大手住宅メーカーのタマホーム玉木伸弥社長(42)が社内に事実上の《ワクチン禁止令》を出していることが「週刊文春」で報じられたらしい。
報道によれば、玉木氏は幹部会で「ワクチン接種に反対」、全社員がオンライン視聴した経営方針発表会で「ワクチンを接種したら5年後に死ぬ」「5Gがコロナ感染を引き寄せる」と発言を繰り返し、更にこの口達は文書化され「感染拡大防止対策に関する社内ルールに違反した場合は自宅待機(欠勤:無給扱い」との命令となったらしい。文書には直截ワクチン接種云々に関する記述は無いが、現場では普段からワクチンを打てば自宅待機と言われていることからワクチン接種=自宅待機(無給)の理解が社内に行き渡っているとされている。
社長の指示は労働基準法違反やパワハラの可能性が有るとされているが、そのことは専門家の判断に委ねるとして、玉木氏の前時代的な思考に不謹慎ながら興味が湧く。
旧約聖書に語られる伝承では、善良・敬虔なノアが唯一神の啓示によって方舟を作り家族と全生物を救ったことになっているが、玉木氏の「ワクチン接種後5年で死亡」は、神の啓示か、未来から来たタイムトラベラーの情報か、実際に玉木氏が見た未来か、理解できないものである。鰯の頭を信じ・表現するのは憲法の保障するところであろうが、その主張に従うことを他人に強要・強制することは許されないことで、そこに上下関係或いは雇用関係が絡めば尚更であると思う。
現在、思想・信条・表現の自由を殊更に強調する人々は、恰も「それらを強制・強要する自由」まで保護されているかの行動にまで奔り、世間もそれに一定の理解を示す「物分かりの良い世相」を装っている。例えば、ノーマスク運動者が市役所に押し掛けてクラスターを発生させた札幌市の例、夫婦別姓に反対の丸川大臣を人のように罵った社民党の福島瑞穂党首、多くの人に嫌悪感・不快感を抱かせる展示物を芸術と称して公施設使用を強要した報道の不自由展委員会、改憲阻止署名を拒否した際に浴びせられた9条を守る会運動者の捨て台詞、等々数え上げればきりがない。
思想・信条・表現の自由は万人に保護された権利であり、対極者に対しても同様に保護されていることを思えば、玉木氏の場合も、本人がワクチンを打たない主張と行為の自由(権利とまで思わないが)は認めるものの、他人のワクチン接種の権利と願望まで侵害する自由は認められないと思う。
それにしても、今の世の中に”それほどまでに狂信的・盲目的”な人がいることには驚きであるが、もしかしたら玉木氏の予言(預言?)は真実で、5年後には日本の人口が激減していることがあるかも知れない。ワクチン接種した自分は、多分5年を待たずに自然消滅するであろうが、玉木氏の言は若年者や老い先長い人々に「ワクチンを打たずに今感染死するか、ワクチンを打って5年後に死ぬか、いずれにしても皆んな死ぬ」というブラックジョークであるのかも(笑笑)。