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二天一流は「刀身の重量」を最大限に活用した剣技だった

2011-12-08 13:03:41 | 武学
宮本武蔵の記した「五輪書」には、二天一流の足づかいについて

「つま先をあげ、かかとを強く踏む」

と、あります。

これは、現代剣道ではおよそ考えられない足づかいです。
通常のかかとを浮かせたフットワークより遅いと予想され、
とうてい試合に通用するとは思えません。

この謎を解くカギは、武蔵が軽い竹刀ではなく、鉄でできた真剣を二本も構えていた点にあります。

真剣は鍛え圧縮された鋼でできていて、相当に重いものです。

それを、片方の端だけつかんで中段に、しかも二本も同時に構えたら、当然、それだけで体が前につんのめるはずです。

武蔵は二刀を構えるとき、つま先でしっかり地面を踏まえ、二刀の重みで体が前に倒れないよう、ブレーキをかけていたはずです。

この状態で

「つま先をあげ、かかとを強く踏む」

を実行すれば、やってみるとわかりますが、徒手だったら不可能なほど、凄まじいスピードが出ます。
それはまさに静から動への理想的な移行です。静止状態から、いきなりトップスピードに移行するのです。

武蔵は中段を構えの大将とまで述べていますが、それは道理で、真剣においては中段こそ最も迅速に動けるはずだからです。



これはもちろん、現代剣道には存在しない技術です。竹刀の重量を前提とした技術しか存在しないからです。

スポーツチャンバラでも、ウレタン製の刀の重さが技の前提となっているので、真剣の技術がそのまま使えるわけではありません。

二天一流をはじめとする伝統剣術の技が、現代剣道やスポチャンに通用しなくても、それが直ちに実戦的でないなどとは言えないのです。





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