で使っているパソコンの電源抜いて息子が持ち込んだようです。

よくよく話を聞くと家業で息子はただ働き、
もちろん家で食べさせてもらっているけど給料はもらっていない模様。
小遣い銭欲しさか、父親と喧嘩でもしてブチきれたのか・・・
このときは質預かりだったので、父親が支払って引き取って行きました。
買取ではなく質預かりはまだ救いようがあります。

家庭事情は、家それぞれ、されどそこまで介入できませんから。


5年ほど前の話になりますが、
高級時計を質預かりで持ってきた中年男性がいました。
きちんと利息も入れてくれて、時々違った時計を持ってきます。
時計が好きでコレクションでもしているのだと思っていました。

あるとき刑事さんがやってきました。
なんとその男性は時計の修理職人だったのです。
修理で預かった時計を、質入していたのでした。

適当に修理期間を延ばして、その間質屋の蔵に納まっていたわけです。
時計の持ち主はまさか質入されていたとは夢にも思わない。
修理が完了しましたといって手元に戻れば、誰も盗難届けをだすこともない。
で、警察に盗難届けが出ない限り、質屋もわかりません。

このときは修理に出した客が、修理期間の長さに嫌気がさして、
急に返して欲しいとでも言ったのでしょうね。
それで物が手元になくて大慌て、事件の発覚、逮捕となった次第です。

まぁこんなことはめったいないことでしょうが、
ものを見て、人をみて、お金を融通するわけですが、
そんな奥の奥の事情までは想像できませんからね。



偽金隗、うちの店にも来ましたよ

2007-06-06 | シチの目

画像はスイス銀行のインゴットです。
10g程度の小さいサイズを使って、時計の文字盤にしたり
ペンダントトップにデザイン加工したものは時々入荷します。

金の延べ棒で持ってこられると、1kg以上を計る比重計はありませんので、
地金やさんへ行かれることをお勧めして断ります。

6/4金隗詐欺団が逮捕されました。
大阪では去年の暮れからこの金隗があちこちの質屋に持ちこまれました。
昨夜のTVニュースでは、10数軒がだまされ1000万円の被害とのこと。

SWISS BANK CORPORATIONの刻印があり、形状も本物そっくり。
タングステンと金は比重が同じく19.3で、比重計では見破れない。

中身はタングステンでまわりを精巧に純金で覆ったこの偽インゴットは、
30万円程度らしいが、190~200万円で換金されたようです。

うちの店に比重計なくてよかった。

ただし来店した中年男性は胡散臭かったらしい。
残念ながら私は会ってません。
まだ冬の寒い頃、ジャンバーのポケットから風呂敷包み(袱紗?)をだし、
中から金の延べ棒を差出し、買って欲しいと言ったそうです。

1kgの純金は250万円以上します。
そんな高価なものを無造作にポケットに入れる人は少ない。

丁重にお断りしてしばらくすると、質屋のネット回覧板で、
偽金隗でまわっている模様、気をつけるようにというお触れがきました。

その後マスコミなどに余計な情報は流さないよう指示されていたので、
詐欺団が逮捕されるまで、ここで公開できませんでした。

やれやれ、セーフでした。


ダイタイソー

2007-05-31 | シチの目
TV番組はねるのトびらで、番組内100円ショップ「ダイタイソー」
100円のものだけでなく高額商品も一緒に置かれていて、
レギュラー芸人さんとゲストがその中から100円商品を選び出して自腹でお買い上げ。

台所用品やインテリア置物、衣類なんでもありです。
アメリカの99セントショップのものもあります。

プラスチック製でも時にはアンティークものだったりします。
これはいい仕事してる、とかこのずっしり感は高いに違いないとか、
皆であーでもないこーでもないと、選びに選んだつもりが、
レジに持っていくと、ギャ~!!ということになったりします。

いつぞやは黒い塊を選んで持っていくと、それは恐竜の糞の化石でした。
値段は忘れたけど数万円だったかな?

最近は100円ショップへいけばたいていのものが揃います。
つい最近購入してよかったものは、お風呂場の排水溝の蓋です。
銅製の網目の周りをゴムパッキンで囲まれています。
鉄や銅が高騰しているというのに、100円とは安すぎます。

こうして品物が氾濫する中で、
価値あるものとそうでないもの、骨董的価値があるものないもの。
市場が欲しがらなければ博物館的に値打ちがあっても簡単には売れません。
当店にとっては中古市場でどれぐらいで動くかが一番大事なことです。

ものを見極めは難しいし、さらにそれに値段をつけるのは至難の業です。
自分がそのものの値段を決めているなんて、
言い切れる鑑定団の面々はすごいです。

その点ブランド物は値段がはっきりわかるので、
真偽鑑定だけですむのである意味楽チンですね。

天保小判

2007-05-09 | シチの目

質屋には記念コインや切手、小判などもよく持ち込まれます。
1964年の東京オリンピック銀貨など、コインショップへ持っていっても、
1200円ぐらいでしか買い取ってくれません。
平成天皇のご成婚記念100円銀貨なども、銀行でそのまま100円です。

お宝のような気分で引き出しに貯まっていた昭和時代の銀貨や切手、
テレフォンカード、以前すべて売りに行きましたが、がっかりしました。

今回持ち込まれたのは、江戸時代の天保小判です。
昭和30年(1955年)大丸大阪店貴金属売場で購入された鑑定書付でした。
まず日本貨幣カタログで調べます。
 
ネットでみたら20万円前後で取引されているようです。
大吉というものは100万円を超えてたりします。
微妙に種類があって、どこが違うのかさっぱり??
はていくらで買い取ったらいいものか悩みますわ。

マニアで流通するお値段は別として、
めちゃくちゃ興味深いことがわかりました。

 ………・・・・・………
幕末の1859-60年の一年間で、米英の商人により日本から海外に流失した小判は約50万両と言われています。

1858年日米修好通商条約を締結後、
1859年6月横浜・長崎・函館の三港が開港すると、野心に燃えた外国人が来日し貿易が始まった。
アメリカのある青年が大商人の父から1万枚の洋銀を借り、生糸やお茶を輸入し
日米間の貿易を行うため、洋銀を日本の通貨と換えることにした。

当時の公定レートは「天保一分銀3枚=洋銀1枚」
1000枚分の洋銀を天保一分銀3000枚と交換しようとすると、
両替商は天保一分銀の持ち合わせがなかったので、「4分=1両」の割合で天保小判750枚(750両)と交換したいと申し出た。
アメリカ青年は喜びをかみ殺し冷静に取引を続け天保小判を持ち帰った。

日本では銀と金の交換比率が5対1、世界標準の銀と金の交換比率は15対1。
なんと3倍も異なる比率だった。

秘密裏に全洋銀を7500枚の天保小判に換え、
上海に行きイギリス商人と交渉し小判を2万7000枚の洋銀と交換。
横浜に戻り、またも両替に走り回り再び上海へ。
四度目に横浜へ来たときは、洋銀は15万枚に膨らんだ。

やがて日本人が天保小判の価値に気づいたころ、
彼は黄金の国ジパングから戦利品の10万両の天保小判を祖国アメリカへ持ち帰った。

天保小判の金の含有量は、品位は57%、6.4gもの黄金が小判には含まれていた。
1860年(安政7年)2月、幕府は「直増通用令」を公布し、天保小判の対銀レートが3倍に引き上げ、 
さらに同年(万延元年)4月、金の含有量が3分の1に減らされた万延小判が発行された。
やっと日本の金銀交換比率が、国際標準に一致した。