ONE FINE DAY

「昨日のことは忘れてほしい」
「もう遅い。日記に書いた」

Edith Piaf

2007-10-26 | 映画
↑はピアフ本人

実は先週、「エディット・ピアフ・愛の賛歌」を見た。
その後、姉から借りた彼女のドキュメンタリーを見て、
映画をもう一度無性に見たくなり
上映最終日の今日、思いきってモーニングショーで2度目の鑑賞。

たった47年の短い人生。
しかしなんと劇的で波乱に満ちていることか。
47歳のピアフはまるで老女のようだが、
そのくらい密度の濃い人生だったのだろう。
映画はその人生をジグゾーパズルのようにばらばらにして、
人生の最後に人がかいま見る記憶の断片を集めたような構成。
これが効いている。

ピアフを演じたMarion Cotillard (マリオン・コティヤール)が素晴らしい!

↓ラッセルと競演した「A GOOD YEAR」のマリオン


↓ピアフを演じるマリオン


演じることの深さを感じさせてくれる名演だった。

しかし、なんといってもピアフの歌の衝撃は大きかった。
名前は知っていたが私はピアフの歌を聴いたことがなかった。
シャンソンは苦手で、センチメンタルな印象があった。
フランス語も苦手だし、大昔長姉が夢中になっていたときも、
こんな歌のどこがいいんだろうと内心不思議だった。

今回彼女の歌を聴いて、
(映画で使われているのは本人の歌)
圧倒的な歌唱力にノックアウトされた。
のびやかな声量と、強靱な声帯と、絶対音感と、もちろん表現力。
センチなところはまったくない。
ひるむことのない歌声。
凛として、潔い。
ただただ圧倒されてしまった。
マリア・カラスにも匹敵する歌姫だ。

ドキュメンタリーを見たコリコ姉が、
「ピアフの歌を聴いていると、「男を愛する」なーんてことを、
いやがおうにも考えてしまうよね」と、照れくさそうに云っていたが、
おっしゃるとおりです。
そしてつい、自分の人生を振り返ってしまう。
それがいいことなのかどうか私にはわからないが、
ピアフの歌が聴く人の心に触れるのは確かだ。