診療所だより

開業医gobokuの日記

こんなこと考えながら、
こんな生活しています。

人に歴史あり です

2020年07月20日 | 診療
 「一通の手紙」の後、2日ぐらいして、やはり患者さんから
同じような手紙が届きました。
今度の患者さんは名前をみると、顔を思い出せる方なので、
何が書いてあるか開封する前にドキドキすることはなかったのですが。

2通も同じような手紙が来るなんて不思議です。

 高血圧で内服中の柴沢さんは、通い始めて数年の80歳前後の患者さんです。
今でも現役で、お仕事をしています。
塗装業を営んでいて、屋根の上に昇ったりしているそうです。
先日のこと、
高い屋根に登るので、僕が 気を付けてくださいよ、高いところから落ちないように、
というと、
「なーに、この辺の高いところなんて、たいしたことねぇよ」
「おらぁ、わかいこときにゃ、東京タワーに登ったんだから。東京タワーで仕事してんだでぇ」
えぇ-、あの東京タワーを作っていたんですか?
「ほーだ、いちばん先のとこは行かなかったんだが、だいたい300mぐらいのとこまでは登ったんだから」
そりゃすごいわ、もちろん命綱つけていたんでしょ?
「その頃は、そんなもんはつけてなかったなぁ」
と遠くを見るような目をして話してくれました。

申し訳ないけれど今の柴沢さんからは想像出来ないし、
こんな田舎にそんな人がいるなんて、

人に歴史あり です、本当に。