東京都武蔵村山市議 すどう ひろし(須藤博)のページ

真実の政治・住民本位の政治が私の信条です。

批判と提言の比重

2009-04-05 11:19:54 | Weblog
私は、批判精神はそう少なくないと思っているが、議員として町の政策決定に関与する責任ある立場になってから、批判的な部分が減った自覚している。一市民として自由な立場だった頃は、どちらかというと、まず批判から入るという思考パターンだった。学生時代に新聞記者の勉強をした経験から、物事を裏面から推測して、何か陰謀がありやしないかと推理をするのも大好きだった。

しかし議員という立場は、その発言が政策を左右する部分があり、無責任な発言は許されなくない。また、所属する自治体の行政に対する調査権が保証されているので、疑問点は直接に役人に聞くことができるし、読みこなすのがきついほどの分量の行政資料も貰えるため、一介の市民だった時よりも情報量は格段に多くなり、行政の内部事情もわかるようになった。

外部から見ると、行政のやっていることが無駄が多くて理不尽に思えた部分も、直接仕事をしている担当者の話を冷静に聞くと、自分が同じ立場でもそういうやり方になる、と判断せざるを得ない場面も少なくない。十分に話を聞き、法令や慣例なども判断した上で、やはりおかしいと思えば厳しく批判もするが、たいていの場合は役所側の努力や工夫を促せば解決する事例がほとんどだ。

市役所の仕事は膨大で多岐にわたっており、私はまだ2期6目なので、役所の仕事の実像がやっと見えてきた段階だ。他市の民主党の先輩議員が、3期目を終えてやっと市役所がわかってきたと言っていたが、その通りだと思う。須藤は批判が足りないとの「批判」もいただいているが、私は案外慎重な性格である。基本的知識が十分でない段階での素人判断だけでの批判は、ときにピエロになりかねない。むしろ、今までは政策提言とか、一市民として、自分のライフワークである政策を実行していく活動に自然に傾いている。

議員の平均的な在任期間を調べてみると、精々3期くらいなものだが、仕事をやっと覚えた時点でいなくなる議員がほとんどという状態では、役人と渡り合って、堂々と政策論争や批判を繰り広げられる議員が少ないのも当然かもしれない。

今議会(平成21年3月議会)の予算審議を通して、自分の仕事の6年目の総括をしてみたが、提言や要望はそれなりに実現したように思う。役所の仕事の「チェック」と「提案」は議員の仕事の両輪であり、提案に片寄ると「お願い議員」とたいして変わらない。チェックと提案(指摘)とバランスに取り方は、議員のスタンスとして大事であり、どちらかに片寄ってはいけないと自戒している昨今である。