アスリート 未来にむかって走る

「日常のすべてが被写体だ。必要なことは好奇心と想像力」をテーマに綴っていきます。

がんの痛み緩和の調査 (^.^)

2009年02月16日 | Weblog

新聞で『がんの痛み「取れた」2割弱=医療者の評価と開き-患者調査』という記事が掲載されました。

『がんの痛みが治療で完全に取れたという人は16.6%と2割に満たないことが7日、がん患者を対象とした慶応大研究班の調査で分かった。医療者が対象の先行研究では、5-6割で十分な効果があったとされており、開きがあった。
 研究班の佐藤靖郎済生会若草病院外科部長は「16.6%は衝撃的」と話し、緩和ケア改善のため、患者の声を取り入れた痛みの測定手法の開発が必要だとしている。
 昨年6月から7月にかけ、全国のがん患者会を通じ、アンケート調査票を配布。1634人から回答を得た。がんに関連する痛みを感じている人は23.9%、かつてあった人は38.9%で、6割強が痛みを経験。その半数以上が、日常生活への支障を感じていた。
 医療機関で痛みの治療を受けた人のうち、痛みが「完全に取れた」は16.6%、「ある程度取れた」は52.2%。満足度では、「大変」「どちらかといえば」を合わせ6割弱が満足していたが、不満との回答も約1割あった』

また、他の新聞では、
『2007年6月に閣議決定したがん対策推進基本計画は痛みを取り除く「緩和ケア」の充実を重点課題の1つに掲げているが、医療現場の取り組みが進んでいない実態が浮き彫りになった』

とも報道しています。


ポッコの場合はモルヒネを上手に処方してもらいましたから、亡くなる前の数ヶ月は完全に痛みからは解放されました。

それにしても痛みの度合いというのは患者さんだけにしか分からないので難しいところです。

我慢強い人とそうでない人では訴え方も違いますし。医師の力量、理解度も関係していきます。もちろん医師は痛みを何とかしたいと思っています。

新聞記事の見出しだけを見れば、

「なんだ、2割の人しか痛みがとれないのか」

と思ってしまいますが、

「6割の人が満足している」

という事実も見逃せません。

私は「緩和ケア」というひとくくりではなく「痛み緩和治療」という表現にした方がわかりやすいと思います。

ある医師の指摘に、

『一般には、「緩和ケアには末期にならないとかかってはいけない」とか、「命を諦めざるを得ない人が行くところ」と理解している人のほうが多数です。「治癒不能となった患者と家族に対しておこなうケア」という古い定義の方がいまだに広く使われているため誤解が多い』

とあります。

緩和ケアの新しい定義は、

「緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、疾患の早期より痛み、身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな(霊的な・魂の)問題に関してきちんとした評価をおこない、それが障害とならないように予防したり対処したりすることで、クオリティー・オブ・ライフ(生活の質、生命の質)を改善するためのアプローチである。」

です。もちろん疼痛の緩和が主体ではありますが、それがすべてではないのです。
 

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