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思いでの名(?)馬 ~ロサード 1~

2004年10月10日 | スポーツ
日曜日のテーマは『競馬』です。ええ競馬ですとも。
本日は忘れえぬ栄光の名馬について、語らせていただきます。その名も

ロサード 父サンデーサイレンス 母ローザネイ 母父Lyphard 橋口厩舎 社台ファーム

です。
「どこが名馬やねん」という至極もっともなツッコミが各方面から聞こえてきますが、そんなもの僕の耳には入りません。
ロサードは名馬です。僕がPOGで指名した馬の中で最も出世した、最も思い入れのある馬です。
たとえ去年指名したメイショウボーラーが早熟に終わらず、G1を勝つことがあったとしても、「私的思いでの名馬ランキング」1位の座はロサードのまま、いささかも揺らぎません。

POGをやらないかと誘われたのは、僕の中で競馬ブームが下火になっていた頃でした。
初めてのPOGということで、ノールールをいいことに節操なく5頭指名したサンデー産駆のうちの1頭がロサードです。
他のサンデー産駆たちが「2勝」「1勝」「未勝利」「デビューできず」と相馬眼のなさを露呈しまくる中、ロサードは新馬戦を快勝すると、G3新潟3歳(当時)Sまでフラフラとした足取りながら素質だけで勝ってしまいました。
函館3歳(当時)Sを制覇したリザーブユアハートも指名していた僕は「POGなんて簡単じゃんw」と優越感をおおいに刺激され、悦に入りました。

そして迎えたG1朝日杯3歳S(当時)。初めての「オラが馬」が出走する最高峰のレースです。
普段ろくに見もしないパドックを食い入るように見つめ、解説者のコメントに一喜一憂。画面の端っこにロサードが写っただけでなんだかうれしくなってしまいます。
馬券はもちろんロサード流し。心情馬券初体験です。
そしてついにゲートとともに、大舞台の幕が開きます。ちっこいカラダのロサードは後方待機。
我が子(?)の勇姿を見つめるうちに、だんだんと僕の心境が変わってきました。
「勝ってほしい」から「無事に完走してほしい」へと。
馬券なんてどうでもいいから、とにかく故障せずに帰ってきてほしいと。
ロサードは特に見せ場もなく9着に敗れ、馬券は紙クズとなりました。しかし、恵まれない体格で懸命に走ってきた彼の姿に、ほっとしている自分がいました。

たぶんその時から、僕の中で競馬観が変わりました。
それ以前から、毎週競馬中継をスポーツとして楽しんではいましたし、前月のサイレンススズカの急死には感傷的にもなりましたが、まだまだ僕は競馬というものを知らなかったんだ、と思い知らされました。

一頭の馬がデビューし、G1の舞台に立つ。その裏には、数え切れないほどの人々の思いが渦巻いている。そんな当たり前のことに気づかされたようでした。
POGを通し、単なる文字や戦績や血統のつらなりではない、ただの記号ではない、一頭一頭の馬たちの存在を再認識させてくれたのが、ロサードでした。
だからいつまでも「私的思いでの名馬ランキング」におけるロサードの地位は、決して揺らぎません。

※次回は「たたかえ!ろさ~ど ~地獄のクラシック戦線編「遅刻してきたアイツは最強馬の巻」~」をお送りいたします。