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韓国大統領選挙:北朝鮮新政権の韓国大統領選挙への影響力行使開始

2011-12-31 | 2012年、四大大統領選挙の現状
2011.12.31

北朝鮮の政権の世襲交代は、当然のことながら韓国の政局に大きな影響を与えている。

特に大統領の任期が2013年2月24日までとなっており、今年行われる大統領選挙において、Lee Myung-bak現大統領が再選されるか否かにも重要な意味を持ってくる。

北朝鮮労働党は故Kim Jong Il(金正日)労働党総書記の後継者Kim Jong Eun(金正恩)氏を人民軍最高司令官に推戴した。国防委員長、党総書記のポストにも順次就任する見通しであるという。

このニュースの直後に出された国防委員会(National Defense Commission)の声明文は、「弔問団訪朝」を制限した韓国政府に対して、"We will surely force the group of traitors to pay for its hideous crimes committed at the time of great national misfortune," (この大きな国難に際して、残忍極まりない犯罪行為に走った国賊どもにその代償を必ず支払わせる)と激越な調子である。

そして、「逆賊Lee Myung-bak一味は永遠に相手にしない」(North Korea would shun Mr. Lee's government "forever,")という表現が使われていて、Kim Jong Eun氏が、両国関係の緊張緩和策をとるのではないかとの期待は完全に粉砕されたというのが海外メディアの分析である。

これらの激越な言葉の下敷きには前政権の「太陽政策」"Sunshine Policy"を白紙還元し、経済支援を打ち切ったLee Myung-bak現大統領に対する北朝鮮側の積年の鬱憤もあることは間違いがないとも指摘されている。

忘れてならないのは、北朝鮮側の声明には必ず重要なメッセージが、常にそのレトリックの裏側にこめられていることである。すなわち、激越なレトリックに目を奪われて本質を見失ってはならないのである。

若い後継者の権力確立を急ぐ中、新たな軍事行動の兆候があるのか否か、韓国大統領選挙に影響力をどのような形で行使しようとしているのか、米中政府は必死に情報収集と、分析を行っているであろう。

日本政府にその能力はあるのだろうか。


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