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僕は、20世紀最強の格闘家は、(牛を倒したマス大山を別格として)アントニオ猪木だったのではないかと考えています。
根拠は、かのアリ戦です。
この試合において、わずか3日前に決定されたルールは、
レスラーである猪木にとって、あまりにも不利な内容でした。
立ち蹴りやとび蹴りは全て禁止、
仰向けに倒す通常のタックルも、後頭部への攻撃と見なされるため反則です。
また現在の総合ルールと異なり、アリはロープにしがみついてテイクダウンを逃れることができます。
そのままブレイクがかかり、離れた状態で試合が再開されます。
猪木が組み付いてきたら、アリはただロープをつかめばいいわけです。
肘打ち・膝蹴り・チョップなども禁止されていたので
実質的な立ち技は、平手打ちと足払いくらいしか認められていなかったことになります。
(この足払いを拡大解釈して、スライディングキックが使われた)
また、仮にダウンを奪えたとしても、8カウントを数えるうちは追撃を認められません。
実際、猪木はアリから何度かダウンを奪いましたが、寝技に持ち込むには至りませんでした。
寝技をはじめ、レスラーの得意技は、ほぼ全て封じられていたわけです。
一方のアリは、全てのボクシング技が使えるだけでなく、
グローブを外して戦うことも認められていました。
この、200%ボクサー寄りのルールにおいて
試合を受ける挌闘家が、他にいるでしょうか?
しかし猪木は、実際にこのルールで
現役の世界ヘビー級チャンピオンと引き分けたのです。
しかも、アリは試合で受けた左脚のダメージで入院しています。
なお、左脚に攻撃を集中するよう猪木にアドバイスしたのは、マス大山でした。
絶体絶命の状態で活路を見出す勝負強さは、まさに猪木独特のものです。
やはり、20世紀の比類なき挌闘家だったといえるでしょう。
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