診療所だより

開業医gobokuの日記

こんなこと考えながら、
こんな生活しています。

猫のぬいぐるみ

2016年07月14日 | 診療
梅雨の最中、何となくどんよりとした日が続いています。

外来には相変わらず、閑古鳥がいるようです。

午後は特に暇で、診察室にいるより、
自分の部屋にいる時間のほうが長いです。

自分の部屋で、本を読んだり、パソコンをいじったりしているのですが、
玄関が開く音は聞こえます。

そんな午後のある日、
玄関が開く音がして、なにやら子供とお母さんと思われる声が、
受付のほうから聞こえてきます。

「ほうほう、久しぶりの子供の患者さんか」と待っていたのですが、

呼ばれると思って待っていても、
診察室からはいっこうに呼ばれません。
「???」と思ってさらに待っていたら、
やってきたのは事務の飯町さん。

「先生。」

「以前かかったお子さんの患者さんが、

待合室に置いてある、

猫のぬいぐるみが大好きで、

どうしても忘れられないから、

なんとか譲ってもらえないかと

お母さんが見えているのですが・・」

「へっ、そうなの。
いいんじゃない。
差し上げれば。」

ちょっとして事務室に行ってみると、
大事そうにぬいぐるみを抱っこしたお子さんと
お母さんの後ろ姿が見えました。

後からスタッフに聞くと
その猫のぬいぐるみは、
人気があるそうで、
お母さんが、お子さんに
「その猫ちゃんは置いて行かないとダメでしょう」と
言う声を聞くことがよくあるのだそうです。


僕もそんなふうに 患者さんから好かれたいなと、
ぬいぐるみの猫に嫉妬なんかしちゃいました。