アジト

平日も日曜日もやっていて
疲れたらその店で、
昼からビールなどを飲んで休んだりして、

夕方まで通しで営業していて
適当に食べ物があって、
長くいても文句はいわれない
しかも、知り合いや患者さんにはなるべく会わない、
そんな店が
アジト
としては
最高なのです。

誰にも知られず、
ひっそりと雑誌を読んだり
昼間から常連さんが酒盛りをしていて、
その常連さんたちの与太話に
耳をそばだてたり、
そんな場所がアジトなのですが、

先日、店に入ったら、
ばったり患者さんと目が合ってしまいました。
「あらーセンセー、こんなところでお会いするとは
思ってなかったわ～。
エンセ、よく来るのこのお店？
私気に入っちゃったわ、ここ。
これから、使わせていただくわ、ここ。」

ひっそりと誰にも知られず、
使わせていただきましたが、
これで、
このアジトを捨てることになりました。

この前のスナックの閉店で、
行くところが減ってしまったのですが、
これでまた、もう一つ減ってしまいました。

SM

昨日はは暖かく、ホントコートが要らないくらいです。

暖かさに誘われて、フラフラと街へ出て、
本屋さんで、
「おじさん図鑑」という本を発見。

おもしろそうなので、即購入。
いやはや、
当てはまること、当てはまること。
本を見ながら、
ニヤニヤ笑ってしまいました。

作者はほんとよく観察しているなぁ、と
感心することしきり。

ハンチングを購入しようかな、
などと考えていましたが、

この本によると、
「おじさん基本の帽子」は
ハンチングでした。
思わず、あははと声が出ちゃいました。

どうやら立派におじさんをしているようです。

先日、
「お腹にキョロキョロしたものがあり、痛くなるんです。」
とやってきた若い女性。

ベットに寝てもらって、診察したのですが、
よくわかりません。
立ってみるとよくわかるんです、というので、
立って触ってみると、どうやら肋軟骨のようです。

「あぁ、これは肋骨の軟骨で、みんなあるんだよ。
ほっといても大丈夫だよ。
キョロキョロしてても心配ないから。」と言っても、
腑に落ちない様子。

バストバンドでも巻いて貰おうかと思い、
「君はＭかい？、Ｓかい？」と思わず聞いたら、
顔を赤らめて、「Ｍです。」との声。

看護婦さんに、「バストバンド、Ｍ持ってきて」

合わせてみると、当然大きいようです。
さっきの彼女の返事は忘れたふりをして、
「やっぱりSだな、Sもってきて。」

それから先、
彼女の顔を見ることはできませんでした。