ピピのシネマな日々:吟遊旅人のつれづれ

歌って踊れる図書館司書の映画三昧の日々を綴ります。たまに読書日記も。2007年3月以前の映画日記はHPに掲載。

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国

2008年06月29日 | 映画レビュー
久しぶりに一家全員で映画鑑賞。わたしは途中でちょっと寝てしまったけど、あとの男の子たち3人は喜んでいたようで。慶賀かな。

Y太郎(高校2年)が右隣でするめをかじり、S次郎(中学3年)が左でジュースを飲み、匂いに挟まれてちょっと難儀した母でありました。

もともと荒唐無稽なお話だったけど、今作は思いっきりやってくれました。インディ meets E.T. with ”未知との遭遇”!



 巻頭のエルビス・プレスリーの「ハウンド・ドック」に時代を感じさせる。そして、核実験で有名なネバダ砂漠が舞台であることが判明し、そこにソ連兵が登場して…。というように、まさに1957年の冷戦時代を映し出す映像の数々。そして、ソ連のエリート将校イリーナ・スパルコ (ケイト・ブランシェット)が、時代がかった立ち居振る舞いでスターリンの秘蔵っ子ぶりを発揮する。歌舞伎の見栄じゃあるまいし、いちいち決まりポーズをとるところが嗤える。演出はまるで漫画。とにかくやたら古めかしくばかばかしいばかりの演出には、「わざとやってるよね?!」というくすくす笑いを禁じ得ない。

 本シリーズのワンダーランドぶりは健在なれど、次々繰り出すアクションにまったくスリルがないのはいただけない。スピルバーグの演出にも切れがなくなってきたね。緩急をつけないものだから、飽きてきてしまう。主人公たちが絶対に死なないという安心感があまりにも高く、これではなんぼなんでもいかんやろ~。劇場用パンフレットには完全に結末まで書いたストーリーが記されている。通常、こういう場合は「結末にふれていますので映画鑑賞後にお読みください」という注意書きがあるのだが、それもない。つまりはストーリーなんて二の次三の次、たとえラストがわかっていても「そんなの関係ねぇ~」わけね。確かに舞台を次々と移して展開するこれでもかとばかりのアドベンチャーワールドぶりにはいささかうんざりするところもあり、すっかりパターン化した「原住民」描写には、二昔以上前のハリウッド映画の雰囲気ぷんぷん。物語の時代が1950年代だけあって、映画そのものの作りが1950年代風なのだ。

 後で知ったのだが、本作は第3作の続きではなく、第1作「失われたアーク」の続編である。ちゃんと第1作のラストシーンをそのまま引き継いでいるのだ。本作を見る前に第1作をおさらいしたほうがいいでしょう。

 それにしてもこのラスト! まだ続編を作る気?!

 そうそう、S次郎が言ってました、「ハリソン・フォードって若い頃より今のほうが渋くてかっこいいなぁ」。Sもそんなことがわかるような歳になったのかな。子どもの成長がちょっと嬉しい母でありました。

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INDIANA JONES AND THE KINGDOM OF THE CRYSTAL SKULL
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
アメリカ、2008年、監督: スティーヴン・スピルバーグ、製作総指揮: ジョージ・ルーカス、キャスリーン・ケネディ、原案: ジョージ・ルーカス、ジェフ・ナサンソン、脚本: デヴィッド・コープ、撮影: ヤヌス・カミンスキー、音楽: ジョン・ウィリアムズ
出演: ハリソン・フォード、シャイア・ラブーフ、レイ・ウィンストン、カレン・アレン、ケイト・ブランシェット、ジョン・ハート