まただいぶ時間があいてしまいました。
その間、猛烈に忙しく、土日もなく家には寝に帰るような生活で
それでもほんのちょっと何か作ってたりはするんですが(おい)
それは置いといて
あるところで、偶然、懐かしい本に遭遇しました。
これです。
廣田尚敬「魅惑の蒸気機関車」(あかね書房・刊)です。
今から考えるとすごいなあと思うことですが、私が小学生のころは「男たるもの、鉄道(&鉄道模型)も知らないでどうする!」という時代だったんですよ。そんなとき、同じクラスの友達がこの本を持っていました。見せてもらって自分もどうしても欲しくなりましたが、本屋であらためて確認したら値段が当時の小遣いの3ヶ月分! 親に何度も頼んで(何か条件をだしたんだろうと思います)やっと買ってもらったのがこの本でした。
以来、ヒマさえあれば飽きずに眺めていました。
その年の正月に、クリスマスプレゼント兼お年玉として16番の入門セット(EB45と金属道床のエンドレス、今井製作所のパワーパック)一式を買ってもらい、一気に模型生活に傾斜していくのですが、そのきっかけのかなりの部分をこの本は占めていると思います。
で、いつのまにかなくなってしまったこの本(2回も引っ越ししたからねえ)ですが、手に入れて久しぶりにめくってみると、これは蒸気機関車の本というより「蒸気機関車のいる風景」の本なのだと気付かされます。小学生当時も実はそんなことを思っていました。ちょうどTMS特集シリーズの「レイアウトモデリング」を入手、摂津鉄道の記事にいたく感激していた頃でしたから、「こんな感じで蒸気機関車が走るレイアウトが作りたいな」なんて思っていました。
それから多少のいきさつがあってナローに興味を持ち、それ以来国鉄型の蒸気機関車に執着はなくなってしまうのですが、「鉄道車両は常に風景と共にある」ことは、私の頭の中から離れることはありませんでした。
近年になって、廣田さんの「Fの時代」という写真集を入手したのですが、やはり廣田さんの写真は鉄道を風景まで含めて鋭く切り取ったものだと感じます。
そんな風景まで含めて、それが鉄道全体なんだろうと、あらためて感じました。