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世界の動きを英語で追う

世界と日本の最新のできごとを、英語のキーワードを軸にして取り上げます。

Bush大統領、欧州へFarewell tour

2008-06-10 | 米国・EU動向
Bush大統領が欧州歴訪に出かけました。今回は、ローマ法王、サルコジ仏大統領、メルケル独首相、エリザベス女王との会見が予定されています。

今回の外遊は、卒業旅行(farewell tour)とか、swansong(白鳥が臨終のときに歌うとの言い伝えから)旅行と評されています。

大統領選挙が白熱する中、有終の美を飾りたいとする、同大統領の心の現われなのでしょうか。それとも次期大統領への置き土産とする成果をひそかに狙っているのか、興味の尽きないところです。

オバマ勝利宣言 Change must come to Washington.

2008-06-04 | 米国・EU動向
オバマ氏は、ミネソタ州セントポールにある9月に共和党が党大会を開催する会場で、民主党大統領候補指名の勝利宣言を行いました。

場所の選定も抜群の演出効果を持たせるということで、同氏の選挙参謀チームの優秀さをまた一つ証明しています。

オバマ氏の勝利の言葉の一節に、

ワシントンに「変化」(change)を起さねばならない、今年はいままでとは違った年にしなければならないとの皆さんの信念のおかげで、そして心の中の疑いや恐れにとらわれず、大きく熱き思いに未来を託すことを選んでいただいたおかげで、今夜ここに、一つの旅を歴史的に終えることができました。そして今日を出発点に、また新たな、より良きアメリカを作る旅を始めます。

とあります。

'Change must come to Washington'は良いスローガンになるでしょう。

オバマの献金獲得能力 $500m Funds Rush Spurred

2008-06-03 | 米国・EU動向
米国民主党の予備選も大詰め。いよいよ本日、モンタナとサウス・ダコタ州の投票結果が出て、それに加えて態度を保留してきた特別代議員の去就が明確となれば、勝利者が決定します。

オバマ氏優勢のまま最終段階を迎えたのですが、同氏の選挙献金の集金能力もクリントン氏のそれを遥かにしのいでいます。

オバマ氏がこれまで集めた献金総額は、2.4億ドルに達していますが、クリントンを支持する有力献金運動家が、オバマ勝利のさいは、献金先をオバマ氏に切り替えることを言明したとのことであります。そしてその献金の額は、大統領本選挙11月4日までに5億ドル規模に達するとのことであります。

集金能力を民意の表れ、長期戦に勝つことを「electability」(選ばれるにふさわしいこと)の証明と見る米国大統領選挙の重要な一面であります。

ひいきの引き倒しに悩むオバマ候補 Obama Quits His Church

2008-06-01 | 米国・EU動向
オバマ候補が、自らが属するTrinity United Church of Christ派のChicagoの教会からの離脱を表明しました。

民主党の予備選挙は、オバマ候補が優勢のまま終盤を迎えて、ミシガンとフロリダの票をどうするかが最も重要な争点として浮上しています。

そんな中、最もオバマ候補の脚を引っ張るのは、ヒラリー候補でも無く、共和党のマケイン候補でもなく、自陣営それも長年属してきた自分の宗派の牧師たちであるのは誠に皮肉であります。

自らが師と仰いできた、Jeremiah Wright牧師が、過激な白人攻撃の説教を行い、それに対してオバマ候補は、演説内容のみならずWright師も強く非難して縁切り宣言をしたのはまだ記憶に新しいところですが、先週日曜日、同氏の長年の友である白人のPfleger牧師が、ヒラリー候補が選挙戦中に、選挙民との対話中に泣いたことを物まねをしながら説教壇からからかったのです:

ヒラリーが泣いたときね、みんなウソ泣きだといったけどね、あれはウソじゃなかったね。本当はこういいたかったのさ。「この選挙は私のものよ。私はビルの妻よ、白人なのよ。私のものなの!だから立候補しなければいけなかったのよ。そしたらどこの馬の骨か知らないのがやってきて、私はオバマですっていうのよ」

「なんてこと、どこの馬の骨よ。私は白人よ。私しか資格がないはずよ。黒人が来て、私を出し抜こうとするなんて!」そして師はヒラリーになりきって泣きまねをしたのです。

Bush政権元報道官回想録出版 a serious strategic blunder

2008-05-29 | 米国・EU動向
Bush政権で2006年の辞任まで3年間報道を担当した、Scott McLellan氏が、”What Happened: Inside the Bush WHite House and Washington's Culture of Deception"(ブッシュ政権とワシントンの欺瞞の文化の内部で起こったこと)という内部告発の本を来週出版しますが、その内容が公開されてマスコミに大きく取り上げられています。

その中で、イラク戦争を、「深刻な戦略上のヘマであり、重大な誤謬」である断じるとともに、その政策遂行の際にブッシュ大統領は、率直さと正直さに欠けていたと非難しているとのことです。

また大統領自身の麻薬使用疑惑にも触れるなど、ホワイト・ハウス関係者は身内の裏切りに困惑し切っていて、「自分たちが知っているMclellan氏の言葉とは思えない」といぶかっているそうです。

この本の政治的な衝撃がいかなるものになるか当面目が離せません。

米国大統領選挙: Clinton vs. Obama

2008-05-10 | 米国・EU動向
5月に入って米国民主党の大統領候補者選びも、オバマ候補が優勢に傾いてきていますが、序盤戦を、今年の1月上旬のころに、両候補の使った言葉で振り返って見ましょう。

(1)クリントン候補:『最も高く、最も固いガラスの天井』

クリントン候補は、ある演説会で、男性から、”俺のシャツにアイロンかけてくれ”とやじられたことに対して、”分かっておいででしょうが、私はいま世界で最も固くて、最も高いところにあるガラスの天井を突き破ろうとしているところなのですよ”と応酬してやんやの喝采を受けたとのことです。クリントン候補が、女性の出世を妨げる眼には見えないが厳然と存在する”ガラスの天井”(glass ceiling)のたとえをもって対峙しなければならないところに、男女差別意識が米国にもまだ色濃く残っていることを示すエピソードであります。

(2)オバマ候補:『今だという心の叫び』

民主党候補予備選挙の序盤戦、アイオワ州では、民主・共和両党ともに事前予想を覆して、オバマ・ハッカビー両氏の勝利に終りました。そして民主党内でではクリントン候補の選挙前の絶対優位が崩れ始めています。 二人が使うキーワードで見るとオバマ候補の『変革』(change)対クリントン候補の『経験』(experience)で始まりました。さらにオバマ氏は有名なキング牧師の演説”I have a dream”から引用して、私利私欲ではなく、自分が、今こそこの国を変えねばならないという突き上げる衝動(Urgency of Now)によって大統領を目指すのだと訴えています。