安倍流人事観が肯定する朝青龍の横綱の品格

2007-07-28 00:59:00 | Weblog

 一昨日、どの局のテレビだったか忘れたが、モンゴルに帰っていた日本の国技大相撲の横綱・朝青龍とサッカーを引退した中田英寿が同じチームの一員となってサッカーの親善試合に興じ、中田の朝青龍にシュートさせるための巧みなパスを受けてやっとゴールすることができて二人で抱き合って喜ぶシーンを流していた。

 そのあと昼のワイドショー番組だかで、朝青龍は名古屋場所後腰の疲労骨折で全治6週間の診断を受けて8月3日から20日までの夏巡業を休むことになっていたにも関わらず、それがウソのように元気よく飛び回っていた、あれだけ身体を動かせるなら、巡業に参加すべきだ、横綱としての品格が問われるといったふうに批判していた。

 大体が「品格」などというものは安倍首相の「品格」と同様に見せ掛けで成り立たせていることが殆どだと思っているから、たいした問題ではないと関心を寄せなかった。

 昨27日の朝日朝刊のスポーツ欄を見てみると、≪朝青龍、「骨折」中にサッカー≫と出ている。<騒動から一夜明けた同親方は(師匠の元大関朝潮・高砂親方)は帰国の件は知らなかった、と言い、「詳しい事情は本人が帰ってきてからだが、あんなことで巡業に出ないというのは絶対におかしい」と苦言。入院するか、土俵入りだけでも巡業に参加するか、問う予定だ>(一部引用)とのこと。

 これとの隣接記事に(渡部耕平)の署名入りで、≪職場放棄に相当 処分必要≫の見出しで厳しい批判を向けている。分かりやすくするために箇条書きにしてみた。

①腰の疲労骨折で全治6週間としながら、モンゴルでサッカ
 ーを楽しんでいた。仮病と疑われても仕方がない。サッカ
 ーをする体力は温存していても、夏巡業は休む。企業で言
 えば、職場放棄とも映り、横綱にふさわしくない行動で、
 実に残念だ。
②夏巡業は財政が破綻した北海道夕張市では市民への励まし
 を込め、上越市では新潟県中越沖地震で被災した人たちを
 力士が訪問する。気は優しくて力持ち、という力士(がど
 れ程いるか知らないが)の心意気を示す場となるはずだ
 が、その頂点に立つ横綱がファンの期待を裏切った。
③49年10月、当時の横綱前田山は秋場所(大阪)を大腸
 炎を理由に7日から休場しながら、東京に帰って日米野球
 を観戦。その場面が新聞に報じられて出場停止処分を受け
 、その場所を限りにまげを切ることになった。
④今回の朝青龍の一件は本場所中ではないが、あまりに軽率
 だし、モンゴルへの帰国も親方に報告していなかった、以
 前からも問題行動が多い。厳しい処分が必要だろう。

 こういった一種の信賞必罰の考えは安部流人事観からしたら、決して馴染めるものではあるまい。安部首相は、柳沢にしても松岡にしても久間にしても、赤城にしても、残念ながら選挙都合や支持率確保都合で辞任させざるを得なかったケースもあったが、基本的には閣僚がスキャンダルを起こしたとしても、その不見識・不行跡よりも各閣僚の才能を優先・重視して、才能に関わる見識を生かして職責を果たせばそれでよしとする安部流とも言うべき人事観を持っていた。

 松岡前農水相の場合、安倍「政策分野について、相当の見識がある。今後とも職責を果たすことで、国民の信頼を得る努力をしてもらいたい」

 問題発言を起こした麻生軽量外相にしても、高市早苗と似た者夫婦の山本副にしても安部流人事の恩恵を最大限に受けて首がつながっているのだろう。

 安部流人事観に照らし合わせたなら、何しろ大鵬32回、千代の富士31回、北の海24回、貴乃花22回に次ぐ21回の優勝、うち5回の全勝、平成の大横綱とも言われている成績抜群の名横綱である、その才能を優先・重視して、今後の横綱としての才能面に関わる力量を「生かして職責を果たし」さえすれば、少々のスキャンダル・不行跡、あるいはそれが職場放棄ともいうべき無責任行為であったとしても、免罪されるべき事柄ということになるのではないだろうか。

 安倍晋三は日本の首相・総理大臣として日本国のトップに立つ偉大な人間である。そういった最高の地位にある人間の安部流人事観を大相撲も見習うべきだろう。安倍首相にしても国家主義者として国民がすべて自分に従うことを欲しているはずだ。赤城農水相も首がつながっているのである。下痢を起こして予定日に帰国できなかったが、日本米の販売に合わせて中国入りし、日本米を宣伝する職責を果たしてもいるのである。

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