東京都武蔵村山市議 すどう ひろし(須藤博)のページ

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浜岡原発停止は、民主党の「使命」!

2011-05-13 20:12:51 | 地方議会
東日本大震災にあたって、民主党が政権を担当していて、しかも市民政治家上がりの菅直人氏が総理大臣だったという偶然は、あまりにも見事な「天の采配」である。

産業界と自民党が一体になって進めてきた原子力政策にブレーキをかけるという難題は、やはり民主党政権でなければ出来なかっただろう。ましてや一部識者の間では常識になっていた「浜岡原発の即時停止」の英断は、市民政治家出身の菅直人氏だからできたことだ。

原子力は、素晴らしい魅力と悪魔的な破壊性とを併せ持っているが、いったん制御不能に陥ったときの際限のない怖さを、私たちは福島第一原発で思い知った。そして、活断層の真上にあって、東海地震の予想震源域の「ド真ん中」に位置しているのが、浜岡原発である。

もし大地震で浜岡原発が壊滅したら、静岡県を中心として関西にも首都圏にも放射能雲が押し寄せて、計り知れない被害が発生すると言われている。まさに日本が潰れるほどの大問題だ。このことは、一部の識者や市民の間で長いこと訴えられていたが聞き入れられる事はなかった。

福島第一原発の事故が起きたことで、やっと浜岡原発の停止が出来たのは、むしろ遅すぎると言って良いくらいだ。菅総理の独断専行だとか政権延命策だとかの批判もあるが、仮にそうだったとしても許されるほどの大英断である。

ただし、更に高い防波堤が完成するまでの一時的な停止というのでは甘すぎる。大規模な津波は、薄い防波堤を簡単に破壊するし、直下型の大地震に原子炉プラントは(特に配管類)まったく耐えられない。全国の原子炉をすぐに止めることは現実的でないが、地震対策がほとんど不可能な浜岡原発だけは、何としても永久廃炉にすべきである。

これまでの民主党の政権運営は、外交・防衛や党内対立などで弱点が目立ったが、原子炉という難問に当たるには、過去を引き摺っている自民党よりはるかに適任である。私は、原子炉問題の処理だけでも政権交代の意味があったとすら思っている。菅総理が、低支持率にもめげずに辞任しなかったことも、今になってみれば幸いなことだった。


原子力に頼らないエネルギー政策がすぐに立案できる見込みがない以上、浜岡以外の原子炉は徹底的な安全対策を立てられねばならない。原発に依存していた地域経済の立て直しも必要になってくる。政治はまさに正念場だが、未曾有の大災害と戦っている菅内閣の足を引っ張るのは国民のためにならない。与野党を超えて復興に当たることこそが、政治の信頼回復への王道ではないだろうか。