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晦(読めますか?)

2004年10月05日 | ゲーム
火曜日のテーマは『ゲーム』です。
今回紹介するゲームはタイトルにあるとおり、

『晦(つきこもり)』機種:SFC ジャンル:サウンドノベル メーカー:パンドラボックス

です。
これは前回紹介した『学校であった怖い話』の続編的作品で、正統派怪談サウンドノベルの良作です。
しかし、PSに移植されることはなく、たいした話題にもならず歴史の闇へと埋もれていきました。
どうしても「学校の怪談」という制約に縛られた前作とは違い、ディレクター・冒険家・看護婦・主婦・大学生・小学生といろいろな立場の語り手がいる分、話のバリエーションも多く、飽きずにフローチャート埋め・・・もといプレイを楽しめます。

では、正統進化を遂げた今作がなぜ日の目を見なかったかというと、それは高すぎた難易度に問題があったと思われます。
ただのサウンドノベルでは、近ごろの娯楽と誘惑に慣れきったプレイヤーに退屈されると危ぶんだのか、今作ではRPG的要素を取り入れ、謎めいた館の中を探索する話などがあります。
だがこれが難しすぎる。
ちょっと選択肢を誤るとあっという間に失敗。失敗失敗の連続で、だんだん選んではいけない選択肢を分別するだけの作業的になっていきます。
しかも中には、2つめの選択肢で「2番」を選んだ時点で実は失敗確定。以降は普通にストーリーが進むけど最後の最後で確実に失敗 というあんまりなワナまであります。
これが「かまいたちの夜」のようなミステリだったら、推理で犯人にたどり着けたりするのですが、そこはただの怪談。論理のメスが怪奇現象に通じるわけもなく、選択肢総当たりでかかるしかありません。

RPGパート以外でも、看護婦の正美おばさんの6話目が極悪。
この話は多くの分岐で計11個のエンディングがあるのですが、そのうち10個がゲームオーバー。一口に11個といっても、やたらと多い選択肢をいくつもいくつも経ての11個ですから、結末がゲームオーバー=やりなおし だった時の徒労感は格別です。

なんやかやと文句は付けながらも、今回もフローチャートは全て埋め尽くしたこの作品。
ヒマつぶしにいかがですか?