軽量・軽薄麻生の対障害者意識の低さと安倍の対応

2007-07-21 08:09:05 | Weblog

 「アルツハイマーの人でもわかる」

 軽量・軽薄麻生の「奥さん方に分かりやすく言えば、小沢一郎の顔を取りますか、安倍信三の顔を取りますか?どちらが奥さんの趣味に合いますか。それが問われる」と投票基準を政策や政治的な誠実さではなく、党首の顔に対する「趣味」に置いた発言に続く、<1俵1万6000円の日本の標準米が、中国では7万8000円で売られているとしたうえで「どっちが高いか。アルツハイマーの人でもわかる。ね。こういう状況にもかかわらず、中国ではおコメを正式に輸入させてくれませんでした」>(≪「アルツハイマーの人でもわかる」麻生外相が講演で発言≫)と理解基準を軽々しく「アルツハイマーの人」に持ってきた発言。「美しい国つくり」を担う内閣の一員だけのことはある「美しい」発言となっている。これも「美しい国づくり」の一貫なのだろう。

 「こんなことはバカでも分かる」と理解し易さの目安(理解基準)に「バカ」を持ってくることがよくあるが、この場合の「バカ」は特定した具体的存在を指すわけではなく、一種の慣習的な基準に過ぎないが、「アルツハイマーの人でもわかる」は、「バカでも分かる」の非特定性を剥ぎ、慣習的な基準を大きく破って、理解基準に特定した具体的な存在を持ってきたものとなっている。

 確かに麻生発言は一見何気ない発言のように見えるが、誰でも分かるとする理解基準にわざわざ「アルツハイマーの人」を持ってくること自体が、「理解能力を失っているが、そういった理解能力を失っているアルツハイマーの人間でも分かる」としているということで、それだけで理解基準を具体的に特定する差別意識が働いている証拠なのだが、百歩譲って障害者全般に対してではないとしても、少なくとも軽量・軽薄麻生のアルツハイマー病とその患者に対する理解と認識の低劣さの表れとその結果としての差別を示すものだろう。

 このような不合理性は<1俵1万6000円の日本の標準米が、中国では7万8000円で売られている>とする主張の客観性を欠いた自己都合の発言からも窺える。<日本から中国へのコメの関税率は68%>(≪大きな国で:コメの輸出≫)と言うことだが、それに対して日本は外国産米に490%もの高関税をかけて国内米作農家を保護しているのである。「中国ではおコメを正式に輸入させてくれませんでした」と言うなら、日本のコメ輸入関税を少なくとも中国に対しては中国と同じ68%程度に引き下げてから、言うべきだろう。それが互恵と言うことではないか。

 それをしない合理性を欠いた自己都合を棚に上げて、「どっちが高いか」誰でも分かるとする理解基準に、その〝誰でも〟を強調する意味で「アルツハイマーの人」を持ってくる。程度の低い人間でなければできない発想であろう。

 中国が自国米を日本に輸出できるようになれば、中国も日本の米の輸入に動くだろうし、そうなれば<1俵1万6000円の日本の標準米が、中国では7万8000円で売られている>といった高給米として売りさばくボロ儲けの影は潜めるに違いない。

 昨夕の日テレのニュースで、コメンテーターを務めている田宮とか言う元刑事だとかが軽量・軽薄麻生の発言を「悪意があって言ったのではない。もし『子どもでも分かるでしょう』と言ったら、みんな怒るでしょうか」とトンチンカンなことをさも真面目臭って言っていたが、「子ども」を誰でも分かるとする最下位の理解基準に持ってくるのは知識の年齢的な未達性を基準とした譬えであって、器質的障害が病因となっているアルツハイマー患者のその気質的な障害を以てしても理解できるとする意味の譬えとは明らかに置き換え不能であって、軽量・軽薄麻生と同じレベルのアルツハイマー患者やその近親者の苦悩を敏感に感じ取ることができない鈍感さを示した発言でしかない。 

 今朝(07.7.21)早朝の日テレ24が軽薄・軽量麻生のぶら下がり謝罪記者会見を報じていた。

 軽薄・軽量「譬え話、に使った譬えとしてあり、不適切なものがあった、ということだと後で伺って分かりましたもんで、この件については発言を撤回すると共に、このことについて、不快の念を持たれた方々、また関係者の方々にお詫びを申し上げたいと思っています。特に安倍総理から、何(も、と言おうとして、言い替えたのだろう)、注意等々の話はありませんでした」

 他人事を話しているような事務的、機械的な言い方に終始していて、軽量・軽薄ぶりを如何なく発揮した謝罪となっていただけではなく、「お詫びを申し上げます」と謝罪で決着をつける言葉を使わずに、「お詫びを申し上げたいと思っています」と「~したいと思う」という意思表示の言葉を使うことで謝罪を〝欲求〟の時点にとどめ、それを曖昧化する狡猾ささえ見せている。

 「特に安倍総理から、何、注意等々の話はありませんでした」と、それを以って「注意」を受ける程のことではないとしたい意識を働かせたようだが、安倍総理の方は問題を大きくしたくないから沈黙を守っただけのことだろう。そうであっても沈黙は結果として軽薄・軽量の発言に何ら批判を加えないこととなり、アルツハイマー病及びその患者に対する自身の認識をも沈黙させる、首相にあるまじき態度を示す結果となっている。

 安倍首相を筆頭として、安倍内閣は美しいばかりに情けない面々ばかりではないか。
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 参考までに引用記事。

 ≪「アルツハイマーの人でもわかる」麻生外相が講演で発言≫(07.7.20/『朝日』朝刊)

 <麻生外相は19日、富山県高岡市内で講演した際、国内外の米価を比較する例え話の中で「7万8000円と1万6000円はどちらが高いか。アルツハイマーの人でもわかる」などと発言した。

 麻生外相は、国内の農産物が高いと思われがちだとしてコメの価格に言及。1俵1万6000円の日本の標準米が、中国では7万8000円で売られているとしたうえで「どっちが高いか。アルツハイマーの人でもわかる。ね。こういう状況にもかかわらず、中国ではおコメを正式に輸入させてくれませんでした」などと述べた。

 参院選富山選挙区(改選数1)に立候補した自民の野上浩太郎氏の総決起大会に出席するため、同県を訪れていた。>

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